便秘と下痢の化学反応 7/10
こんなにトイレにいたのは初めてだ。はぁ。もう諦めた。俺は一生、うずくまりながら生きていくのだろう。長い苦しい人生になりそうだ。
母親が声をかけてきた。それ程にトイレに篭っていたのだろう。
「大丈夫?」
「もう無理。腹がめちゃくちゃ痛い。でもウンチが出ない」
母親はすぐに病院に電話をしてくれた。排便を諦めた俺は、玄関にうずくまる。ただただ、母親のゴーサインを待った。
「病院行くよ。動ける?」
母親が車に乗るように指示をする。
「なんだ?便秘ぐらいで大げさだなぁ」
酔っぱらった父親が茶々をいれてきた。酔っぱらいを相手にしてる余裕はない。マジでうっとうしい。こんな奴は無視無視。
俺はゆっくりと歩き、車に乗った。移動中もずっと腹が痛い。下痢が俺の腸を攻撃しまくっている。勘弁してくれ。この際、口からでもいい。さっさとこいつを出してくれ。
神様お願いします。
どれほど祈っても届かない。祈りに値打ちはあるのだろうか。俺の祈りは届かない。
激痛のまま病院に着いた。大袈裟と言われようが関係ない。俺は大病人のような歩き方で病院へ入る。母親が受付で名前を言う。てきぱきと動く看護師がすぐに俺の名前を呼んだ。
うずくまるような態勢で診察室に入る。椅子には優しそうなおじさんが白衣を着て座っていた。ベットに横になるように指示する。俺はベットに横になり、腹毛が一本もない綺麗な腹を出す。
おじさんが俺の腹を軽く押し、痛いかどうかを聞いてくる。何か所か押し、ピンポイントで痛い場所を当ててくるようになった。さすがはおじさん。さぁ、早く俺をこの激痛から解放してくれ。
「一応、レントゲンも取りましょうか」
おじさんに言われるがまま、初レントゲン室。おじさんよ。まだ確信に変わらないのか。早くしてくれ。頑張れおじさん。負けるなおじさん。
こんな日は神様を信じてやまない。本当にお願いします。もしこんな時に神様が現れて「勉強をしっかりするなら治してやろう」なんて言われたら即答だ。
呆気ないレントゲン撮りが終了する。
さぁ行こう。俺たちはまた、おじさんのところへ向かう。
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