表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編ファンタジー

最新ビジネス『イセカイテンセイシステム』

作者: 中井 香

≪お久しぶりです、急に連絡してごめんなさいね。どうしても教えたいことがあるんですよ。≫

≪このカフェ居心地いいですよね。よくランチ食べに行ったり、こうやって誰かと会う時に使うんですよー。≫

≪何でも頼んでいいですよ。私が誘いましたし、お金はこちらで出しますよ?≫

≪あぁ、教えたいことでしたね。何と言いますか、仕事のこととか、プライベートのこととか、今と同じように何年も過ごす…。そんなことに不安を感じていたりしませんか?漠然とした不安、とか、そうそう!もっとやりたいことがあるんじゃないかって、そういう感じのでもいいです。≫

≪というのも、私自身、先月会社が倒産してしまって、もうどうしたらって困ってたんですよ。えぇ、もういっそ死んでしまった方がいいんじゃないかってくらい悩みました。≫

≪そう見えないですよね?実は、ある方が助けてくれたんですよ!この後来る予定なんですけどね。その人が、私に素晴らしいことを教えてくれたんですよ。≫

≪異世界転生って聞いたことがあります?絵空事とか、関係ないって思われるかもしれませんが、実は誰だって簡単にできることなんですよ!≫

≪何もしなくてもお金が入ってくるし、他の人が仕事をしている時間に、異世界で好きなことが好きなだけできるんですよね。イセカイテンセイシステムで、一週間で100万円収入超えることもあるんですって!≫


≪あ、アザムさーん!こっちですよ!≫

{こんにちは。ウツギさんのご友人ですか?私はアザムといいます。}

≪アザムさんなんですけど、年収1000万円超えているんですよね。そんな大金、本当は誰だってもらえるんですって!ここのお店のひとも、あなたも、私も!≫

{ウツギさん、順序良く話さないと…ご友人が呆然としてますよ?}

≪あ、ごめんなさい。≫

{異世界転生って聞くと、だれしも胡散臭いって表情するんですよね、分かります。最新ビジネスは、最初は叩かてしまうんですよね。この携帯機器だって、昔は絵空事って言われてましたし…。信じてくれる人にだけ伝わってくれればいいんです。ええ、信じてもらえるとありがたいです。信じる者は救われる。私自身がそう思っているので…このイセカイテンセイシステムのこと、もう少しお話してもよろしいでしょうか?}


{この『イセカイテンセイシステム』は、この資料にも書いてあるんですが、異世界に自分を連れて行ってくれるトラックがくるんですよ。そのトラックには、大きな特徴がありまして、まず自分より大きく、ナンバーが3桁。そして…。}


…………


……

「はぁ、ついに50人目じゃ。」

「お、神様困ってますね。どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたも、最近走馬燈が全く同じ自殺者が多いんじゃよ。」

「えー!?そんなことあるんですか!?」

「あぁ、なんだか死んだら異世界に行けるとかいって自殺を促してるようじゃ。」

「そういやなんか後輩の天使たちがそんな話してた気がしますー。」

「人間界ではあの手この手でお金をだまし取ろうとする輩がいることは聞いていたが、まさか命まで取り出すとはな。」

「神様、そんなため息つかないでくださいよー。」

「分かってはいるんじゃがな…。はぁ。最近悩んでばっかじゃ。」

「悩みでしたら、いい解決方法がありますよ?こみいった話もしたいですし、今度のお休みの日にどこか行きません?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