34話 女子的変化
三月に入り花粉症も辛くなってきましたね。作者は絶賛苦心中です。ホント、ヤメテ。
……と、同時に卒業シーズンに突入! 卒業された方々おめでとうございます! 作者も卒業です!ヤッホー!
まあ、これくらいにして続きをどうぞ
「男子、三日会わざれば刮目して見よ」という言葉がありますが、女子は1日でとても変化するものです。それが一ヶ月にもなればもう別人と言えるのではないでしょうか。
そう、アルテミシアさんの下での修行も一ヶ月が経ちました。幻想郷での修行は過酷なものでしたが、一人で魔術について学んでいた頃よりも身になることが多かったです。なによりも戦い慣れましたし、濃い神秘が満ちている幻想郷にいるうちに、ステータス自体がとてつもなく上昇していたのです。
アルテミシアさんに言われ城の食堂に向かうと、懐かしく感じる声が私を出迎えてくれました。
「久しぶりねツキヨ」
「あ、ツキヨお姉さん」
見ただけで分かる変化が、ルーラさんとエルミダちゃんにはありました。
ルーラさんはまず髪がばっさりと切られていました。聞けば炎を纏った幻獣と戦った時ーー私も戦った覚えがありますーーに焦げてしまったそうです。ならばと思い切って短くしたと。
外見的変化はもちろん驚きましたが、しかしそれ以上に、その身から溢れている神秘に驚きました。本当に別人、というか別の種族になっているのではと思うほどです。
エルミダちゃんは少し背が伸びたでしょうか。相変わらず可愛らしい笑みを浮かべているのですが、エルミダちゃんの周囲には神秘が漂っていました。聞くと高位妖精と交流を得たそうで、今は下位精霊が常にエルミダちゃんを守っているそうです。う、うらやましいです。
「ツキヨも強くなったわね」
「……強くなるのは嬉しいですし便利ですけど、妖精が」
「げ、元気出してくださいツキヨお姉さん。幻想郷にはいませんが、【常若の地】にいる妖精王様に頼めば見れるかもしれないそうですよ」
「ほ、本当ですか!?」
エルミダちゃんに齎された朗報に胸が軽くなります。
ですが実は、私は妖精を知覚する魔術の研究を陰で独自に行っています。神秘の塊である妖精です。神秘を認識出来るのならば、それを詳細に知覚することが出来ないのかと思ったのです。
久しぶりの再会に私達は大いに盛り上がりました。もっとも、その話題は女子会には似つかわしくない、互いに置かれた環境や一ヶ月の修行の内容や成果というものでしたが。
私達は忘れてはいけませんでした。まだ、アルテミシアさんの口から修行を終えるという言葉を聞いていないことを。
盛り上がりに盛り上がって、ひと段落と落ち着いて来た頃、アルテミシアさんがいつものように出現しました。ルーラさんもエルミダちゃんも慣れているようでした。
アルテミシアさんはふかふかソファーに座る私達を立ったまま見下ろすと口を開きました。
「何をしているお前達。修行の最終段階に入るぞ」
『えぇ!?』
「丁度今、五種族連合と魔王軍で大規模戦闘が勃発している。勇者達も奮戦しているようだが、攻勢なのは魔王軍だな。私としても流石に困るのでな、お前達には戦況をひっくり返してきて貰う」
私の驚愕も無視に話すアルテミシアさんに質問しました。
「戦況をひっくり返すって、私とルーラさんだけでですか?」
「いや、おチビにも行ってもらうつもりだが」
エルミダちゃんは戦えません! と私が口を開きかけたのを、エルミダちゃん自身が止めました。
「私も行きますツキヨお姉さん。私にも、戦う理由が出来たんです。私もお二人と一緒に行かせてください」
「安心しろ小娘。おチビは妖精使いとしては最高の資質を備えている。足手まといになるようなことはないし、妖精の加護がある程度なら守ってくれる」
「エルミダちゃんがいいのなら構いません」
「ありがとうございます!」
エルミダちゃんの目には確かな決意が灯っていました。小さくとも確かに。
「では準備しろ。数分後には転移させる。因みにだが、私が戦果十分と判断しなけば帰さないのでな、精々頑張れ」
『はい!』
アルテミシアさんが消えました。
私達はそれぞれの準備に取り掛かかりました。と言っても、特にすることがありません。私は念のための魔力回復薬を常時所持していますし、ルーラさんもいつのまにか変わっていた武器があれば構わないそうです。エルミダちゃんに至っては妖精使いなる存在で、妖精を使役するので特に装備はありません。ですから、私達は緊張をほぐすように会話を再開しました。
「エルミダちゃん、本当大丈夫ですか?」
「はい。妖精様が護ってくれるんです!」
「何かあったら私がいるから心配しないでツキヨ」
「私も気をかけます。無事に三人で帰って来ましょう」
そして時が来ました。
「ではこれからお前たちを獣人国家エソンヌの東部戦線へと送る。目標は戦況の回復だ。長大な戦線だからな、もちろんお前たちはバラけさせるぞ?」
『……え?』
「ではな」
転移の直前。私が見ることが出来たアルテミシアさんの表情は心底愉快そうでした。
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