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モン娘えぼりゅーしょん!  作者: 氷雨☆ひで
四章 モンスター娘と人間を絆ぐ者
38/105

モンスター図鑑

 クレアが書いているモンスター図鑑の一部を記したもの。

 リューイチが協力しているので、本人が出会ったことがないモンスターについても記されていることがある。追加修正がこまめにされるため、刊行のめどはまったくたっていない。

 性格についてはそのモンスターに見られる傾向であって、個体ごとの性格の差はかなりある。

 なお、リューイチ進化メモは図鑑には記されていない。




No.01 スライム


<外見>

 外見は全裸の少女だが、半透明のゼリーのような体をしている。半分液体のようで、常に体が流動しているのが特徴。体色は個体差が大きい。


<生息域>

 草原、湖、森などで水源が近くにある場所に幅広く生息。


<性格>

 温和を通り越してぼんやりしている。


<食事>

 木の実や果実、魚、昆虫、草などを取り込んで消化する。時には肉も食べるが、腐肉は食べない。


<子供から大人になるまでの期間>

 六年~八年


<寿命>

 五十年~六十年


<生態>

 巨大動物モンスターなど、既存の生物が元となったと思われるモンスターとは異なり、モンスターのみの種族である。そうしたモンスターとしては珍しく数多くの種が存在している。

 スライムはそれらスライム種族の中で最も基本となる種であり、最も数が多い。警戒心がほとんどなく、人間に対しても好意的に接する。

 単独でいることはほとんどなく、群れを作って暮らしている。違う種類のスライムが混ざっていることも珍しくない。

 分裂によってほぼ同じ特性を持った新たな個体を生み出すことができるため、人間の男との有性生殖に頼らなくても個体を増やすことができる。

 スライム種族全体の共通点として、体の中心に核が存在する。その核はスライムの命そのものといって過言ではない。

 特筆すべきはその肌触りで、ぷるるんっとした感触は一度味わったら病みつきになること間違いなし。


<リューイチ進化メモ>

 ニュンその他十数人のスライムに「保護色」の能力を与えた。




No.02 バブルスライム


<外見>

 緑色のスライムで、普通のスライムよりも体色が濃い。普通のスライムよりも若干大人びている。


<生息域>

 基本的にスライムと同じだが、生息数はスライムに比べるとかなり少なく、平均するとスライム五十匹に一匹の割合で存在する。


<性格>

 十代の人間の少女と同じだが、毒が仲間を傷つけてしまうため閉じこもりがちであり、やや鬱屈していることが多い。


<食事>

 スライムと同じ。


<子供から大人になるまでの期間>

 六年~八年


<寿命>

 五十年~六十年


<生態>

 体全体に麻痺性の毒を有するスライム。その体に触れると、毒が皮膚を通して体内に侵入し、一時間は体が痺れて動けなくなる。この毒は、バブルスライム以外のスライムにも効果があるため、群れの中で孤立していることが多い。


<リューイチ進化メモ>

 ニルとネルに「毒を体の中心に集める」能力を与えた。




No.03 ハイ・スライム


<外見>

 スライムと同じ特徴を持つが、普通のスライムよりも大人びている。


<生息域>

 基本的にスライムと同じだが、生息数は極端に少なく、目撃例は少ない。


<性格>

 穏やかだが、群れをまとめる強い責任感を有する。


<食事>

 スライムと同じだが、必要量はスライムの倍以上。


<子供から大人になるまでの期間>

 六年~八年


<寿命>

 百年~百二十年


<生態>

 スライムと人間との間に極稀に生まれる強い力を持ったスライム。一代限りであり、その子供に力は受け継がれない。そのため、スライムの一種族ではなく、突然変異種という見方が正確と思われる。これまでの目撃例はスライムの変異種のみだが、他のスライム種にも変異種が存在するかもしれない。

 スライムとしては珍しく高い知能を有し、魔法を使うことができる。ハイ・スライムが率いるスライムの群れは生存能力が高く、小規模でも二十人強、大規模なものになると百人を超える。


<リューイチ進化メモ>

 ソニアに「体の一部を一時的にメタル化する」能力を与えた。




No.04 ケルピー


<外見>

 上半身は人間の少女で、白色に近い薄い青色の馬の下半身という姿はケンタウロスに似ているが、魚の尻尾を持つのが特徴。尻尾の部分には短い馬毛が生えているが、尻尾のように密集はしていない。

