12.白竜の子爆誕!!
あぁぁぁ。
焔は部屋に戻って今日起こったことを全て竜也に話した。
「なるほどな。お前のレベルがカンストして、白竜って言うドラゴンから卵を受け取ったのか」
焔が出した卵を見てそう言った。
竜也には焔が話した内容がしっかりと伝わっているみたいだ。
「そうなんだよ。ジョブもおかしくなってるし、俺のステータスカードは余り見られない様にした方がいいな」
「完全に壊れてるとしか思えないからな。それにしてもレベルカンストしてるのか...なんでステータス弱いんだよ!チート能力だったら神獣倒して神器も手に入れて地球にひゅんって帰ることが出来たのに!」
竜也も焔と同じ事を思っていたようだ。
焔も正直レベルがカンストしているならチート能力で無双したいという気持ちがあった。
だがしかし、現実は厳しい!白竜に貰ったスキルは努力すればするほど能力値が伸びるものだ。
「甘えるな」
そう白竜に言われたみたいだ。
「俺だってチート能力が良かったよ!無双して国とか救って出来ればハーレムしたかったよ!」
焔は下心丸出しの言葉を出した。
二人は言い争った後ため息をついた。
「まあ、今までと変わらない生活をするしかないな。こつこつと頑張っていこう」
「そうだな。俺も色々とスキル試してみたいし。明日に備えてもう寝るか」
焔がそう言った時、焔の隣にある卵が少し動いた。
「え?今、卵動かなかったか?」
竜也が気づいたらしく焔に言う。
「絶対に動いた。もしかして、産まれる?やば!ちゃんと見とこ」
焔達がそうこう話している間も卵は少しずつ動いていた。
そして、卵に少しヒビが入った!
「おお!産まれるぞこれ!竜也見ろって!」
「ちょっと待った...腹が痛てぇ。トイレ行ってくる!」
「お前はこういう時になんてこと言ってんだ!見てけって!っておーい、トイレ行くなぁ!!」
竜也は卵から白竜が産まれるという大事な所で腹痛によりトイレに言ってしまった。 馬鹿野郎!
焔が竜也が行くのを止めようとしている間も卵にはどんどんヒビが入っている。
「俺一人で見るしかないな...どんな子が産まれてくるんだろ?ちょっと楽しみだな」
焔は白竜の赤ちゃんがどんな感じなのかワクワクした。
そしてついに!
ぴきぴき.....パリンっ!
白竜の赤ちゃんが出てきた!
「おお、なんて可愛らしいんだ。てゆうか卵の破片が!くそ!掃除だる!」
白竜の赤ちゃんは黄色い目に白い身体。鱗はまだないのかツルツルしている。
一言で言うと、可愛すぎァァァ!
「ぴぃぃ、ぴぃぃ!」
白竜の赤ちゃんが鳴いた、なんて可愛らしいんだ。
「尻尾も小さいし何より身体をいい感じに持ち上げれる...!これは、絶対に守ってやるぜ!」
焔は可愛いものに目がない様だ。
焔が産まれたばかりの白竜を撫でていると竜也が戻ってきた。
「あー、この世界に来てから初めての腹痛だった...ってうお、産まれてんじゃん!へぇ、結構可愛いじゃんか!」
そして竜也が焔に近づいて白竜を触ろうとしたが
「痛え!足の裏に卵の破片が!」
卵の破片に邪魔されました。
「それにしてもこの白竜ってどう言う名前にするんだ?」
竜也が唐突に焔に質問した。
当然だ、白竜をペットとして飼うならまず名前がないといけないからだ。 まあ、名前付けてあげたいだけだけどby竜也。
「うーん、そうだなぁ。白竜だろ?.....ん、てゆうかこの白竜オスかメスどっちなんだ?」
「あ、確かに。そうだ!お前の言ってたクソいらねぇスキルの白竜の知識で分からないか?」
なるほど、と思い焔はスキルを発動した。
"白竜の知識"
(あー昼ぶりだな。この色んな事が頭に入ってくる感覚...それにしても要らなさそうな事ばかりあるなぁ)
焔はその要らなさそうな知識の中から白竜についての知識を探した。
予想通り白竜のオスとメスの違いが分かる知識があった。
どうやらオスは産まれた時から少しは鱗があるらしいが、さっき産まれた白竜は鱗がないからメスということが分かる。
「この白竜はメスだな。女の子だぞ女の子!きゃわぁぁぁ!」
焔が壊れた、いや発狂したと言うべきか。
「くそ!焔は女の子との接触がほぼないから人間じゃないのドラゴンなのに興奮しちまった!なんて可哀想なんだ」
竜也は哀れみの目で焔を見た。
焔はそんなのお構いなしに白竜を撫で続けている。
「よし、決めた!今日からお前はマイだ!」
「なんだその名前は!?どっから来たしその名前!」
「んー、なんか撫でてたら思い浮かんだ。まあ、感で決めたって感じだ!」
「なんだそれ!!」
焔の感により、白竜はマイと名付けられた。
すると
"マイをテイムした"
「おわ!なんかテイムしたって出てきたぞ!俺はテイマーじゃないのになんでだ?」
何故か白竜のマイをテイムした事に驚きが隠せない焔。
ジョブが???とかいう謎のジョブだからか?そうとしか思えないと焔は思った。
「まあ、お前ステータスバグってるし驚く事じゃないだろ」
「いやそこだけ冷静だな!」
このやり取りだけ見ていると漫才みたいだな!
