プロローグ 真っ白、それから
対戦よろしくお願いします。
ご指摘あれば優しく教えてください!
不良品・欠陥品・出来損ない
私にはこんな言葉がお似合いだ。
小学生の頃、心臓の病気が見つかりそれから5年間ずっと病室で過ごしてきた。
現代ではコンテンツが充実してるので幸い暇を持て余すことはなかったが、外には出られない。
初めは同級生がお見舞いやら千羽鶴やらを持ってきてくれたが、入院生活が1年を過ぎた頃には音沙汰がなくなり、3年が経って小学校卒業の頃には皆んなの意識から私の存在は消えていたと思う。
入院生活が長引き始めてから通信制の塾で勉強はしていたため、学校にお願いしてやっていた遠隔でのテストの成績は問題なく、授業実施レベルということで卒業はできた。
(後半は見張の先生がくることも無くなったため、本当に形式だけだったけれど…)
卒業アルバムに載せるような写真もなかったので、集合写真の右上に別枠で載せてもらうことも辞退させてもらったし、勿論アルバム自体も購入しなかった。
中学からは通信制の学校に入学することにしたため、授業などは受けられるがもちろん学校行事のようなものは全くない。
この病室と一緒で空っぽで真っ白な生活が続いて、どこかで心臓に限界がきた時に何も残さずこの世界から消えるんだなぁ〜と考えて…急に腹が立ってきた。
何で私が何も残さず消えなきゃいけないの?
せっかくならこの病室には自分がいたという痕跡を残してやろう。
片付けを大変にして、看護師さんを困らせてやろう。
同じ病院にいる入院生活が長い同志達に、楽しみを作ろう。
私が好きなのは何?
私は元気だったら何がしたかったの?
この病室でなら何ができるの?