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白き巫女の物語
むかしむかし、ある所に一人の医師の少女がいました。
少女は人々から白き巫女と呼ばれ、どんな傷も瞬く間に治してしまう不思議な力を持っていました。
少女は、その力を隠す事なく存分に振るい、傷ついた者には分け隔てなく治療を施していました。
ある時、悪い魔女を倒しに行った一人の青年騎士が傷だらけでやってきました。
青年騎士の傷はとても深く、とうてい普通の人に治せるものではありませんでした。
けれど、少女の流した涙が輝き、あっという間に青年騎士の傷ついた命を癒していきました。
奇跡を起こし、死すべき者を蘇らせ少女は、穢れなき魂を持つ存在……白き巫女として、長く世に語り継がれていきました。