ep.37 Aランク③
【カリス・ローゼン・タール】
ギルド本部 本部長
抜けた本部長の席にわずか26歳の若さで抜擢された。就任して2年。
元々、冒険者では無いためその実力は不明。
しかしながらかなりの切れ者らしく、戦略等では彼の右に出るものはいないと言われているほど。
そして、善か悪か。答えは。
____会議室に置かれた職業鑑定魔導具。
自身の眼鏡を外し鑑定用の眼鏡をかけるカリス・ローゼン。
「では、始めましょう。」
「まずはダウラ君。」
「君からお願いしよう。」
「いいですよ。」
すっと手をかざすダウラ。
「私は、以前。「絶鎌」との結果がでてますからね。何度観ても変わることはないですよ。」
眼鏡でダウラの鑑定結果を見たカリス・ローゼンは少しだけ興奮気味に言った。
「おぉ!実にいい!すごいですね。」
「まず、適性職が多い!」
「そして絶鎌。」
「君、オールラウンダーとしてはかなりの潜在ですね!」
「素晴らしい!!!」
その後、何やらぶつぶつと独り言を喋っている。自分の中で整理でもしているのであろう。
そしてこの時にヒイラギは気にかけていたことに対しての答えを出していた。
カリス・ローゼン。
この男は、善か悪か。
否。この男は好奇心の塊なのだと。
向けてい愛の場所が知識や未知といったものなのだと。
ヒイラギのこの答えは実際合っていた。
カリス・ローゼンは知識欲の塊を体現したような人間。
暇があれば知識を吸収しようとする。
簡単に言えば"究極の知りたがり"だったのだ。
「ダウラ君。ありがとう。」
「君はまだまた伸び代がすごい。頑張ってくれ。」
「では、リリィ君。お願いできるかい?」
ムスッとした顔。不機嫌を振りまいてリリィは返事をする。
「分かりました!ですです!」
そんな、あからさまに不機嫌なリリィには構いもしない。
彼が気になるのは鑑定結果だけだ。
手をかざすリリィ。
そこに浮かぶのは賢聖の二文字。
「くっくっくっ。」
小さな声で不気味に笑う。
「オルトロス討伐戦の話。」
「君が使ったという重力操作の並列。」
「話では理解はしていたよ。疑ってさえいた。」
「しかし!これで疑い様が無くなったよ!」
「賢聖だ!確かに賢聖の二文字だ。」
「新たなる魔導の道が開かれるよ。これは。」
「リリィ君。都度、報告書には君の使用した魔導を頼むよ!」
そんなカリス・ローゼンに対してリリィ。
大胆不敵にもあっかんべをして、ヴァルカスの後ろに小走りで逃げていく。
えっ?どこの可愛い生き物ですか?
しかしされた当の本人カリス・ローゼンはそんな事など気にしていない。
またぶつぶつと呪文でも唱えているかのように自分の世界に入り、整理をはじめた。
「さぁて!ヒイラギ君。君の番だ。」
ヒイラギの手元が少しだけ揺れる。
「ああ。いいだろう。」
手をかざすヒイラギ。
カリスの目に映った文字。
【光・魔導師】
ぷるぷると身体を震わせてカリス・ローゼンが叫ぶ。
「実に興味深い!!!!」
「新しい職業ではないか!!!!」
「やはり、やはり、やはりやはりやはり!」
「君は、ただの魔導師なんかじゃなかった。」
「僕の読みは当たっていたようだ!!!」
「もう、いいか?」
「ああ!ありがとう!!」
「君も、リリィ君同様。報告の時には頼むよ!!!」
少し嬉しそうに見えるゼノが言う。
「カリス・ローゼンよ。それぐらいでよいのではないか?」
「ええ、総司令。」
先程とはうって変わって、初めに見た時のカリス・ローゼンの姿があった。
恐ろしい程にオンオフのスイッチが早い。
「ハッハッハ!!!」
「これは、とんでもないパーティーが誕生したなー!いいことだ!!!」
相変わらず、ノースという男は豪快だ。
____そこからは、和気あいあいとした会議となった。
ヒイラギの神威の纏い方。
グロリオサの処遇。
ただ、ヒイラギとヴァルカスはシーシャに対して警戒を解くことはなかった。
そしてシーシャもまた、それを知ってかリリィにちょっかいをかけては来なかった。
「喰えない子たちだねぇ。」
シーシャはそんな様な言葉をこぼしていた。
そして翌日。
ギルド本部並びに全ギルド支部の掲示板にとある、内容通知が貼り出されていた。
____________________
《特別昇格通達》
シブルク支部所属
クリムゾン・グロリオサ
ヒイラギ BランクよりSランクに昇格
ダウカスダーラ CランクよりAランクに昇格
リリィ・アルブム CランクよりAランクに昇格
クリムゾン・グロリオサ
CランクよりAランクに昇格
特別昇格理由
魔祖四厄災 オルトロス 討伐による功績
ギルド本部総司令 ゼノ・バランタイン
____________________
そしてグロリオサには。
指名依頼が来ることとなる。
読んでいただきありがとうございます。
感想やレビューもらえると
めちゃくちゃ喜びます。
拝読いただきありがとうございました。
では、また次回。




