13.覚悟!そしてクエスト〜!
復活!
公園に着いた焔とマイ。
焔はベンチに座り、マイは焔の膝の上にすわった。
その後、焔はアイテムボックスから先程買った肉を取り出した。
「よーし、マイ!お待ちかねのご飯だよ!一緒に食べよっか!」
マイは、待ってました!と言わんばかりに焔を見た。
その様子はまるで子犬で可愛らしさが倍増して焔は胸がドキッとした。
(おう...可愛すぎる!特に小さな翼!嬉しいのかちょっとパタパタさせてて可愛いぃぃ!)
焔はニヤニヤしながらマイに肉をあげた。
かみかみっ
マイは咀嚼音を出しながら肉を食べている。
焔はその様子を見て、ずっとニヤニヤしていた。
焔の近くを通った人は
「あの人ずっとニヤニヤしてるわよ。ちょっと気持ち悪いわ」
「ママー、あの人なんか顔がにやけてて面白いよー!」
「こら、見ちゃ行けません。あの人はきっと頭がおかしい人よ」
などと言われた。
焔が今いる所は公園!すなわち、周りの人から沢山見られるのだ!
この日、焔は公園でニヤニヤしている変人だと思われてしまった。 間違ってはいない(ボソッ
その後焔は部屋に戻り自分のステータスを改めて見た。
雨森焔 Lv1000 ジョブ ???Lv?? 称号 白竜の加護を得し者 所持金5200ルピ
筋力 97
防御 84
魔力 150
魔防 143
速さ 106
精神力 60
運 50
スキル
伐採Lv9 採掘Lv9 釣りLv7 魔力操作LvMax 完全記憶 能力up (努力すればする程能力が上がる[精神力と運以外]) 白竜の知識 不老 全属性魔法Lv1
装備
左 鉄の剣 右 木の杖
攻撃力+10 攻撃力+2 魔力+5
鉄で出来た剣。 木でできた杖
「うーん、やっぱりバグってるステータスだなぁ」
焔はこのステータスを見て何回言ったことか。
そして、毎回ため息をついている。
もっとステータスが高ければと思うからである。
「ん?なんか端に書いてある。...テイムステータス?なんじゃこれ。なんか見れるのかな?」
焔は気になりそのテイムステータスを見た。
マイ (白竜) Lv1 雨森焔のテイムモンスター
筋力 20
防御 15
魔力 16
魔防 22
速さ 30
精神力 10
運 7
スキル
無し
「これは、マイのステータスか!?昨日テイムしたとかなんか聞こえたし、やっぱりマイは俺のテイムモンスターになったのか!」
マイは首を傾げて叫んだ焔を見た。
「マイをテイムしたってことは戦わせないといけないのかな...」
焔は悩んだ。
マイをテイムしたということは戦わせることが出来る。
だが、焔はマイを戦わせるのは嫌だと思った、可愛いから危ない事をさせたくないからだ。
その心は、子どもに危ない事をさせたくない親の様。
「マイは魔物と戦いたいか?」
とりあえずマイに聞いてみる。
生まれたてのマイに!まだ、言葉もわからないであろうマイに!
焔は自分の思いが通じると思い聞いてみた。
「きゅぅう!きゅぅう!」
「そうか、お前は戦いたいのか...じゃあ明日からは俺の魔力の練習ついでで魔物を見つけて一緒に戦おう!」
焔は一人で色々と言っているがマイは食べ物が貰えると思って舞い上がっていただけである。 マイだけに...
「ふぁっ!なんか寒くなってきた。あれ?今日ってそんな寒かったっけ?」
なんかごめん。
ともかく、焔はただ勝手にマイが戦いたいと勘違いしたのだ!
焔はマイを掲げて「一緒に頑張ろう。」と強い眼差しをマイに向けた。
マイが「あれ、ご飯は?」と思っているのも知らずに...
「よし、その為にもテイマーについて学ばなきゃな!図書館に行くか!」
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時間は遡り、まだ焔とマイが起きていないころ竜也は一人起きていた。
(ふっ...あの後勝手に寝やがって!一人で片付けしたわクソが!起きた時感謝しろよ〜?)
一人でマイが生まれた時に散らばった卵の殻を片付けていた竜也。
片付けている際、ちょくちょく足に殻が刺さりイライラしている。
可哀想だぜ!
