13 普通に当たっちゃう?!
あれは、たしかドリームジャンボの時だった。
小市民が事務所で宝くじの話で色々な夢物語を語っていた時の事。
叶いっこない幻想を抱きつつ、相手の夢を「無理無理!」と否定しつつ。。。
そして、徐々に夢のレベルは下がっていく。
せめて、10万ぐらい当たらないだろうか。
せめて、高級レストランで財布を気にせずに食事をしたい。
せめて・・・・。
低所得者の匂いをプンプンさせながら、事務所内はクジ談義。
そこへ高所得者の匂いをプンプンさせながらフェリス登場!
「フェリスは宝くじなんか買わなくてもなんの心配もないだろ。
だいたい宝くじなんて買ったことあるの?」
庶民のささやかな夢、”宝くじ”をお金に困っていないフェリスが
買うはずも無いと思い込んでいた我ら。
すると、フェリスはそんなささやかな我らの夢さえも侵食してきていたのだった。
「あ、そうだ!思い出した。宝くじ買ってたんだ。
そうそう!今日、帰りに銀行寄らなくちゃ!」
「え?!宝くじ買ってるの?そんでもって当たってるの?
いくらか当たったのか!?」
1~2万ぐらい当たったのかと思い、それでも羨ましい視線を向ける小市民達。
「え~と、200万当たったのよぉ。何とか賞ってやつ」
「はぁぁぁあああ??!!!」
「に、にひゃくまん?」
特別うれしい顔をするわけでもなく
アイスで「当たり」を引いた程度のリアクションで淡々と話すフェリス。。。
なぜ我々小市民に当たらず、お金に困っていないコイツに当たるのか。
どんな大量買いをしているのか。
単に、クジ運がいいのか。
神は人間に必ずしも平等ではないと悟った瞬間だった。