白竜は首を傾げて焔を見ている。
当然焔は
「あ、、、ちゅき☆」
キモくなる。
あの後焔達は白竜を撫で続けそのまま寝てしまった。
焔が起きた時、白竜は近くで寝ていたが竜也はいなかった。
竜也は置き手紙だけ置いて何処かに行ったらしい。
(クエストしに行ってくる。その間に白竜の食べ物とか調べておいてくれ)
「おや、ご丁寧に書いてらっしゃる。てゆうかいつの間に紙とペン買ったんだよ」
白竜の食べ物については昨日の白竜の知識で調べておいたので焔は白竜が何を食べれるかを知っている。
「えーっと確か食べれるものは肉全般と野菜を少しだったっけな。スキルで地味に完全記憶があるから覚えていられるのめちゃくちゃいいな」
白竜の加護により焔は沢山のスキルを手に入れている。
その中の一つである完全記憶は文字通り一度見たもの聞いたものは全て記憶出来るのだ。
「とりあえず肉は買わなきゃなぁ。それとも村の外にいる動物を狩るか?」
焔が悩んでいると白竜が元気がなさそうに鳴いた。
「きゅぅぅ...」
「あぁ、ごめんよマイ。お腹空いたよな。今から買いに行くからな。ちょっと待っててくれ」
焔が外にでて食べ物を買いに行こうとしたら、マイは自分も行く!っという感じで着いてきた。
「おぉぉぉ、可愛い奴め!じゃあ一緒に行こうか!」
焔はマイと初めての買い物に行った。
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焔とマイは街の商店街を歩いていた。
欲しいものはマイの食料と自分達の食料だ。
焔と竜也は門の非常食を食べ過ぎて、これ以上食べないでくれと言われ自分達で食料を確保するようにした。
二人共、まあそうだよなと思い受け入れた。
「えーっと肉屋肉屋...あった!すみませーん。肉を下さい!」
焔が肉屋の人に話しかけて肉を買おうとした。
「おう、まいど!何枚だ?」
「えーっと、十枚程で!」
「じゅ、十枚!?い、今準備するぜ。待ってな」
店員さんは奥に入っていった、十枚も買うと思わなかったから用意出来ていないのだろう。
焔達の使っているアイテムボックスだが、中に入れている物は時間は止まっているのだ。
つまり、肉をアイテムボックスの中に入れておくと腐らないため沢山買えるのだ。
(うちには冷蔵庫なんてないからなぁ。そこら辺の家には普通にあるのに)
異世界に来たのに地球と居るような技術がケイオスにはある。
その為、便利な道具が沢山あるのだ。
焔が少し待っていると
「よし、待たせたな!ボウズ。ほらよ」
そう言って肉の入った袋を渡してきた。
「ありがとうございます!」
焔は受け取り少し離れたところでアイテムボックスに袋ごと入れた。
「とりあえず、公園に行って食べるか!おいで、マイ!」
「きゅう!」
焔の後を着いてくるマイの姿は可愛かった。