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モン娘えぼりゅーしょん!  作者: 氷雨☆ひで
四章 モンスター娘と人間を絆ぐ者
37/105

037 エピローグ

「そおれ!」


 快晴の空の下、モンスター娘たちの声が響く。

 それは、グローパラスの入口に「グローパラスへようこそ」という立て札を突き刺したときの掛け声だ。

 俺がグローパラスの屋敷に住むようになってから約一ヶ月。まだ建築中の建造物が多くあるものの、ある程度は形になってきたからこういった立て札は必要だろうと判断した。

 まだまだ集落、村といった感じの規模だから、立て札ぐらいの大きさにしておいたが、いずれは大きな看板にして、それに見合うような規模の街にしたい。


 なお、当初の予定では入口の近くに娼館がある予定だったのだが、俺としてはいきなり娼館が目に入ると、どうにも目的がそれだけのように思えて嫌だった。

 そんなわけで、立て札を建てた箇所は娼館から結構離れた場所になる。そこを入口にするように道路を整備させる手間はあったが、後々のためには必要だ。


「基本的には、モンスター娘と家族で触れ合える場がテーマだ」

「まだ種類が少ないけどね」


 クレアが無粋なツッコミをする。


「そこらへんは、まあ、色々と勧誘しないとな」

「頑張りましょう!」


 要はテーマパーク的なものだ。テーマパークの区画、娼館の区画、住居の区画、そして商人や職人の区画だ。

 テーマパークの区画には、今はスライムやワーキャットなどと触れ合える場所ぐらいしかないが、モンスター独自の料理をB級グルメ的なものとして屋台を設けている。料理人がモンスターのため、こうした場でモンスターとふれあえるようにするのが目的だ。

 あれからクレアとティナとのモンスター調査を数回行い、その中でモンスターを勧誘したりもした。ワーキャットがその一例だ。もっと増やさないとな。


 商人や職人の区画は、ホビットや妖精など人間との商取引を行うモンスターの商人を呼んで、人間の商人と取引を行いやすいようにする予定だ。テーマパークもそうだが、モンスターに人間の通貨を稼がせて、いつか王都にモンスターを入れる許可をもらったら、その稼いだ通貨を使うことで交流がはかどるだろう。


 娼館は少し奥まった場所になるようにした。まあ、娼館が目的の場合、目立たない場所にある方がいいはずだ、うん。


「できれば住民を増やしたいな。テーマパークやインフラ施設の従業員としてだけではなく、人間に興味を持っているモンスター娘が増えていってここの規模が大きくなれば、きっと人間の方も興味をより持ってくれる」


 一体どれだけ時間がかかるだろうか。

 でも、なぜだろう。今こうして周囲にいる人間やモンスター娘たちを見ているとそんなに長い時間が必要ないかもしれないと思ってしまう。


「とりあえず、リューイチって肩書どうなるの? 村長? 領主?」


 それは悩んだ。共同体の長ということになるから、一応肩書があった方が呼びやすくなるだろうが、急遽作られることになった共同体だから、うまい呼び名がなかなか思いつかない。

 村長でいいか、いや里長や郷長もありか、所長、館長、社長、会長、などなど長とつく役職を色々ピックアップしてみたが、結局のところ今はどれもしっくりこない。

 だから、テーマパークといった今のコンセプトを表して、園長が今は手頃かなと思った。いずれ相応しい規模になったら市長としたいが、今は市長と名乗るのはさすがに恥ずかしい。


「園長だな」

「園長? リューイチ園長?」


 そう呼ばれるとやはりくすぐったいものがあるが、肩書が決まると、なんかそれだけで身が引き締まる思いだ。

 俺はこの場にいる皆をゆっくりと見回した。

 思えばこの異世界に来てまだ二ヶ月経ったか経ってないかだ。それなのに、もうこれだけ友達、いや、仲間といえる人たちがいる。

 ……気合を入れないとな。


「よし! みんな、これから頑張るぞ! グローパラス、開園だ!!」

『おー!!』


 きっとグローパラスはいつか世界に名を響かせる。

 今日がその記念すべき第一歩だ!

 これにて、ストーリーその1が完結です。

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