表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/50

9.3 100ページ目 ノート

 --100ページ目--


 五月七日


 LIFE:


 昨日はプレミアチケットの効き目がいつもより短くて、日付が変わる前に眠ってしまった。これ以上は無理できない体なんだと思い知らされた。


 このノートは、今までの人生を振り返るためにすごく役に立ったと思う。

 自分が考えてきたことも、みんなに伝えられる気がする。


 けれど、欲張りを言うなら、世界がとても美しいことを、私がとても恵まれていたことを、読み手に感じてもらえたらいいなと思う。


 辛いことや痛みのことを、想像していた以上にたくさん書いてしまったけれど、痛みがあるからこそ、世界がより一層輝いて見えるのかもしれない。


 だけど、今の私にはこれ以上、このノートに思いを書き続ける勇気がない。このノートを書いていると、どうしても人生の終わりを意識してしまうから——このノートは、今を生きることから私を遠ざけてしまうから、しばらく書かないことにします。




 Will and testament:

 もしも、私がこのノートを直に渡す前に死んでしまったら、このノートを読んだ人は、このノートが彼の手に渡るようにしてください。よろしくお願いします。



 追記:

 LIFE:


 直、あの日の会話覚えてる?


 私「私より好きな人を見つけてね」

 直「そんなの、絶対に無理だよ」

 私「無理じゃないよ。賭けてもいい」


 私、本気で言ったんだからね。




 Will and testament:

 直。これからは、好きなだけ美術の勉強をして、素敵な人に出会って、素晴らしい人生を送ってね。私より好きな人ができたら、賭けは私の勝ちだよ。



 ----------------------------------------------------------------------------



 こんなふうに思われたら他の人なんて好きになれっこない。

 僕は愛なんてまだ知らないけれど、胸が押しつぶされそうだ。


 ページをめくるのが怖い。


 もしかして、もうこれ以上何も書かれていないかもしれないと僕は思ったけれど、ページをめくると、そこにはメモ用紙が貼り付けてあった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