「はあ〜、まあいつも通りクエストに行くか。魔物倒して気持ちよくなってこよ」
竜也はメモを残し、クエストを受けるためにギルドへ向かった。
「さーて、手頃なクエストは無いかなー」
クエストボードを見ながら呟く。
竜也は今、弱い魔物を大量に倒すクエストを受けたいのだが今回はなさそうだ。
(あ〜、ないか。仕方ない。適当に目を閉じてクエスト取ってそのクエストをやるか)
竜也はそうやってクエストを取り、クエストを受けに行く。
その途中で、何やら。おどおどしている人物がいた。
光樹である。
彼は何とか親を説得し、冒険者になることが出来た。
だが、何をしていいのか分からず困っているのだ。
クエストボードを見ても「パーティーを組んでやるのがいいよ!」と書いてあり一人で行って無事に帰ってこられるか分からない!という感じだ。
まあ、臆病って事ですね。
竜也は光樹を見た事がないので、そのまま素通りしてクエストを受けに行った。
「このクエスト受けます」
「はい、最近増えている、ゴブリンの討伐ですね。何匹でもいいのですが、出来るだけ多く、ですが無理はしないで頑張ってきてください」
(おっラッキー。適当に取ったクエストだが、当たりだな)
ちょうど竜也がクエストボードを見ていなかった所にこのクエストがあったのだろう。
今の竜也は合ったクエストを受けることが出来た。
ゴブリンは地味に強く、推奨レベルが20なのだが竜也のレベルは25。
ステータスは
佐島竜也 Lv25 ジョブ 剣士Lv10 称号 無し 所持金 3200ルピ
筋力 58 +6
防御 56
魔力 0
魔防 47
速さ 45
精神力 38
運18
スキル
一点集中 剣術Lv4 回避術Lv5 筋力強化(鍛えれば鍛えるほど筋力ステータスが上がる)
装備
鉄の剣+2
攻撃力+18
鉄で出来た剣。
竜也も地味に一つ、強いスキルを手に入れていた。
筋力強化、このスキルは竜也が戦っている最中に何故か手に入れたスキルだ。
竜也はこのスキルを手に入れた時「ひゃっほぃぃ!」と一人で騒いでいたのだが、まあキチガイだったと言っておこう。
竜也は冒険者を始めて1ヶ月半にしてはかなり強い方だ。
これも、焔がポーションなどを沢山作ってくれるおかげだ。
そのおかげで多少無茶してでも戦う事が出来たし、焔は鍛治も少し出来るため竜也の使っている剣を修理したり強化したり出来る。
竜也は焔に支えられているため今もこうして強く生きていられるのだ。
(さーてと、早速ゴブリン倒しに行こーと)
竜也がルンルン気分でギルドを出ようとしたら、急に声を掛けられた。
「あの僕もついて行っていいですか!?」
声を掛けたのは光樹である。
光樹は竜也が一人でクエストに行くのだと思い、勇気を出して声を掛けたのだ。
「えっと...誰?」
「僕は光樹って言います。それで、あの...僕もそのクエストに連れて行ってもらえますか?」
この時、光樹は「一人でクエストに行くから弱い魔物を倒しに行くんだろう」と思っていた。
そのクエストが推奨レベル20だと知らずに...
「なるほど。光樹は今、レベルはどのくらいなんだ?」
「1です!」
「へー、1なんだ...え?レベル1!?」
驚いて当然です。
何故なら、竜也は光樹がもっと強いと思っていたからだ。
(俺が一人だから弱い魔物でも倒しに行くと思ったのか?いや、ゴブリンだからそんなに強くはないか。)
だが、光樹からしたら強いのは変わりない。
(ともかく、レベルが圧倒的に足りないな。申し訳ないが断るか。)
レベルが足りていてもステータスが低い焔は別です。
「ごめん、俺が今から行くクエストはゴブリン退治なんだ。推奨レベルが20だから光樹じゃダメかな」
「え"?そうなんですか...。 (この人強い人だったー!一人でゴブリン!?群れて行動をするゴブリンに一人で行くなんて...。なら、せめて初めは何をすればいいか聞こう。) あの、僕は冒険者を初めて間もないので何をしたらいいか分からないんです。まず、何からやればいいか教えてくれませんか」
いや、クエスト受けろし。
そう思った竜也だが、初対面でそんな事言うのは嫌なので言葉に気をつけて丁寧に答えた。
「そうだな...クエストボードを見て、推奨レベルが低く群れることの無い魔物を討伐するクエストを受けれいいと思うぞ。後は魔物と戦っていくうちに強くなっていくから」
「でも、パーティーを組んだ方がいいって書いてありますし」
(えっ?そんなの書いてあったの!?知らんかった。てゆうか早くクエスト行きたいぃぃ)
竜也は早くクエストに行きたかったので、簡潔に言った。
「一人でも頑張れば出来る。俺は一人で戦ってきた。 (まあ、焔のアイテムのアシストもあってだが)」
竜也はそう言い残しギルドを出た。
一人残された光樹は、竜也が適当に言った言葉が心に突き刺さり、一人でも頑張ってみようと思った。
そして、クエストボードを見る為に一歩踏み出した。
「さーて、このくらい倒せばいいかな」
竜也はあの後村を直ぐに出て、ずっとゴブリンと戦っていた。
時間はもう夕暮れ、日が落ちかけている。
ゴブリンは群れて行動をしているので竜也も少し苦戦したが、焔の作ったポーションを飲んで何とか倒しきった。
稀に単独のゴブリンもいたが、そいつは弱かった。
置き去りにされていたのか、弱くて見放されたのか分からない。
だが、竜也は倒しきった。
そういう世界なのだから。
竜也は今日だけでおよそ40匹のゴブリンを討伐した。
「レベルはどうなってるかな〜...おっ3も上がってる!しかも魔力が2になってる!俺も魔法つかえるじゃーん!」
竜也は異世界に来た時から欲しかった魔力をようやく手に入れることが出来た。
沢山戦って何かが芽生えたのだろう。
「よーし!早速村に戻ってクエスト終わらそ!それから、焔が読んでた魔法についての本を読ませてもらおう!」
竜也は上機嫌で走りながら村に戻った。
帰った後、ギルド嬢にゴブリンを沢山討伐したお礼を頂き、報酬ルピを少し多めにして貰えた。
さらに、竜也の冒険者ランクがEになった。
「あー!祭りの事すっかり忘れてたぁ!何やるか決めてないしやべぇよぉぉ!」
「きゅう?」