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10.2 102〜103ページ目『世界がすごく綺麗だから。私、明日、死のうと思う。』

 --102〜103ページ目--


 LIFE:


 あれから二年後の五月


 もう一度、このノートを開けるなんて思わなかった。


 どうして君は、あれから二年も経つのに、毎日毎日私の病室に来ては、たからもののように私に触れてくれるんだろう。


 ほとんど何も出来なくて、私がしてあげられることなんて、君を見つめ返すことだけなのに。


 言葉にしたい思いが山ほどあるけれど、毎日数行書くだけで、眠りに落ちてしまう。


 ☆   ☆   ☆


 前に、ペインスケールの話を書いたよね。


 今も痛みは激しくて、私の『痛みの秤(ペインスケール)』に針があるなら、その針は最大限に振っている。


 だけど、もし、私の目の前に幸せの秤があるなら、その秤は無限を表しているはずだから。


 これ以上にないほど、私は恵まれていて、あたたかな場所にいる。


 「私を通して、世界を見て!」って言いたいくらいに……。


 ☆   ☆   ☆


 私の大切な場所:自分の部屋、家族の集まったリビング、ハルの家、夕日の見える場所、高校の自習室、病院、みんなと行ったたくさんの場所、幼稚園、学校、動物園、箱根、水族館、プラネタリウム、映画館、直が座っていた公園のベンチ。たぶんもっといっぱいある。


 プレミアチケットは、二年前の誕生日に二十四時間しか効き目がなかったから、今回は数時間しか効かないかもしれない。それでも、私はこの病院から出て、自由に過ごしたい。


 Will and testament:


『世界がすごく綺麗だから。私、明日、死のうと思う。』


 死なずに済むのなら、その方がいいのだけど、最後のプレミアチケットを使わずにこのまま動けなくなったら、絶対に後悔するから。


 死について書いてしまったけれど、心配しないで。

 私はちゃんと最後まで生きるから。


 私は最大限生きるために、これからプレミアチケットを使います。


 心配しないでね。私は決して不幸ではありません。



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