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一葉:数年後

 数年後。


 僕は今、沙樹さんの通っていた通信制の高校に通っている。


 ◇   □   ◇


 あのノートはあのゴールデンウィークが終わって、中学校にプリントを受け取りに行ったときに、図書室の棚の元あった場所にそっと戻した。

 

 あのノートを読んでも、僕が学校に普通に通えるようにはならなかったけれど、通信高校に進学しようと決めてからは、自分でコツコツと勉強をすることができるようになった。


 ハルカさんは僕が中学校を卒業する年までは、あの図書室で司書を続けていた。なので、僕は教室には行けなくても、図書室で勉強することができた。中学卒業の一ヶ月ほど前に、あのノートが僕の好きな海外小説のエリアに移動していて、僕は思わずノートを手に取った。もう一度だけあのノートを読み返して、その日のうちにまた本棚に戻しておいた。


 ◇   □   ◇


 その日から約二年経った。


 時間は勢いを増して流れていた。


 今、ハルカさんと空さんは、空さんの仕事の都合上、海外で生活しているらしい。僕はそのことを、生まれて初めて二人からもらったエアメールで知った。


 ◇   □   ◇


 それからさらに約半年後。


 クリスマス一ヶ月前。


 僕は今も本の虫だけれど、精神的にはそれなりに落ち着いた日々を送っている。


 今日は高校のスクーリングの日で、対面授業はかなり疲れたけれど、電車から降りて、駅前のロータリーに出てくると、この街のクリスマスのシンボルがキラキラと光を放っていて、僕は思わず足を止めた。


 このツリーの光が、これからも毎年この街に灯るといいな。


 その数分後。


 その場から立ち去ろうとした瞬間、僕は息が止まりそうになった。


 ——僕の視線の先には、クリスマスツリーに向かって真っ直ぐに腕を伸ばし、ツリーのてっぺんにある星を指を差し続けるまだきっと喋ることもできないほど小さな女の子と、その子を涙目で見守る女性がいた。


 THE END




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