10【ご先祖様の言うことを聞いておけばよかった】
銀河系は広い。それぞれの知能のある恒星系が平和に交流できるよう各々の連合会員が予算を持ち寄って運営していると聞いていた。
その中のやつで時々私利私欲のために動いている者がいて、オプシティア星などの未加入の組織へ、圧力を働いたりちょっかい出す物がいるのだ。
大昔もそう言うやつに痛い目にあったから、銀河連合が信用できなくて、脱退したという文献が残っていたのだ。五千年も昔だから、ちょっとは変わったのかと思ったのが甘かったみたいだな。
ゴブリンが座っている指令室の後ろにも人が来た。
『マオウ』
でも、気配で誰がいるのかは分かっている。もう二年以上同じクラスだったんだからな。
『ダン、おまえはこの星に害なすものを連れてきてくれたのか』
『上司に支持されて連れてきたのがこの ゴブヤン殿だ』
「丁度良かった、ダン君、その子は魔力が多いようだから、連れて帰ろうと思っていたのだよ。捕まえるのを手伝ってくれないか」
『なに!』
ゴブは人さらいだったのか!
『断る!
俺は正義のために銀河パトロールに入っているのだ。ゴブヤン殿こそ、この方を連れ出す権限はないだろう』
「私の船に無断で侵入してきたのは何よりの理由だ」
『その前に、あんたたちが大量の羽虫どもを連れて、我々の恒星系に侵入してるだろう!』
私は声が普段のままなのも構わず叫んだ。
「それが私の仕事だからしょうがないのだ。いけ!」
ゴブヤンが手元の板を操作する動きをする。
バタンバタンと周りの壁がひっくり返って、そこから大量のアンドロイドが入ってくる。
『黒石!こっちに』
とっさに私をかばうように被さってきた人に縋る
『黒石。とりあえず転移するから』
そして、大きな手が私の二の腕を包む
ヴン・・・
『分かった』
パシュ
「ごめん黒石・・茉桜」
ここはコックピットかしら、ディアマンテ ノアの中とは全然違うわね。って私は周りの状況を観察することで現実逃避をしていた。
狭いシートの中で、木村が私を抱きしめてきた。
ダンはヘッドギアを外していて、いつもの眩しい笑顔の木村君とは全然違う人みたいだ。でも震えてドキドキしている心臓の音は私のかもしれない。
彼の腕の中で身じろぐと自分もヘッドギアを外す。
「こわかった」
「ああ、まさか銀河連合組合から派遣された事務官があんな奴なんて。俺もだまされたんだな。本当に悪かった」
ジワリと木村から暖かい魔力が流れてくる。
「木村、あんたもこのアーマーを動かすには魔力が必要なんじゃないの?」
「これには、魔力をバックアップするタンクがあるから大丈夫だ」
「その魔力は何処で充填するの?」
「生成する大きな機械があって、出来た魔力を売ってくれる星があるんだよ」
そんなことになってるんだ。
「私たちはもっと外に出た方が良かったのかもしれないな」
「今度案内するよ。黒石、予定を空けておいて。忙しいだろうけどね」
「・・・美味しいものが食べられるところある?」
「うーん、食べ物は地球の方が旨いからな~」
「じゃあ、お弁当を作って持っていこう」
「そうだな!え?作ってくれるの?」
「うん、地球では自炊しているからな。料理は作れるよ」
「やった!楽しみ」
そうやって、ダンのコックピットでまったりしていると。
『ダン、捕縛部隊が到着した』
『了解』
「?」
「さっきの空母の指令室でのやり取りをオープンにしていたんだ」
「さすがね」
うん?でも
「あ、こんどのデートの約束のやり取りはもちろんシークレットにしたよ」
で、デートになるんだ!そっか。木村はそのつもりなんだ。
私は赤くなっていく顔を隠すようにヘッドギアを被りなおし、自分のジャイアントマジックアーマーに転移した。
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