 よく観察すれば、髪が常に湿気を帯びていることに気づくだろう。髪の湿り気は体調と深い関係があり、弱ると髪がさらさらになる。


<生息域>

 湖、川などの水辺。


<性格>

 自由奔放だが、人間を騙すための演技をするなど狡猾な一面もある。


<食事>

 主食は水草や草だが、時折魚や昆虫なども食べている。


<子供から大人になるまでの期間>

 十五年~十七年


<寿命>

 七十年~八十年


<生態>

 川や湖の近くにたたずみ、人間に友好的であることが多いケンタウロスを装う。疲れた旅人に声をかけ、言葉巧みに背中に乗せると、次の瞬間には川や湖に飛び込んで自分の巣へと連れ去る。

 年月を経ると水をある程度自由に操ることができるようになり、湖の中に作った巣に人間を連れ込む場合は、水が侵入しない泡を作る。そうした能力がない若いケルピーの場合は川の近くにある洞窟などを探して、そこを巣とすることが多い。

 水中での移動は尻尾を器用に動かすことで魚に負けないだけの速度になるが、陸上での速度も馬の下半身から想像できるだけの速さを誇る。ただし、長時間水に触れないでいると徐々に弱ってくる。


<リューイチ進化メモ>

 マリーに「魚の尻尾を覆い隠すほどの長く密集した馬毛」を与えた。



No.05 グール


<外見>

 人間の女性と見分けがつかず、外見年齢は一桁から三十代までと幅がある。


<生息域>

 墓場や森、遺跡など、動物の死体が多くある場所。


<性格>

 食欲旺盛で好戦的。ただし、あまり頭はよくない。


<食事>

 動物の死体。特に、人間の死体を好む。腐肉でなくても、生肉ならば食べる。


<子供から大人になるまでの期間>

 なし。


<寿命>

 肉体が崩壊するまで。


<生態>

 人間の女性の死体に悪霊が憑依したモンスター娘。憑依された死体は肉体の損壊が修復されるだけでなく、外見が生きていた頃とまるで異なるものになる。

 憑依の際に肉体修復を過剰に行うのか、体が丈夫になりかなりの怪力を誇る。

 人間であったときの記憶はなく、人間の倫理観を持たないため墓を暴いて死体を食べることを躊躇しない。死体に対しての嗅覚は鋭く、土の中に埋めた死体の鮮度を嗅ぎ分けるほど。

 好戦的ではあるが、話し合えば意外に素直であるため、墓を暴くことをやめさせることも可能。


<リューイチ進化メモ>

 「両手の爪がそれぞれの指の第一関節ぐらいの長さだけ伸びる」ようにした。土を掘るのに適した丈夫な爪だ。




No.06 ブラック・ローチ


<外見>

 全体的には人間の少女の姿をしているが、首のあたりから腰のあたりまで薄い黒色の羽まっすぐ伸び、手足には棘のようなものがいくつかついていて、頭にかぶる黒の笠のようなものから長い触角が二本伸びている。

 肌の色は若干黒く、髪の色も黒であることが多い。小柄で全体的に平たい体型であるのが一般的。


<生息域>

 人間の住む都市や村の近くで、暗くて湿り気のある場所。


<性格>

 欲望に忠実で、何事にも大雑把。


<食事>

 人間の出したゴミや排泄物、老廃物を主食にするが、雑食で何でも食べる。腐肉よりも新鮮な肉を好むなど、実は味にうるさい。


<子供から大人になるまでの期間>

 四年~六年


<寿命>

 二十年~三十年


<生態>

 昆虫のゴキブリと同じく集団生活を好み、夜間人間の住む場所へ侵入して食料を調達する。その運動能力と隠密能力は高く、彼女たちの存在に気づかないことは珍しくない。

 羽を持つが、飛行能力はなく、高いところから低いところへ滑空するときに使われる。

 一度巣を構えると、そこに集団で生活をするが、行動する際は単独行動を好む。仲間意識が強く、食料を巣に持ち帰り皆で分け合う。

 ゴミや糞を食料とすることで病気を媒介することがある。本人たちにその自覚がないのが原因で、清潔を保つことを教えれば病気の媒介を阻止することも可能となり、ダーナ王国のグローパラスでその試みが成功している。


