1【プロローグ】
甘酸っぱいSFが始まります。たぶん短め。
『ノア様、いけません』
「だいじょうぶだ、私がここで踏ん張らなければ、この星たちは」
大気のない真っ暗な宇宙で、見渡す限り白い羽虫どもが飛び回っている。
「おおっ」
私は視線を素早く動かしながらコンソールパネルを操作する傍ら、腕からさらに魔力をジャイアントマジックアーマーに注いでいく。早く早く、魔力を充填しなくちゃ。
私は操っているこの子と乾いた大地の上を駆けながら手に持たせたマジックソードを振りかぶる。
私の名前を授けているこの子はやる子なのよ。
「いけー ディアマンテ ノアぁ」
音が無いはずの真空の宇宙で自分が起こした衝撃波がおさまるのを踏ん張って耐える。
私が乗っているジャイアントマジックアーマーのディアマンテ ノア は今日も敵の指令機を撃破する事が出来た。
戦場だった一つの衛星を後にして、その横の惑星に帰還する。この惑星はただの前線基地。
モニターを切って直接透明なウィンドウ越しに風景を見る。まだ私たちの惑星は青くて美しい。大丈夫。
愛機から降りた私は、整備の担当に後を任せて、ヘッドギアを顎紐を緩めながら自分のバックヤードに向かおうとすると。
隣のゲートから出てきた、私の補佐をしてくれているシャドー ローと合流する。
「ノア様、お疲れ様です」
『ロー、確かに疲れた』
「あまり無茶をされませぬよう」
『分かっているが、しょうがないのだ』
こんなことを繰り返していて、本当に平和はやってくるのかしら。
なぜ白い羽虫どもは私たちを攻撃するのだろう。
根本的な解決になかなか進めないことをもどかしく思いながら、差し出してきたローの手を掴むとその場に崩れ落ちる。
もう、今日は魔力が残っていない。
そして、この星たちの魔力ももう、生活に使うしか残っていない。
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