表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さよなら大嫌いで大好きな悪魔  作者: ひょく
序章 お世辞で綴られた千年に、さよなら
1/19

1  希望

初投稿です。

レイ:悪魔の事を憎む少年

リーリア:屋敷にいる少女


この屋敷には悪魔がいるという噂がある。俺は悪魔のせいで親友を殺した。

部屋に入る前に中の音を確認した。本をめくるような音がする。右手にナイフを握りしめてドアノブに手を添えた。3,2,1,バンッと扉を開ける。


部屋の中にいたのは薄いピンクの縦巻きのツインテールに深い青色の目をした少女がいた。彼女がかすかに笑ったようにみえた。


「ADSの人?私は悪魔じゃないわ。」

そう言って彼女は両手をあげた。

ADS...対悪魔部隊。目的は同じだが俺はそこの人ではない。


少女は自分の指を歯で傷つけてみせてきた。赤い血が指を滴った。その怪我は一瞬にして消えた。

「これで信じてもらえたかしら。私は悪魔じゃないのよ。」


悪魔の血は黒色だ。この少女は悪魔ではないが、怪我が一瞬で治るのはどう考えてもおかしい。


「色々思うとこがあるんでしょうけど、まずはお茶にしません?お客様は数十年ぶりですもの。」


彼女は今、数十年ぶりといった。10歳くらいのように見えるが..彼女は席に座るように俺を促した。浅めに席に座った。お茶を勧められたが断った。彼女は悪魔とグルの可能性もある。攻撃してきたときには即座に首を切り裂いてやる。ナイフを強く握りしめた。


「お客さま、あなたはこの屋敷の悪魔を殺しに来たのよね。協力するから私の願いを叶えてくらないかしら。」


まだ彼女の事を疑っているが、協力してくれるのなら話は聞いてみてもいいだろう。

「その願いと言うのは何だ?」


彼女は微かな笑みを浮かべた。

「青空の下に立ってみたいの。そのために悪魔を生け捕りにしてほしいわ。」


ガタンッ。立った勢いで椅子が倒れた。

「悪魔を生け捕りだと?あいつらは死ぬべきだ。」

そう言って彼女に刃を向けた。


彼女は茶を飲んで、平然と答えた。

「あら、殺してはいけないなんて一言も言ってないわ。この屋敷からはどうやっても出れないの。その理由がわからない以上生け捕りにして聞くほかないのよ。」


確かに..入ってきた時、一瞬で出口が遠くへ移動した。どれだけ歩いてもその距離は縮まらなかった。

協力してくれるならこちらにしては好都合。利用してやればいい。

「わかった。協力してやる。」


彼女は手を差し出してきて言った。

「契約成立ってとこかしら私はリーリアよろしくね。」


「俺はレイ。」

それだけ言って席に座り直した。


「ずいぶんと悪魔を憎んでるのね。一応言っておくけど私はあなたの敵じゃないわ。」

そう言いながら彼女は手を引っ込めた。


「フンッ..どうだかな。」


「まあいいわ。」


「それでその悪魔について教えてもらおうか。」


彼女は少し暗い表情をして話を切り出した。

「彼の名前はシルヴァード、斧を使って戦うわ。でもたまに奇妙な能力を使うの。恐らく時間操作ってやつかしら。」


「能力が時間操作だという根拠は?」


「彼と戦った事があるの。その時に奇妙な方法で距離を縮めて来たわ。」


彼女はいきなり立ち上がった。壁の隅にある少し小さめの斧を手に取った。


攻撃してくるのか?椅子から立って身構えた。


彼女は壁に向かって大きく振りかぶった。ドンッという鈍い音ともに壁から砂煙が舞い上がった。眼の前の壁は崩れ落ちた。だが、壁の破片が一瞬にして消えて元の壁に戻った。


彼女がこちらに振り向きながら言った。

「見てのとおりこの屋敷、そして私の体、千年前からずっと変わらないの。時間が固定されてるのよ。」


彼女はこちらへ戻ってきて席に座り直した。チラリと俺の事を見た。

「千年という単語にあまり驚かないのね。今までの人は千年という単語を出すとバケモノだと言って襲ってきたわよ。」


千年前といえば悪魔の災厄が起こった年だ。

「俺も悪魔の災厄の生き残りだからな。」


彼女が椅子から立ち上がった。その衝撃で茶がこぼれた。彼女はそんなことを気にせずに俺に顔を近づけてきた。


咄嗟に切り裂きそうになったが、それを堪えた。彼女は親友と同じく悪魔の被害者かもしれない....

決断を急ぐな。そう言い聞かせて手をとめた。


「へえ、あなたも私と同じ境遇なのね。....ふふっ。レイ、あなたまだ私を疑ってるのかしら?」


俺の目の前まで来て俺の手へと目をやった。ナイフの先が少し震えた。


「へえ、まだ疑ってるのね。彼の能力が本当だと示せたら疑いは晴れるかしら。それとも...」


彼女は俺のナイフを持っている方の手を持ち上げて自分の首へとやった。





「私がここで死んで見せたらあなたの敵じゃないことを証明できるかしら。」

瞬き一つせずにこちらをみつめる。


彼女の目は本気だった。

「はは、狂ってやがる。」


彼女は敵じゃないと完全に信じたわけではない。が、千年の孤独には同情した。


「これからよろしくね。レイ。」




このときはこの契約が俺の心に深い傷をつくるなんて、想像もできなかった。

何度やり直しても、きっと彼女は同じ結末を選ぶだろう。

それくらい彼女の意思は強固だった。

ADS :anti-devil squad(対悪魔部隊)の略 悪魔、魔物を殺す組織

悪魔の血:黒色


一読ありがとうございます。五話目で物語の「本当の姿」見えます。文庫本にすると10−12ページくらいなので良ければ読んでくれると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