2【黒石茉桜】
「おはよう茉桜」
「あ、詩織おはよう」
「土日休みに何をしていたのかな、黒石茉桜」
「ちょっとオタクさんたちの好きそうな活動を」
「なにそれ」
「ふふふ」
私は黒石茉桜。中学三年生になったところ。
私たちが通っているところは小学校から大学までのエスカレーター学園なので、公立の方々と違って、スポーツに秀でている子が、学業で国内外の試合のスケジュールがつぶれないようにしたり、芸能活動をしている子にリモートで授業をしたり、通信教育の要素を取り入れたりしている。もちろん、途中からもっと上の学校に行きたい人への進学クラスも頑張っている。ただし、余りにも成績が悪いと、エスカレーターの特権から外れることはある。特に成績より、正当な理由もなくサボって凹んだ出席日数とかだ。
学校にさえ行けば、後は保健室で寝てても大丈夫なのがこの学校を選んだ理由ではある。
「よ、黒石」
「木村君おはよう」
「今週も月曜日から疲れてんじゃん」
「休み明けって疲れない?」
「まあな。特に寝すぎた後は動きにくいぜ」
「寝すぎだからそんなに成長しているんじゃない?」
木村は同じクラスの男子で中三になったばかりなのに百八十の身長で上から見下ろしてくる。
早く成長する奴は足が短いんだからね!
ってこともないしむかつく。
顔が良いから許しちゃうんだけどね。
とてっ
「おっと、大丈夫か」
つい、躓いて、とっさに木村が私の二の腕を掴む。
「ごめん、ありがとう」
「本当に大丈夫?」って木村と反対側にいる中山詩織が心底心配そうな顔でそっちの腕を組んでくる。それを見た木村が腕を放してくれたので、ちょっとほっとする。
チャイムが鳴る前に何とか席に着くと、私は腕時計型の機械を操作して後は眠りにつく。いかにも授業を聞いているようなポーズで瞬きも機械任せ。
そして私は自動で活動して、本体は眠る。
四時間目が終わっても私の疲れは解消できていない。
土日に頑張りすぎた。確かに私はあちらの方が本業なのだ。
しかし、平日にここでゆったり過ごすことも私には無くてはならないローテーションではある。
私は、カバンから弁当箱を出して、保健室のほうに向かう。
保健室の窓の向こうは学園が誇る緑豊かな園庭だ。保健室の窓の下にあるベンチでお弁当を食べる。隣には詩織。
小さめのお弁当を食べたらしばらくお昼寝をする。
「詩織の膝枕は最高ね」
「何言ってんのよもう。今日はまだ少し寒いわよ」
「大丈夫大丈夫」
それでも窓越しに詩織は保健の先生の膝掛けを借りて私に掛けてくれる。
中山詩織は、すごくかわいくてきれいな子で、中三なのにお胸ももう大きいし、すっかり大人びている。
私が彼女を可愛い可愛いって言ってると。
「何それ嫌味?あんた、しょっちゅうスカウトきているのよ?この学校って芸能人が在籍しているからそういう人たちが出入りしているでしょ?あたしのマネージャーだっていつでも引っ張ってきてって言うのよ」
「あはは。そんな活動的なことは無理だわ」
「ですよねー、だから無理だって言ってるわ」
「ありがと」
詩織は弁当と一緒に持ってきていた文庫を読みながら私の腕をさすってくれる。
極楽だわ。
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