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そして『器』を奪われた俺  作者: 深爪 みなみ


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ep.36 Aランク②

じっとりとした空気が流れる。


この場にいる誰もが知っている。


この空気を作り出している張本人を。



「リリィちゃん。」


椅子に仰け反りリリィを舐め回すように直視しているシーシャが口を開いた。



【シーシャ・ポルガノーズ】

クマコ支部 ギルド長にして現役のSSランク冒険者と活動をしている。

職業がこれまた特殊で、夢幻導師。

幻覚や幻聴を巧みに扱う。敵に回したら厄介な職業だ。

そして、ダヴル。



「私の話を聞いて欲しいの。聞くだけでいい。お願いなんてしない。」


リリィは返事をしない。

頷く事もしない。


「私のパーティーに来ない?」




ヒイラギの身体の周りでバチバチと音が鳴り始める。

あの時のオルトロスのように。

おそらくだが、神威を身体の周りに纏っている。



神威を放つ事なく纏う。



そして、また。まただ。


笑っている。



「おい、リリィはグロリオサだ。」

「我にこれ以上言わせるな。」

「分かったか?」


数秒の沈黙の後にシーシャが口を開く。


「分かった。分かった。」

「取らない。取らない。」

「冗談だよ。」


両手を上げる。


そうは言ったがシーシャは恐らく本気だったであろう。


「ヒイラギ、もうよいじゃろう。」


ゼノの言葉には優しい温もりが感じられた。

表面上は。

明らかにヒイラギに対する威圧だった。


その辺で止めておけ。ヒイラギにはそれがしっかりと感じ取れたのであろう。


「ああ、すまない。失礼した。」



「ハッハッハ!!!」

突然の大声。

「そうかい!嬢ちゃんダヴルか!」

「そりゃ納得だ。」

「ハッハッハ!!」


その後、カリス・ローゼンがこれまでの話を淡々とまとめて話をしていた。


カリス・ローゼンの話が終盤に入った頃。

彼は急に立ち上がり話しながら机の周りをぐるぐるし始める。


そして、ヴァルカスとヒイラギの間に入りこう告げた。


「私はね、納得していない部分があるのですよ。ヒイラギ君。」

「君の職業。剣士から魔導師へと変更。これは、まぁ良いでしょう。」


そして、カリス・ローゼンはグイッと顔をヒイラギの目の前に持ってきて言った。

「君、本当にただの魔導師ですか?」


「あ?」


ヒイラギも目を離さない。

むしろその至近距離でも睨みつける。


「まぁ良いです。明日、職業鑑定をしましょう。そうすれば分かる事だ。」

「いいですよね?総司令。」


「まぁそうじゃの。もしかしたら凄い職業かもしれんしの。」

「許可をしよう。」

「時間も時間だ。今日はここまでにしておこうかの。」


そう言ったゼノ。

辺りは既に夜だった。


王都でも萌芽色の月が輝く。


一日目の会議が幕を閉じた。





──────会議二日目。


この日の会議は午前はギルド内部の事を話し合うとの事で、グロリオサの面々は昼からの参加となっていた。


早めの昼食を取っている3人。


「ヒイラギさん!」

「私はあの眼鏡の人とマーシャさんのお姉さん。嫌いですです!」

随分と興奮した様子でリリィは怒っている様だ。


「まぁまぁ、リリィさん。」

リリィを宥めることが随分と板に付いてきたね。ダヴラさん。


「リリィ。我もだ。」

クスっと笑うヒイラギ。

「きっと、幹部連中は変わった奴が多いのだろう。そういう奴じゃないと、その立場は務まらないのかもな。」


暖かい日差しが降り注ぐカフェの席。

ヒイラギの職業が何なのか。

言葉こそしないものの。リリィ達も気になっていることであろう。




──────





「くるぞ!くるぞ!」

「やめてくれよ!頼むから!」


バンっ!と扉を開け放つヒイラギ。


「ほらな。」

「俺はそんな乱暴な扉の開け方はしないってーの!」

「お母さんに習わなかったのか?扉は静かに開けなさい!閉めなさい!って。」

「ったく。。」

とんでも妄想しかしないと思っていたのに。

そういう所はちゃんとしてるんだな。宮下よ。





「失礼する。」


「待っていたよ、ヒイラギ君。」

両手を広げグロリオサを迎え入れるカリス・ローゼン。

何かを企んでいるのか。

彼は善か悪か。いや。

善とか悪とかではなくそういった性格なのかもしれない。

今はまだ分からない。




グロリオサにとって、いや。

ヒイラギにとって正念場となるかもしれない、2日目の幕があがった。

読んでいただきありがとうございます。


感想やレビューもらえると


めちゃくちゃ喜びます。


拝読いただきありがとうございました。


では、また次回。

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