#1 まじ最悪
よーいどん。
正直50話ぐらいまで貯めようと思いましたが、モチベーションが下がりそうで…。
先の展開によって修正あるかもしれません。
「先生!娘の状態はどうなんですか?」
今朝未明に強く咳き込んだ後に、意識がなくなり病院に運ばれた娘
「...診断の結果、喘息などによる呼吸困難、それが悪化したことで意識障害が起きてしまったと考えられます。今は花粉症のシーズンですが、娘さんは花粉症などは?」
「いえ...そういえば季節の変わり目になると頭痛や鼻水をかむことは多かったですが、それほど重症ではなかったので…」
「では、一度花粉症の検査をしてみましょう。今年は特に花粉が多いみたいで、今までなかった症状を訴えられる患者さんも多いんですよ。」
「そうですか…ではお願いします。それで、娘はこのあとどうなるのでしょうか?今日にでも家に帰って来られるのでしょうか?再発などの可…」
「お母さん、ひとまず落ち着きましょうか。命に関わるような段階ではないですが、きちんと原因を調査してからの診断となります。なので2,3日は入院していただきたいと考えていますが、よろしいでしょうか?」
「はい、お願いいたします」
「では、入院に際して同意書と荷物の…」
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ひどく咳き込んだことで、強制的に意識を覚醒させられた。
目が覚めると見慣れぬ天井、着た覚えのない衣服、消毒っぽい匂い…どうやら私は病院のベットにいるらしい。
「ゴホッゴホッ…なんで病院にいるんだろう…?昨日は体調が悪くて学校早退したとこまでは覚えてるから事故ではない?」
自らの体を見渡してみるが、特に外傷などは見当たらないためホッと息をつく。安心したと思ったらまた咳き込む。
「…ゴホ…ひとまずナースコールしようかな。ホイっと。…意外とこっちは何にも鳴らないんだ?」
これまで健康そのものだったのでほぼ初めて体験ばかり。少しワクワクしながらナースコールを押したが、思ったような音が鳴らす少しがっかり。
少し時間が経つと少しふくよかで人が良さそうな看護師さんか控えめにノックをして登場した。
「失礼しますね…寧々森さん、目が覚めたんだね。良かった良かった。今の様子はどう?息苦しい?」
「ゴホッゴホ…はい、大丈夫です。時々咳がでるんですけど、息苦しさはそこゴホッ…、そこまでではないです」
「病院来るまでの記憶はどこまであるのかな?」
「ゴホッゴホ…お昼ぐらいに早退して、家についてからの…フゥ…記憶はあんまりない…です」
「そっかそっか。無理に喋らせちゃってごめんね。お家で倒れちゃったみたいで、意識がなくなってね。幸いお家にお母さんがいてくれたから、救急車で運ばれたみたいだよ。それから…」
それ以外にも色々と問診を受けたが、自分のことを話しているはずなのに、他人の話を聞いているような気分。意識がなくなって倒れた?救急車?私はこれからどうなるの…?
てか、頭痛くてボーッとする…。
「じゃあ、意識は回復…質問への回答も概ね○…記憶の方も倒れた前後は怪しいけど、それ以前は良好ってことで…。それで、今は検査結果を待っているところ。そのままちょっと待っててね」
看護師が去ったことでやっと質問攻めか解放された。正直自分の状況を全く把握できていないため、ちゃんと答えられたか自信はない。というか、救急車を呼んでくれた母はどこに?
色々疑問は尽きないが、息苦しくて何もやる気がしない。ひとまず母に連絡を入れつつ、SNSで最新トレンドをチェックしていく。あ、ここのパンケーキ超映えじゃん!
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時間潰しもひと段落した頃、母がなにやら荷物をたくさん持ってきた。どうやら入院セットらしい。
「え?私入院するの?聞いてないけど…」
「あら、そうなの?花粉症の可能性があって、念のため入院になると思うって母は聞いたけど…」
「花粉症で入院!?ゴホッゴホッゴホ…そんなことある…」
「あぁ、そんな大きな声を出しちゃダメじゃない。病人なんだから安静にしてて。」
えぇ…と心の中でため息。そもそも今まで花粉症なんてかかったことなかったのに…。
こんなことが毎年起こるってこと?やばくない?まじ最悪なんですけど。
そこへ、コンコンと扉をノックする音が響く。
「寧々森さん、失礼しますね」と言いながら我が物顔で堂々と入室する白衣の医者。
まぁそりゃ病院なんだから医者の方が慣れてるんだろうけども、せめて返事待って欲しいけどね?
