くさいは、立つは
¨
「ワン―」ケロが、契約者の事を語り終えると…男も女もすかさずケロにプロレス技をかけた。
¨
「あんたカワイイ顔して最低だね…」
女はチョークをかけながら言った。
¨
「辞めるワン…キャンキャンゴブごフ」
ケロは、苦しそうに言った。
¨男も水平チョップをしながら父親の命を返せ返せ吠えている…
¨
「父親の命を奪ってないワン― ごフ」
女は少しチョークをゆるめて聞いた。
「どうゆう事?」
¨
「父親と契約した悪魔は、俺じゃナイワン…しかも母親を使って毒をもって殺したワン…」。
ガクっ
「なんて可哀想なの…」
女も男もすっかり落ちこんでしまった…。
¨
「お前ら忘れてないかワン?父親は自分の命と引換に仲間の命を奪ったんだワン殺されて当然だワン」
ケロの言葉に少し恐怖を男は、感じた…
女はすかさず生意気言ってんじゃないと言わんとばかりに頭をこずいた。
¨男は立ち上がると…言った。
¨
「ケロ一つ言っておく…殺していい命なんて一つだってねんだよ――」。
¨
「くさ……ワン」
¨
「確かに…」
女とケロは、初めて意見があった。
¨男は床に体育座りになり、小声でなにか連呼している…ケロと女がよくよく聞いてみると…
「くさくなーいよ」
「くさくなーいよ」と言っている。
¨
「契約解除って出来ないの?」女は、軽くながした。
¨
「出来ないワン…」
¨
「その子は、自分の人生を生きなきゃダメだょ…」
女は悲しそうに言った。
「そうだよ!!」
男は立ち上がった。
―――その頃
「立ち上がったねトミーハハハハハ」
「だねぇハハハハハ」
男達の不器味な笑い声が辺りを闇に引きこんだ――――