20話 本物の武器屋
スギノルリ、武器づくりです!
「武器つくる前に、冒険者証見せてくださいー。決まりでーす!」
「はい」
「お客さん、C級冒険者!?凄いねー!」
「C級って凄いの?」
「凄いよー!C級以上、一人前の冒険者だよー!私の店なんかに来てくれないよー」
そうなんだ。
「B級100人、A級10人くらいしかいないよー」
なるほど。
だからあのB級冒険者はあんなに自信満々だったのか。
ん?でも待って。
そのB級をあっさり倒しちゃう巨人って何級?
冒険者とはまた違うのかな。
「じゃぁ細かい所決めていきましょー!」
ジエラが、長剣のいろいろなデザインが描かれている本を広げた。
「どんな感じがいいですー?コレ以外でもー」
「んー、なるべく軽くて、形はノーマルな感じで」
「ならデザインはこのあたりですかねー」
「うんうん、それで」
「竜の鱗なんで、軽くて丈夫な剣できまーす」
「柄はどうします?」
剣を持つ部分を総称して〈柄〉、持つ部分を〈握り〉、先端の部分を〈柄頭〉、刀身に近い部分を〈鍔〉と言うらしい。
「よくあるのは、鍔の真ん中に魔石入れますー。あとは、柄頭にも魔石使ったりもありますね。デザインこだわるなら、鍔の部分ですかねー」
「うーん、その辺り詳しくないから、お任せできるかな?あ、でも出来たら、装飾?細工?的な彫物してもらえたら嬉しいかな」
「なんですかそれ」
「あ、ごめんダメだった?」
「なんですかその職人心くすぐる注文はー!!」
ジエラが勢いよく立ち上がった。
「お任せくださいー!腕によりをかけて渾身のひと振りつくりますー!」
「あ、でも、魔石は選んでくださいー」
「どんなのを入れればいいの?」
「多いのは、強い魔物の魔石使います。色が濃いほど、ステータスになりますー」
「あとは属性です。魔物の魔石じゃなくて、加工品の魔石には、火耐性、水耐性などありますー」
魔石にも種類があるんだ。
属性ごとに色が分かれていた。
「濃い青色の魔石ってないのかな?」
「ないですねー。青は水耐性の魔石しかないです」
それは透明な水色の石だった。
「んー。。」
「竜の魔石はないんですか?」
「あぁ、魔石はないよ。素材も落ちてるの拾っただけだし」
嘘ではない。
肩のラピスからの視線を感じるが。
「そうなんですねー。じゃぁさっきのは?」
「それはある」
私はマジックボックスから魔石を出した。
ピンクより、赤に近い魔石だった。
「コレでも十分すごいですよー。こんな濃い魔石そうそう見れないです」
魔石を光に当てて見ていた。
「うーん…」
私が悩んでいると、
「お客さん魔法使いー?」
「あ、うん」
「ウサギの魔石あるー?」
「あるけど…」
アイテムボックスから透明な魔石を一つ出した。
「ソレ、掌に乗せる。そして、もう片方の手で包む」
言われた通りに魔石を両手で包んだ。
「ソレに魔力込めてみてー」
魔石に魔力を込める?
魔導書にしたようにかな?
私は掌に集中した。
ブゥゥゥゥーン…
掌が熱くなり、魔石が光を放った。
「はい、オッケー!」
透明だった魔石が、真っ黒な石になっていた。
「お客さん、やっぱ凄い人ー!」
元より倍以上に大きくなった魔石を光にかざし、ジエラが驚いていた。
「濃い青じゃないけど、コレならどう?」
黒か…
でも黒って、見方によれば紺だよね。
光とかに透けると黒より明るく見えたりするし!
「じゃぁそれで!よろしくお願いします」
私は頭を下げた。
「わかりました、明日また来てくださいー」
「明日?」
「はい、これから店閉めて籠って一晩打ち込みまーす!」
早っ!でも楽しみ!
「じゃぁまた明日!えっとお金…」
「明日、完成した剣見てもらってからでいいでーす!」
「前金とかは?」
「もらうのが普通ですけど、この素材出して逃げる人いないでーす!」
ですよね。
見てるこっちまで幸せになる屈託のない笑顔に見送られて、私は店を出た。
「面白い娘だったな」
ずっと黙っていたラピスが喋った。
「ねー。下の店よりよっぽど好きだな。あの娘も、あの店も」
「夕飯にはまだ時間あるし、ギルドも見とこっか」
スギノルリ、またまたギルドです!




