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温泉ツーリング同好会へようこそ 2nd  作者: 秋山如雪
第7章 東北の温泉
32/43

32湯目 東北への道

 ということで、急きょ、3人による東北へのツーリングが決定した。

 宿は、私がネットから検索して予約した、秋保温泉にある和風温泉旅館に決まった。


 本音を言うと、北海道に行ってみたかったが、時間の関係、金銭面での問題で、今回は東北に決まった。


 日程は、8月上旬の平日の2日間のみ。1泊2日であり、平日を選んだのは、土日は混むのと、宿泊料金が上がるからだ。


 そして、実際に行くまでの間に、私は色々と調べてみた。


 すると、東北地方は「温泉の宝庫」だとわかるのだった。改めて見ても、細長い地域の東北地方。

 縦に長いが、東京から青森まででも約740キロあまりもある。


 おまけに、下道だと東京から青森まで、ずっと国道4号という一般道が続いている。


 時間があれば、いつかこの国道4号ルートだけで青森県に行きたいものだと思うのだった。


 旅行を楽しみにしつつ、ツーリングコースも探り、私はその時を待った。


 8月上旬の平日。


 例によって、いつものごとく、塩山駅近くのコンビニで待ち合わせたが。


「暑い~」

 文字通りの夏真っ盛り。うだるような暑さだった。


 山梨県は、盆地の地形のため、周囲を山に囲まれており、つまり「熱の逃げ場がない」。そのため、時と場合によっては、ビルが立ち並び、ヒートアイランド現象で気温が高くなる東京よりも、気温が高くなることがある。


 その日の甲府市の最高気温は37度だった。もはや体温レベルの暑さだ。


 出発の予定時刻は午前6時。

 つまり、通勤渋滞が発生する前に高速道路に乗る計画だったが、それでももう暑いというレベルだった。


 そのため、私は薄手のライダースジャケットを羽織り、中はTシャツ1枚という格好だった。


 やがて、やって来た花音ちゃんは、白い薄手のライダースジャケット姿で、しかも「水が出る」水冷服だという。金がかかっている。さすがにレーサーの娘で、少し羨ましかった。


 一方の、フィオは、ライダースジャケットすら着ておらず、ほとんど夏用のカーディガンのような、ラフな薄手のジャンパー。


「だって、暑いんだモン」

 ライダースジャケットではない理由を聞くと、彼女は可愛らしい口元を尖らせるようにして、呟いていた。


 こうして、始まった東北へのロングツーリング。


 まずは、勝沼インターチェンジから中央自動車道に入る。


 後は、携帯のナビに従って行くだけだが、中央自動車道はともかく、そこから八王子ジャンクションを曲がって入った、圏央道。


 こいつが曲者だった。


(ダルい)

 早朝にも関わらず、この道は多数のトラックで車線が塞がれるように混んでおり、しかも片側2車線だった。


 つまり、走行車線と追い越し車線にトラックがいた場合、どうやっても「追い抜く」ことすらできない。


 その上、圏央道は、一部区間によっては、制限速度が70キロの区間もある。


 高架のような道を走り、風景も代り映えのしない、住宅街が広がる。つまらなかった。


 だが、これが久喜白岡ジャンクションを越えると、変わる。


 そこから先は、いわゆる「東北自動車道」であり、車線が片側3車線に広がる。


 おまけに、東京に「向かう」方ではなく、「離れる」方だから、通勤ラッシュ渋滞とも無縁。


 快適な道だった。


 むしろ快適すぎて、眠くなるほどに快適な道が続き、次第に住宅街から田園風景に変わり、遠くに青々とした夏の山々の稜線が見える景色は素晴らしかった。


 さすがにずっと走りっぱなしの上、圏央道にはロクなPAやSAがなかったので、先頭にいたフィオが、PAに入った。


 羽生はにゅうパーキングエリア(埼玉県)。


 久喜白岡ジャンクションから東北自動車道に入り、最初にある大きなPAだった。


「やっと着いたネ。ダルかったー」

 バイクを降りて、フィオが大きく伸びをしていた。


「私もです」

 花音ちゃんもまた、バイクを降りてから、軽く伸びをしていた。


「朝食食べましょうか?」

 時刻は午前8時過ぎ。


 出発から約2時間あまり。さすがに空腹だった私の発言に、2人とも頷いた。


 この羽生パーキングエリアは、かなりの規模の大きなPAで、フードコートも充実していた。

 土日や祝日は、朝から混雑するこのPAも、平日の朝は、業務用のトラックや営業車が中心で、静かな雰囲気だった。


 私は、ここでカレーを食べてから、いよいよ東北地方へ向かうことになった。目指す秋保温泉までは、まだ約300キロくらいはあった。

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