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第二話 昔話
朝食も食べ終わり、それぞれが自分の食器を片付ける。これは、我が家の習慣の1つで、昔、私が食後にダラダラしていたところ、妻に怒鳴られ、食器を運ぶくらいやりなさいと言われたのがそもそもの始まりである。そんな昔のことを思い出して、感傷に浸っていたところ、玄孫が話しかけてきた。
「おじいちゃん、朝約束していた昔話早く聞かせてほしなー」
そういえば、寝起きの頭でギルド入会の話を聞かせてやろうと思っていたっけ。せかす玄孫をなだめ、まだ話したことのない昔話を聞かせてやることにする。
「おじいちゃんはな、昔は凄いハンターだったんだ。魔物の集団から街を守ったり、古代遺跡の探索に初めて成功したのもおじいちゃんなんだぞっていうのはもう話したな。そんな私がまだ駆け出しのころの話を「あ、それっておじいちゃんがギルドに入会したときの話でしょ」
そうそう、私のギルド入会のこと……
「ちょっと待て。なんでお前がギルド入会の話を知ってるんだ」