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死んでも愛してくれますか?  作者: 龍華ぷろじぇくと
二話、 学園七不思議さん?
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肝試され終了

「何があったらそんな格好になるのよ?」


 また御こしくださ~いと笑顔で千鶴に見送られながら学校から脱出した圭一を見て、來はウンザリした口調で呆れてくれた。

 ちなみに、溢喜は圭一の頬についた紅い紅葉マークを指さしながら困った顔の魑魅の横で腹抱えて笑っている。


 文句の一つでも言ってやりたい圭一だったが、衆人環視の手前、幽霊相手に叫ぶ気にはなれなかった。

 なので笑われることを必死に我慢する。

 在人が圭一たちの汚れ具合を見て思わず身体を震わせていたが、これから起こる事を考えるとご愁傷様としか言いようがない。 


「とりあえず、一つだけいえることはだ、來。今日は私服を着てきてよかった。学生服なら明日は絶望だった」


「頬にある手形だけはとっかえようがないみたいだけど?」


 圭一たちがでてきたので、一人校舎に入っていく在人。

 采香は怒っているのか照れているのか圭一から離れて魑魅の元へ。

 それを横目で見ながら圭一は何とも言えない気持ちで手形をなぞる。

 結構痛かった。


「あ、そうだ來。お前に言っときたいことがあるんだが」


「私もあんたに言っときたいことがあるんだけど。漏らすのはいいけど後始末くらいしなさいよ。小便臭いわよ」


「俺がやったわけじゃねぇっ」


 思わずツッコミ入れてハッとなる。

 目線を向けると采香が泣きそうな顔でわなわなと震えていた。

 自分でなければ洩らした相手が必要になる。

 それは圭一と一緒にいた人物しかいない。

 となると、必然的に抱きついた状態で采香が……という女性には恥ずかし過ぎる状況を晒すことになる。これはマズい。


「じゃあ誰がやったってのよ? もしかして……」


「お、俺じゃなくて……息子がだな……」


 圭一は自分のウソに泣きたくなった。

 何が悲しくて自分が犯人ですと自供せにゃならんのか。

 來が「はっ臆病者」などと笑ってくれるが、今は耐え忍ぶしかなかった。

 采香が申し訳なさそうな顔をしている。貸し一だチクショウ。


「そ、それより來、お前幽霊が見たくて肝試しやってんだよな」


 結局耐え切れなかったので本題へ強制方向転換。

 もう、この話題には二度と触れたくも無い。

 さっさと一度洗濯してからクリーニングに出してしまおう。

 いや、もう捨てた方がいいか。


「まぁね。でも、今回も私だけ見れなかったみたい……かな?」


 校舎の方から在人の悲鳴が聞こえてきた。

 どうやら最後の一人ということで盛大に歓迎されているらしい。

 入ってから声が聞こえて来た速度からするに第一関門の黒板だな。と圭一は予想する。


「見たいか?」


「え? 当たり前じゃん。見れるなら見たいわよ」


「今から言うこと信じるかどうかわからんけどな、お前退魔師の力があるみたいだぞ」


 來の眼が点になった。


「はい? 今なんか変な言葉が聞こえたんだけど」


「だから、信じるかどうかわからんって言っただろ。とりあえず聞け」


采香と魑魅が十分に離れていることを確認し、圭一は小声で話す。

 他人に聞かれてまたキチガイと思われたくない。來一人だけなら冗談だったんだ。で済ませられる。

 老婆心から幽霊たちから聞いたことをしっかりと來に伝える圭一だった。


「どうもな、お前が退魔能力を自動発動しているせいで低級霊は自然消滅。強い霊は恐れて出てこなくなるってカラクリらしい。学校霊からの伝言だ。制御できるようになってからまた来い。だとよ」


 正直言ってる自分が正気の沙汰とは思えない。

 これで中学時代のあだ名が再発する恐れもある。

 だけど圭一は來に素直に言うことにした。


 それは魑魅だけでも自分を理解してくれる人がいると分かっていたからか、それとも溢喜が消えると聞かされたからかは圭一自身わからない。

 確かなことは何かというと、


「あんたさ……恐怖のあまりイっちゃった?」


 來が全く信じていないことだけだった。

 在人の悲鳴が響き渡っていることもあるかもしれないが、來の気分がどんどん悪くなってくる。

 圭一は困った顔で頭を掻きながらも、どうしたものかと思う。


「まぁ、その、言っただろ信じるかどうかはお前次第だって」


「……ふーん。まぁそう言う事にしといてあげても良いけど」


 納得いかない顔で來が呟く。

 それからしばらく、在人が戻ってくるまで約30分。

 様子を見てきた溢喜がいうには花子のトイレの辺りで一度気絶したようだ。

 道理で長い間出てこないと思った。


 結果を言えば、在人は途中リタイア。

 溢喜から理由を聞いた圭一が在人回収に向うと、白眼を向いてドアに張り付いている在人を見つけてしまった。

 その顔が何とも言えない凄まじい恐怖が垣間見えていたので、彼が気絶から復帰するまで他の面々と顔を合わさないようにしてやることにした。


 物凄い顔を皆に見られて明日以降彼が学校に顔を出せるか不安だったからだ。

 それぐらい恥ずかしい顔だった。

 圭一はそんな在人を保健室に寝かせていろいろな後始末を行い、彼の起床と共に肝試されはお開きとなった。


 最後の在人が途中気絶したため、学園七不思議側から不満が出ていたが、圭一には全く関係ないので知らぬ存ぜぬで押しとおした。

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