11 小銭無いんかい?!
それは、ある日のこと。。。
「あ~、遅刻しそうになっちゃったぁ~!」
朝からフェリス参上。
まぁ、出勤してくるのだから当たり前だが。
「なに、電車遅れてたの?」我々が聞く。
「違うのよ。乗り継ぎの電車に間に合わなかったから、そこからタクシーで来たのよ」
ほほ~、乗り継ぎの駅からは一駅分ぐらいの距離だから
たいしたことはないものの、迷わずタクシーに乗るところが金持ちの思考回路だな。
俺なら数分遅刻しても電車で来るが。。。
などと貧乏人回路を働かせて、彼女の話を聞いていたのだが
当然のことながら、彼女はここで終わらない。
「まったく。。。帰りにタクシー会社に寄って帰らなきゃいけなくなっちゃったのよ。」
「なんで?タクシーで忘れ物でもしたの?」
「違うの。タクシー代払いに行くのよ。」
「え?払ってないの?」
まさかッ!金持ちのフェリスが一駅分のタクシー代ごときを払えないなんて!
無賃乗車か?財布を忘れたサザエさんか?
「払おうと思ってお金出したんだけど、断られたのよ。」
「はぁ?なんで断るの?いくらだったの?」
「金額は数百円だったんだけど、一万円札しか持ってなくて
お釣り無いからあとで払いに来てって怒られちゃった。。。」
そうだよねぇ~、しこたまお金持ってるのに
数百円が払えないわけないよね~。
万札かい。。。
そう、彼女は財布に現金は万札しか持ってないのだ。
一日のスタートは万札からッ!!
彼女のお財布事情を知ることとなった我々だった。