11 鳥はまだ、檻の中だった
(まだ、下の方でざわついている。
犯人を見つけれてないから焦ってるんだろうな。
ここなら見つからないだろうし、どうでもいいが..)
「メイナ。....フェニーは殺された。俺達以外の何者かに。」
メイナの顔がスンっと無になる。
「えっ...?何かの冗談?そんなのめちゃありえないんですけど。
フェニーさんは私のこれを作った人だよ?」
そう言いながら袖から出た金属のアームを見せつける。
「フェニーさんなら、これ以上のやつもっと作れる。
決して弱くないはず...なのになんで、?え、?」
「俺達にも分からない。部屋に入ったときには、
血だらけのフェニーと
仮面の男が一人。」
「仮面...?」
一瞬、言葉が止まる。
「見たことはないけど、噂なら聞いた事ある。
全員、仮面をつけてる組織があるって。
隣国の組織だからほとんど情報ないんだけど。
ほんとに不気味なくらい情報がないの........
ま、まあ?隣国だから情報がないだけかもね!
こんな暗い話より違う話しよ!そっちは何か見つけたー?」
「俺達は武器設計図くらい。そっちは?」
「聞いて驚くな!私、なんと!首輪の設計図を見つけちゃいましたー。
現物はおいてきたんだけどねー。
しっかりと記憶してるから安心して。」
そう言いながら彼女は笑ってみせた。
「えっとねー。」
そう言って首輪の構造を語り始める。
「首輪は鍵で開かないと、電気が流れてしまう仕組みらしいの。
しかも、間違えた鍵だと、開けようとした人と、つけてる人もろとも感電するぽい。
最悪死ぬかもだけど。
その肝心の鍵の設計図は破れててわからなかったんだよねー。」
「それじゃあ...」
「大丈夫だよー。安心して。首輪の構造は暗記したから。
もしかしたら鍵作れるかも。
多分...
まっまあ?全力は尽くすよ。私の見つけた情報は以上かな。」
そこにクロが割り込む。
「終わった?それなら早く行こ。面倒くさいことになる前に。」
クロが俺の手をとって立ち上がらせてくる。
屋根から降りようとした。
その時、
後ろから、ダッ。と音が聞こえてきた。
振り返る。
ヒュッと風を切って刃が飛んできた。
首を曲げて避ける。
目の前の人。ルルだ。
彼女の腕から赤い血が滴る。
(!?..さっきまで硬化して腕と融合してなかったか?)
赤い血が凶器に変わり俺達を襲う。
赤い血が硬化した瞬間、
シールドを展開した。
ギリギリ俺達には届かなかった。
ルルは、左腕をパッと振って血を飛び散らせる。
その血は空中で凶器に変わり、こっちまで飛んできた。
これもシールドで防ごうとしたが、
シールドに当たる前に方向を転換した。
「邪魔。」
そう言って、クロがメイナを遠くに投げ飛ばす。
俺とクロは互いに庇うようにシールドを展開する。
血の針がいくつも飛ばされてくる。
どうにかシールドで跳ね飛ばす。
周りに点、点と赤い血が広がった。
(俺の周辺の血は動かない。射程範囲外なのか.......?)
ルルは針を飛ばしながら、少しずつ近づいてくる。
赤い足跡が彼女の足元できる。
近づいてくるに合わせて、少しずつ後ろに下がった。
(首輪の解き方がまだ分からないから、撤退したいんだが...)
クロが大きなシールドを目と前に展開した。
ルルの攻撃をすべて受ける、
と同時に前に押し出した。
今だ!と思い。
屋根の外に向かって走る。
だが、
足元の血液が浮遊して俺の周りを囲った。
……この距離で、届かないはずがなかった。
反応する前に、血から針が飛び出した。
逃げられないと直感した。
...........?
体の周りがシールドに覆われていた。
そのおかげで無傷だった。
そのシールドごと俺は宙に浮かび上げられる。
クロはメイナを小脇に抱える。
シールドは勢いよく屋根の外に飛ばされる。
視界は強引に反転した。
視界の隅でクロが屋根から飛び降りるのが見えた。
支部がみるみるうちに遠ざかっていく。
屋根の上、真っ赤なルルが一人佇んでいた。
...あの瞳を放っておけるわけなかった。
「君を政府から救う。約束する。」
彼女に届いたかは分からない。でも、この誓いは必ず守る。
「ごめんね。レイ。少し強引すぎたよ。大丈夫だった?」
反転した視界の中で、クロがそう語りかけてくる。
俺は起き上がった。
「緊急だったし、仕方ない。
それより、ありがとう。クロ。助けてくれて。」
クロが抱きついてくる。生きててよかったと思ってるのだろうか...
何も言わずに、クロの頭を撫でた。
視界の端。
メイナが座り込んでいた。何かをブツブツと言っている。
「メイナ...?」
「ねえ、あのね。」
震える声で話を切り出す。
「ルルの首輪。鍵で外れるやつじゃない。
外す方法.......ないの...」
思考が止まった。




