始まり
「早乙女明日香?妹?君が?」
俺はこの早乙女明日香と名乗る少女に色々と聞こうとしたが、
「話はあとにして移動しましょう。あまり見ませんがいちおうここにも魔物はいるので」
聞きたいことは色々あったが、言われるがままに立ちあがり移動しようとすると、なにか入っている黒色の袋をわたされた。
「これに兄さんが現れたときに散らばっていたものをまとめておきました。さぁ、移動しましょう」
そう言われ改めて俺は彼女に連れられここを去ることにした。
20分くらい歩くと一軒の小屋がみえた。
彼女は小屋の前で立ち止まり、
「ここは私が知人から借りている小屋です。」
そう言い彼女は小屋に入っていった。
俺は彼女を追いかけて小屋に入る。
小屋の中は机や椅子などの日常に必要なもの以外はとくにない簡素な中身だった。
ずっとゲームをしていた俺には住んでいられないようなところだが彼女には問題のない所なのだろう……
彼女に進められ椅子に座ると彼女は俺の向かい側の椅子に腰を落とす。
すると彼女は話し始めた。
「兄さんもこの世界に転生されたようです。この世界では自分のスマホとお金が生きていく上で大事になってきます。袋の中に入っていると思うので出してもらえますか?」
そう言われ俺は袋を開ける。袋の中にはスマホ、充電器、預金通帳、財布が入っている。
彼女は俺の手元にスマホと預金通帳があるのを確認し
「通帳の裏に小さいマークがついていると思います。それをスマホのカメラでうつしてもらえますか?」
「こうか?」
俺は言われた通り通帳の裏の小さいマークにスマホをかざしてみる。するとスマホには俺の通帳の内容が写し出された。
「これで魔物にいきなり襲われても戦うことは出来ますね」
「ところで魔物や異世界ってんだい?それに兄さんって……」
彼女は聞かれるのが分かっていたかのようにスムーズに口をひらき始めた。
「兄さんは元の世界からこの世界、つまり今まで住んでいたのとは別の世界に転生されました。魔物というのはこの世界にいる生物のことで友好的なのから危ないのまでいます。それと兄さんというのは………これはまたこんどにしましょう」
そういい彼女は外に出て行った。