陰に咲く
陰に咲く君は
誰にも見てもらえなくても
必死に花を咲かせようとする
冷たい風が君を冷やすだろう
社会の歪な心は君を笑うだろう
それでも君は咲くべきだ
風が君という種をその地に届けたのは
偶然でも運命でもない
君自身に意味があるからだ
誰しもが成すべきことがある
君だけが成せることがある
胸を張って誇り高く咲いて
誰にも見劣りしない花を咲かせよう
吹き荒ぶ嵐もなく
常に誰かに見守られる温室では
君という美しい花を咲かせることはできない
焼け付く夏と枯れゆく秋
厳しい冬を乗り越えて春を迎えてこそ
君はこの世界を美しく彩る花になる
諦めるな屈するな
恐れるな腐るな
確信と自信を持って伸びゆく花よ
君は美しい
虚飾も矛盾も欺瞞も彼方へ放り去り
大地に根ざして咲いた君はとても美しい
歪な心では君の美しさはわからない
それはとても残念で哀れなことだ
君を笑うものは君の喜びがわからない
それはとても寂しく孤独なものだ
陰に咲く花よ
慈しみをもって咲く花よ
忍耐強く咲く花よ
美しい生命の力強さを咲かせる花よ
君の種を風にのせて
風はまた遠く未来へと
君の種を運んでゆく
海を越えて国を越えて
種はまた大地に根付き
咲くことをやめない
陰に咲く花よ
どうか飽くことなく咲き誇ってゆけ
この世界が君のように美しく咲いていけるように
願いと希望の種を風にのせて
遠く近く君よ陰に咲いてゆけ




