17話 入国
スギノルリ、いよいよ創造国です!
エクルと別れ、ついに辿り着きました!
創造国!!
「おぉ〜!!」
大きい!
何コレ、城?要塞?
とてつもなく高い壁に囲まれた国。
そしてその中に見える建物は更に高く、重厚で、でも繊細な装飾の造りをしていた。
中に入る為に門へ向かうと、そこには巨人の門番が立っていた。
巨人…!
10メートルはあるだろう門に、その半分はある巨人。
携えた大きな剣を横目で通り過ぎ、関所のような場所へ案内された。
「通行証か冒険者証をご提示ください」
門番よりは小さい、けど人族よりは確実に大きい巨人が対応してくれた。
空港で、パスポートを見せてください、的なかんじだな。
「…そちらは従魔でしょうか?」
肩に乗ったラピスに手を向けた。
「あ、そうです!」
しまった、忘れてた。
人の姿になってないや。
いや、ラピスは冒険者証ないし、鳥の姿のままの方がいいのか?
「冒険者証の記載通りですよね…」
不思議そうに答えた。
「何か?」
「いえ、失礼いたしました。人族の方が従魔を連れているのを見るのが初めてでして」
「そうなんですか?」
「従魔契約には多量の魔力を用いると聞きます。それ故に、従魔を従えているのはエルフだ、という概念になっておりました。大変申し訳ございません」
なるほど…
魔力無限大♾の私と竜族のラピスだから問題なく出来たってことか。
「創造国へは初めてですか?」
「はい!」
「それではいくつかご説明させていただきます」
「ここ創造国は、大陸の中心に位置する中立国家です。人族、獣族、精霊族全ての出入りが自由となっております」
「そして、この国での争いは一切禁止されております。もし破られた場合には厳しい処罰がございますのでぐれぐれも守られますように」
厳しい処罰…
「次に……」
「おい、こらちょっと待てや!!」
怒鳴り声に話が遮られた。
ここではない。
他の関所で誰かが騒いでいる。
「なんで俺らが待たされなきゃいけねーんだよ!さっさと入れろや!」
3人の男の人達が、1人の巨人に詰め寄っていた。
「お騒がせしております。すぐ終わりますので少しお待ちください」
え、冷静…
いいの?ほっとくの?
「順番に確認させていただいております」
「順番だー?なんで犬のせいで待たされたんだよ!人間様を先に通せよ!」
騒いでいる人の前にいたのは獣族だった。
「なんだったら俺がここで退治してやるよ!ほら、どけよ犬!」
剣を抜き、暴言を吐く。
「これ以上騒がれるようでしたらこちらも対処いたします」
「はぁー?てめぇもただ図体デカイだけで威張ってんじゃねーよ!頭の悪いデクの棒は黙ってろ!」
振り下ろした剣を素手で掴む巨人。
「は…?くそっ」
どんなに力を入れようとビクともしない。
そのまま剣ごと持ち上げられて、体が宙に浮いた。
「ただデカイだけかどうか、ご確認ください」
反対の拳が、冒険者を思い切り殴った。
気を失い、倒れ込む。
他の2人もその場に座り込んだ。
「冒険者3名、慣例に従い、投獄します」
早々と他の巨人に連れて行かれた。
争っていた巨人も、何事もなかったかのように仕事へ戻った。
「お待たせいたしました」
前にいた巨人の言葉で、はっと見入っていた意識を戻す。
「彼らはあの後、この国で罰を受け強制送還となり、母国へ戻った後も厳しい処罰を受けるでしょう」
「母国でも?」
「創造国が中立国家なのは、3種属全てから重要視され、必要とされているからです。物造りのほとんどはここでされていますので。それゆえ、ここで争いを起こすということは、創造国と、他2種属を敵に回すということです」
「それがどれだけ重罪なことか…。その罪は、彼らの母国まで責任を追求されるでしょう」
なるほど…
「次に、滞在期間についてです」
表情を変えることなく、淡々と話を進めていく。
「創造国での滞在期間は、最長1週間となっております」
「1週間?たった?」
「はい。ここ創造国は、先にも述べましたように、3種属の中心に位置しております。それゆえ、ここを拠点に狩りをしようとする冒険者がいるのです」
「なるほど」
「しかしながら、この国は冒険者の為の借宿ではありません。ですので、滞在期間は1週間までとし、その後1ヶ月は再来国出来ないようになっております」
「こちらでは武器や装備を造るご予定ですか?」
「はい!」
「職人は数多くおりますが、有名店には人気が殺到します。滞在期間中に手に入れることも出来れば、納期が1ヶ月かかることもあります。けれどそれは、1週間以内で作れない場合は、次の再来国に合わせて1ヶ月と言っているのです。店選びの参考にされてください」
「なるほど」
「以上が説明となります。ご質問はございますか?」
「いえ、大丈夫です」
「それではお通りください」
スギノルリ、創造国、入りました!!