「私が担当の柏木です。よろしくお願いしますね」
柏木と名乗った医者は、細身ですらっとしており一見イケメン風である。が、無精髭が残っていて、白衣にもシワが目立ち、徹夜明けだしたと言わんばかりの不機嫌な表情を隠しもしない見た目は非常に残念であるし、ファーストインプレッションはすこぶる低い。
「えーと、寧々森未菜さんで合ってますかね?ある程度の問診は看護師としたと思うので簡単に…違ってる箇所があったら教えてくださいね」
看護師から受けた質問と同じような内容のやり取りが繰り返される。
きちんと看護師からの情報をインプットした上で、簡潔な確認作業が続いているのかな?
看護師からの情報をきちんと聞いた上で、それらを整理して抜けていそうな箇所の確認をしているような感じ。さすがお医者様、見た目で判断してはいけないね。
「はい、問診は以上なので、このまま軽く診察していきますね。じゃ、喉とリンパの確認、後は胸の音を聞いていきますね」
診察もしていき、何やら書き込んでいく。
すごいだるそうだが、ペンの動きは滑らかで迷いがない。
「は〜い、オッケーです。えーっと、お母さんから聞いていたかもですが、検査的に花粉症、具体的にはスギの花粉症を持っていることは間違い無いかと思われます。恐らく花粉症の反応が強く出たことによって吸機能の低下、結果的に意識障害まで起こってしまったのではないかと考えられます。」
花粉症が確定してしまった…はぁ…つらたにえん。
「先生…娘は花粉の季節になると毎度このようなことが起こるのでしょうか?」
「そうとも言えるし、そうではないとも言えますね。えぇー、今年は特に花粉の量が多かったので、この傾向が続くのであれば症状も強く出ると思います。しかし、花粉症の症状が出る前からきちんと薬を服用しておけば、そこまで重篤な症状は防げる可能性が高いです」
「そうですか…きちんと薬さえ飲んでいれば…」
「花粉の季節になる前から定期的な通院と薬の服用、後はマスクの着用やこまめなうがい手洗い等の予防に関する知識を深めることが重要です」
うげぇ…病院に定期的に来なきゃいけないとかまじ無理ですけどぉ〜?まぁ体調悪くなるよりはマジではある。
「意識障害に加えて、転倒した際に恐らく頭も打っているので、3日ほど入院して経過観察しましょうかね。えぇー、ひとまず説明は以上ですが何か質問はありますかね?」
「…特にありません。あ、今つけてる点滴は…」
「えぇー、気管支を広がる効果のあるものですね。明日からは飲み薬に変えるので、明日の朝まではつけることになりますね。
ちなみに、指についてるのは血中酸素濃度を測る機械です。入浴以外の時間では必ずつけておいてくださいね。入院については看護師から伝えさせていただきますので」
では、お大事に。と言い残して清潔感のない先生が去っていった。終始やる気というか覇気のない先生だったが、説明は分かりやすかったなぁ。
そのあと看護師の方から入院生活についての注意事項など説明を受けた。
お風呂はシャワーのみで夜には入れない。化粧も禁止で盛れない。そしてご飯は恐らく映えない。
縛りが多いため非常に辛い戦いとなることが予想される。
「じゃ、母も帰るから。早寝早起きしてご飯は残さずね。退院時に迎えにくるようにするけど、何かあったら連絡ちょうだい」
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さて、だいぶ薬が効いてきたのか楽になってきた。
スマホがあるとは言え、若い身体では暇を持て余してしまう。雑誌でもら持ってきて貰えばよかった。
先程の看護師さんの話によると、外出はダメだが院内のコンビニで何か買う分にはオーケー。つまり…
「この部屋のベットに縛られている必要はない」
お昼の時間までは1時間以上あるし、シャワーの時間は午後の予定であるため、少し時間がある。
少しの間ではあるがお世話になる病院内を探索してみることにしよう。
スリッパを履いて身だしなみをチェ…!?ノーブラじゃん、これはヤバみ。
パジャマみたいな格好に、インナーがシャツのみは少し無防備がすぎる。少し防御力を上げてから行こう。
「部屋出る時って誰かに言ったほうが良いかな?
…んー、忙しいと思うしいっか。スリッパ履いて…よし出来…ゴホッゴホゴホ」
少し調子に乗りすぎたみたい…ふぅー苦しい苦しい。点滴しながら歩くの初めてだから、なんか少しワクワクする。ひとまずコンビニで飲み物買おっと。
…めちゃくちゃ歩きにくいね、これ。ワクワクするとか嘘でした、早く明日になれ〜…。




