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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

今日から学校と仕事、始まります。①莞

パンツ見せるからお金頂戴

作者: 孤独

閃く小悪魔の商売頭脳。


「ふ、ふふふ…………」


御子柴は、授業中に新たな悪戯を思いつく。楽しんで、お金をふんだくる。新たな事業。




◇       ◇



【下着姿を見たい方は、1000円でお見せします。先着40名様、17:00に放送室に来て下さい】


A4用紙に黒マジックで書かれた、ご本人様直筆&写真付きの、ちょっぴりエロなご広告が放課後の掲示板と、LINEやツイッターなどにも載せられ、校内中に宣伝されるほどだった。

どうやら下着姿となる人物は、川中明日美という女子高生。可愛いポーズを撮った女子制服の写真に興味がないかって?


「な、な、なんだってーーー!!」

「川中さんの下着姿ーー!?」


男子生徒達がご興奮して、大声を出すほどであり、


「なんて破廉恥はれんちな!!高校生活にあるまじき事!止めますわよ!」

「しかし、止めるには1000円を払うしかないな!!」

「1000円を払って止めよう!!私共が止めるので、女性教員の方々は後日、怒ってください!!」


男教師達も唸るほどである。

見た目良し、性格良し、成績良し、彼氏は今いない良し、家事全般良しと来た。この学校一の美少女ならぬ、唯一にして絶対の天使である、川中明日美である。

そんな彼女の下着姿である。



「なにこれー!?川中さんってこんな方だったっけ!?」

「1000円で良いの!?行くぞ!なぁ!!」


クラスメイトの男子、相場や舟も絶対払うわ。って感じであったが、その2人の親友である坂倉は冷静な指摘。


「……相場、舟。止めておけって。なんか嫌な予感するぞ。御子柴の悪戯じゃねぇの?」

「坂倉!お前、彼女いるからって調子に乗ってんな!?」

「可愛さ、胸の谷間、下着ときて……さらなる展開もあるかもしれないんだぞ!!」

「いやいや………」


聞いてはくれない。いやしかし、


「しょうがねぇな。お前等のために俺も行ってやるか」

「テメェ!!迎っていうロリ彼女がいるくせに!俺達をダシにして、行く気だったな!!」

「迎ちゃんに言ってやるわーー!!こいつ、ムラムラしてるって!!」



その坂倉も大体同じである。川中明日美は学校の天使であるからだ。

それがほとんどであるように、


「うおおおーっ!放送室に行くのは俺だーー!」

「教師は引っ込んでろーー!」

「天使の笑顔と下着を見たら、あとの高校生活なんてどーでもいいんじゃーー!」

「いや!こんな行為をする女子生徒を止めるのが、教師の役目ーー!」

「そうでしょ、校長先生!!」

「違うわーい!儂はただ、なんとなく、放送室に行きたかっただけーー!」

「教師と生徒のなんちゃらより!青春させろーー!」


放送室近くでは男子達の大乱闘状態。

そこへお金回収係をなんかやらされた、御子柴の親友にして協力者の嶋村がいた。


「とりあえず、皆さん。1000円払ってくださーい。大丈夫ですよ、変態は40名ぐらいだと思ってましたからー」

「分かったよ!」

「払うから行くぞーー!」

「あ、放送室狭いんで順番で。先に金を回収~」


キッチリ、1000円。4万円の稼ぎである。

そして、金を払えばもうどーでも良くなってしまう男達。いったいどうして



バァンッ


「川中さーーん!!」

「どうして下着姿なんかに!?」


当たり前のオカシイを叫びながらのご入室。そして、当たり前のように



「きゃーーーーーー!!!」



鼓膜に効くほどの大絶叫を上げ、超赤面中の川中明日美と



「よっ」



今まさに、そんな彼女の前で。大絶叫の一種に入るのか、ドキドキなのか分からないような状況を作っている男が1人。ここに集まって来たど変態共とは明らかに格差の違うイケメン。四葉聖雅がそこにいた。

そんでもって、ちょっとモッコリしている状態のトランクス。上は制服のYシャツという。もうあれじゃないですか。イケナイ情事が行なわれそうな局面に



ビキィッ



この分け分からん空間に、亀裂が入ったような音と現象が起きた。……気がした。



「こんなに集まったのか。下着好きの。いや、川中さん好きの方が」

「あ、は?」

「え?」


入ってくる変態共は、当然。川中を見た。っていうか、ズームするくらい注視した。

彼女はふつー……の、制服姿。いつもの服を纏った天使だ。

それで、隣の男はなんで半裸?しかもなんで下がないの?



「よ、四葉。おい。どーいう事だ?」

「相場。御子柴ちゃんにね。下着姿になるだけで、1万って言うから。俺はやったんだ」

「ちょ、ちょっと待ちなさい。か、川中さんが下着じゃないの?」

「先生。そんなこと書いてないでしょ。約束だけしてます」

「写真が川中さんだったぞ!!」

「それが事実というのも書いてないっすよ。ネット社会の恐ろしいところですね」

「屁理屈ばっか言いやがって!お前の下着姿なんか誰も観たくねぇわ!!っていうか、こっち向けながら○○○すんな!」

「俺は君達にも興奮するんだがね。ゾクゾクする。こんなに興奮している人達を見ると」

「止めろ!イケメンの残念野郎!!」



おそらくこれ。普通の男だったら、袋叩きであっただろう。しかし、この四葉はイケメンであると同時に


「先生も俺とそんなことを期待してたんですか」

「アーーーーーッ」


ホモである。

もし、川中1人であれば、犯罪で良いから全員で弄んだ事だろう。しかしこの四葉は、その気になれば屈強な男達が相手であろうと、


「だーれと、……遊ぼうか」

「逃げろーーー!!」

「畜生ーー!」

「騙されたーーー!!」



襲っちゃう。

だから、みんな逃げる。廊下であろうと、走る。全力で逃げる。


「あははははは、面白いね。下を穿くから。ごめんね、川中さん」

「あ、あ、あのですね。四葉くん……」

「俺は君と一緒に、みんなに悪戯できて楽しかったよ」

「!……あははは。私もですけど、私から御子柴ちゃんには怒っておきます。それと」


四葉の容姿は川中の男バージョンと考えて欲しい。女子が注目している男子生徒であるが、この性格。むしろ、性癖。ちょっとドキマギしていたのに、残念な気持ちが出てしまう川中であった。


「ひとまず、その」


川中は放送のスイッチを入れて、叫ぶ。



「廊下を走らないで!!この、変態共!!」



ある意味、天使のありがたいお声であった。





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