<リューイチ進化メモ>

 ローナをはじめ、下水道に暮らしていたブラック・ローチたちに「消化液の殺菌能力を増し、唾液の分泌量を自らの意思で増やせる」能力を与えた。




No.07 グリーン・モスキート(幼虫)


<外見>

 上半身から腰は裸の人間の少女のだが腕は生えていない。そして、腰からつながる下半身は人間の足のかわりに芋虫の胴体部分がつながっていて、その胴体の上部に小さな鉤爪のような手が生えている。

 人間の部分は肌色で外見上人間そのものだが、芋虫の部分は鮮やかな赤色をしている。


<生息域>

 一定以上汚れた川で見かけることが多いが、綺麗な川にも生息している。


<性格>

 好奇心旺盛。


<食事>

 川底に沈殿した土から、魚などの死骸や糞を食べる。


<生態>

 調査中。成虫に関しては不明なことが多い。




No.08 ワーラット


<外見>

 全体的には人間の少女の姿をしているが、頭には灰色の大きな丸い耳があり、腰のあたりから長い尻尾が生えている。

 なお、この種のように動物型の耳を生やしているモンスターでも、人間の耳を生やしている。ただし、人間の耳については耳としての機能をはたしておらず、耳の穴は浅く鼓膜などは存在しない。それでも耳が存在するのは、人間の外見になるべく近づけるためと思われる。ただし、モンスター本人は気にしているらしく、耳を隠せる髪型をしていることが多い。


<生息域>

 暗くて湿り気のある場所。


<性格>

 好奇心旺盛かつせっかち。ただし臆病で、身の危険を感じると即座に逃げる。


<食事>

 雑食性で何でも食べる。


<子供から大人になるまでの期間>

 十年~十二年


<寿命>

 四十年~五十年


<生態>

 人間の生活圏内の近くにいる動物のネズミはブラウン・ラット、ブラック・ラット、ハツカネズミの三種類がほとんどだが、ワーラットにはその区別がない。ブラウン・ラットのように泳ぎが得意で、外見の特徴はブラック・ラットに近く、ハツカネズミのように身軽である。

 動物のネズミとは違い、縄張り意識は薄く、その行動範囲は広い。人間の住む場所までやってきて食料を調達することもあれば、小動物を持ち前の俊敏さで狩って食べることもある。

 ゴミや糞を食料とすることで病気を媒介することがある。そういったモンスターや動物は何種類もいるが、ネズミがもたらす病気は深刻なものが多い。本人たちにその自覚がないのが原因で、清潔を保つことを教えれば病気の媒介を阻止することも可能となり、ダーナ王国のグローパラスでその試みが成功している。


<リューイチ進化メモ>

 下水道に暮らしていた者たちに「消化液の殺菌能力を増し、唾液の分泌量を自らの意思で増やせる」能力を与えた。




No.09 ヘテロポーダ


<外見>

 上半身は人間の少女だが、下半身は灰褐色の大きなクモである。額に小さな六つの緑の点があるが、それは単眼と呼ばれるもので、視覚を強化している。


<生息域>

 食料となる小動物が多くいる場所。


<性格>

 動物のこのテのクモは臆病なことが多いが、ヘテロポーダは狩りそのものを楽しみ、狩りの相手でなくても強そうな相手に戦いを挑むことがある。


<食事>

 小動物を主食とするが、時には大型の動物も捕食する。


<子供から大人になるまでの期間>

 八年~十年


<寿命>

 六十年~七十年


<生態>

 糸を作る能力が劣っているかわりに高い運動能力を持ち、その俊敏な身のこなしで獲物を狩る。その際、噛み付いて麻痺性の毒を獲物に注入する。その毒性は強く、数時間は体を動かすことも喋ることもできない。

 徘徊性で、基本的に仲間と群れず単独行動をする。食料のある場所を見つけたらそこに居付き、食料がなくなったら食料を求めて別の場所へ移動する。

 口から出す消化液でこまめに自身の体を掃除しているため清潔であり、病気を媒介することはない。

 非常に子煩悩であり、卵を産んだら孵化するまで卵の傍を離れない。移動するときは卵を背中に乗せる。この際は従来の好戦的な性格は鳴りを潜め、卵を守ることを最優先にする。




