初めての戦闘
彼女が部屋から小屋から出ていって20分ほど、俺は状況の理解をしようとしていた。
とりあえず、ここが異世界だということと彼女が敵ではないのはわかる。
だが、妹ってなんだ、戦闘って言っていたが戦闘しないとダメなのか?それに通帳の内容が必要なのか?
まったくわからない。それに俺はこれからどうすればいい?
そんなことを考えていると彼女が帰ってきた。
彼女は手に木の実やキノコなどのものを持っている。おそらく近くでとってきたのだろう。
彼女はそのまま台所まで行き持っているものをおいた。
そして俺に向かって
「今からこの世界について説明するので少し外に出ましょう」
と言い、俺はそれに従い外に出た。
外に出ると彼女は森がある方向に歩き始めた。俺はそれについていった。
森に入り10分くらいしたところで彼女は振り返り俺にスマホを出すように言ってきて、話し始めた。
「この世界で兄さんが生きていくには充分なお金とそのスマホが必要になっていきます。とりあえずスマホをみてください」
俺はスマホをみる、スマホには右上に通帳に記載されていた金額が書かれている他、地図と地図に赤いマークがされている。赤いマークは少しずつ移動しているように見える。
「地図に映っているマークは近くにいる魔物を表しています。一部映らない魔物もいますがこの近くの魔物はだいたい映るようになっています」
「じゃあ、近くにマークがひとつあるんだが危なくないのか?」
「はい、私は大丈夫ですが兄さんは危ないですね」
「じゃあはやく逃げよう」
そう言い俺は逃げようとするが彼女に引き留められた。
「兄さん、今からその魔物を倒すんですよ、それにもうそこに魔物がいるので逃げれませんよ」
彼女が指さす先を見るとそこには小さいよくゲームで見るゴブリンのような者がいた。
「あれはゴブリンですね。複数いるとやっかいですが1匹ならなんとかなるでしょう、じゃあ兄さん戦ってください」
「えっ、俺が戦うのかよ」
「別に戦わなくてもいいですけど戦わないと兄さんしにますよ?私は戦いませんし」
彼女にそう言われ彼女は俺を殺そうと思っているのだろうと思い腹を括り俺はゴブリンに殴りかかろうとしたとき、俺は彼女に服を引っ張られ倒れてしまう。
「痛ってーな、何すんだよ」
「兄さんはバカなんですか?なんのためにスマホの話をしていたんだとおもっていたんですか?話は最後まで聞いてください」
そう言われ俺はスマホをみるとなにかガチャ画面のようなものが出ている。
「その画面に見を覚えありますよね?兄さんがよーーーくお金をムダにしたガチャ画面ですね」
あの妹(仮)さん?当たりきつくありません?と思いつつ話を聞くことにした。
「それには2種類のガチャがあって武器ガチャと身体能力強化のガチャです。横には1回のガチャで必要な金額が書いてあります」
ガチャの横には10と書いてある。これが金額なのだろう。
「そのガチャを引き出た武器などで戦ってください」
いちおう内容を理解した俺は武器ガチャを引く。するとナイフがスマホの画面に映しだされる、すると俺の目の前にナイフが出てきた。
「そうやってガチャを引くとガチャで出たものがそのまま出てきます」
彼女の話を理解して次は身体能力強化のガチャを引く。画面には身体能力強化+10と書いてある。すると俺のまわりが光り始め力がみなぎってきた。
「それだけ強化されればゴブリンくらい一瞬でしょう」
そう言われ戦おうとゴブリンの方をみると今まで待っていて痺れを切らしたゴブリンが襲いかかってきた。
俺はゴブリンの攻撃をナイフで受けるとナイフが少し欠けたが俺にはまったく影響がない。
まったくダメージを受けていない俺をみて驚いたゴブリンは動きが止まる。それをみた俺はゴブリンの首をナイフで切れあげた。
するとゴブリンは血を飛び散らしながら倒れる。
数秒するとゴブリンは消え、そこには金貨が落ちている。
金貨を触ると金貨は消えてしまった。すると彼女が話し始める。
「お疲れ様です、兄さん。それにすみません、戦闘を覚えて貰うには実戦が一番だと思い危険な目に合わせてしまいました」
彼女は頭を下げて言う。
「あぁ、怪我もないしまぁ今回のことは別にいいよ」
俺がそう言うと彼女は笑顔になり顔をあげる。
「ありがとうございます、兄さん。それとさっき触った金貨は魔物から出たものだと自動で預金されるようになっています。それ以外は手元に残ります。一部の魔物は金貨もでず、そのままの形で残ります」
そういう原理なのか、だいたい俺のやったことのあるゲームに似ているな。
「それでは小屋に戻ってご飯にしましょう、もういい時間だと思うので」
そう言われると俺のお腹がなった。よし、はやく小屋に戻って何か食べることにしよう。そして彼女と一緒に小屋に戻って行った。
こうして俺のはじめての戦闘は終わった。