No.10 ウンディーネ


<外見>

 水のように透き通った体を持つ人間の少女の外見をしている。


<生息域>

 湖、泉、川などの淡水域。


<性格>

 穏やかで理知的だが、自身の生息域を汚すものに対しては怒りを示す。


<食事>

 水のみ。ただし、一定以上水質の良い水である必要がある。


<子供から大人になるまでの期間>

 十年~十二年


<寿命>

 数百年


<生態>

 水そのものが意思を持ち、人間の少女の姿を取った精霊のような存在と言われているが、現在のウンディーネは人間の男との間に生まれたモンスターであり、精霊と呼ばれていた頃ほどの魔力を持たない。

 水を自由に操ることができ、力の強いウンディーネほど操ることができる水量が多くなる。

 住処とする場所の水質の影響を強く受け、水質が悪化すると体調を崩す。

 かつては人間と恋愛するウンディーネの物語などがあったが、近年人間とモンスターが疎遠になる中、そのような話は聞かなくなった。


<リューイチ進化メモ>

 「自身の体にとって毒となるものを体内の一箇所に集めて排出する」能力を与えた。




No.11 ギルタブルル


<外見>

 全裸の少女の姿をしているが、足は鳥の脚で、背中から腰にかけては赤い外骨格のような皮膚になっていて、腰からはサソリの尻尾が一本、背中には鳥の翼が四枚生えている。


<生息域>

 遺跡や都市など、重要な施設の入口。


<性格>

 世話やきで義理堅い。


<食事>

 雑食性だが、水さえあれば長期間生存が可能。


<子供から大人になるまでの期間>

 十五年~十六年


<寿命>

 数百年


<生態>

 天界や魔界への入口を守護するための番人として生み出されたモンスター。

 生まれつきの守護者であるため、新たに生まれたギルタブルルは守るべき場所を探し続けて世界をさまよう。一度守るべき場所を定めたら、その場所が自らが守るに値しなくなるまで守り続ける。

 サソリの尻尾にある毒針は毒性が強い。弓を得意とし、この毒を矢尻に塗った矢で敵と判断したものを追い払う。矢尻に塗る程度の量では死には至らないが、三日三晩高熱にうなされる。

 また、高い知能を有し、火と風の魔法を得意とする。

 近年では、ギルタブルルにとって守るに値する場所が少なくなったため、仕事に身を入れることが少なくなったという。




No.12 サンドワーム


<外見>

 とてつもなく巨大な長虫。頭に当たる部分は巨大な人間の女性の上半身で、腕も二本ついている。


<生息域>

 砂漠。


<性格>

 子供っぽいが、空腹時は理性が飛んでいる。


<食事>

 雑食性だが、動物の肉を好む。


<子供から大人になるまでの期間>

 不明。


<寿命>

 不明。


<生態>

 普段は砂の中に潜っているが、獲物が砂漠を歩いていると、その振動を察知して一気に地上に出て獲物を丸呑みする。

 視力は弱く遠くを見ることができない。地上に出ると巨体ゆえに地上までの距離が長くなり、地上の獲物を探すことが苦手である。

 巨体故に、小食のモンスターといえど必要な食事の量は多く、空腹に常に悩まされている。そのため、一日のほとんどを寝て暮らすことでエネルギーの消費を最小限に抑えている。


<リューイチ進化メモ>

 サンディを「小さくした」。




No.13 スカラベ


<外見>

 褐色肌の少女。髪の色は黒に近い緑色で、背中には髪の色と同じ色の甲虫の硬い前羽とやわらかい後ろ羽がかぶさるようについている。また、髪の色と同じ色の部分鎧を、胸や肘から手、腰、膝から足へと纏っている。


<生息域>

 砂漠。


<性格>

 朴訥。


<食事>

 主食は動物の糞。動物の皮や毛、骨なども食べることがある。


<子供から大人になるまでの期間>

 三年~四年


<寿命>

 三十年~四十年


<生態>

 糞虫のモンスター。糞が食料で、一日放置されて表面は乾き、中はまだ湿っている糞を主に集める。

 群れて生活をし、特に大きな集団になると、ケプリという特別なスカラベが女王として群れをまとめる。

 十分な糞があるときは、それを球状にかためて、そこに卵を産み付ける。その後定期的に糞を舐めることで糞が腐らないようにする。


<リューイチ進化メモ>

 王都にやってきたスカラベ全員に「消化液の殺菌能力を増し、唾液の分泌量を自らの意思で増やせる」能力を与えた。元々持っていた能力だが、それがさらに強化されたようだ。

 ストーリーその1のおまけです。

 普段の倍近い文字数で、無駄に苦労しました。

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