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そして『器』を奪われた俺  作者: 深爪 みなみ


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ep.3 ダウカスダーラ

ヒイラギの足元にひれ伏す様子の深紅の髪の男。

───異形。




「我が主よ。私は貴方様を待っておりました。

どうかこの身滅びるまでおつかえしたいと思います。」

声は震え、感動を通り越したかのような振る舞い。


崇拝とはこの事か。


先程までの悪魔の所業とはうってかわって、見事なまでの忠誠。

この一瞬で態度だけでなく、感情すらもひっくり返してしまう。


____深紅の髪の者がヒイラギを。

いや、ゴミ同然に扱うはずの冒険者を

のみこもうとしたときにそれは現れた。




アニマだ。




アニマことヒイラギは深紅の髪の者と目を合わせた。


ただそれだけ。

だだそれだけで宮下では何年かかっても到底敵わない相手を屈伏させたのだ。



圧倒的な力。支配力。



その力が何なのかを宮下は知る術を持ち合わせていない。

むしろ全てを奪われパニック状態だ。



しかし、傍観することができる。

それは、宮下にしか出来ない。

いや、宮下だから出来ることなのかもしれない。




ヒイラギが表情ひとつ変えずに口を開く。


「お前、名は?」


顔すらあげぬままに深紅の髪の者が答える。


「名前など貴方様の前では名乗るに至りません。」


ヒイラギの眉がピクリと動いた。


「お前、我を......侮辱するのか?

我ごときには名を名乗る価値もないと?」


空気が張り詰める。



先程、目を合わせて感じた感情。

それとはまた違うもの。

深紅の髪の者が一度も感じたことが無かった感情。





恐怖。





しかし深紅の髪の者はその感情を抱きなからも続ける。


「大変失礼いたしました。」

「貴方様に仕えたい。その一心で

欲が出てしまいました。」

「名前を頂戴したい。愚かな考えをしてしまったわたくしめをどうぞお殺りになってください。」


どこはかとなく震えているようにも見える深紅の髪の者。



迷うことなく鋭い眼でそれを見つめ続けるヒイラギ。




沈黙が続く。




それに耐えきれなくなった深紅の髪のものが

顔をあげヒイラギと目が合う。



時間にして目が合うまでおよそ10秒ほど。

これまでに恐怖を感じたことはない者の

恐怖を感じる10秒。

果てしなく長いであろう。


目が合ったヒイラギは笑いながら話をはじめる。

無邪気な子供の様な笑顔で深紅の髪の者に話し始める。


「我はヒイラギ。我の思いつきでな、新時代を創造してみたいのだ。」

「お前、手をかせ。そして、名前をやろう。」

屈託のない笑顔で語るヒイラギ。



「ありがたき幸せ。」


安堵したのか涙を流しながらそう答える深紅の髪の者。



「なぜ泣く?面白いやつだ。」

「そうだな、お前の名は【ダウカスダーラ】。」

「ダウラ。今日からはそう名乗れ。」

「さて、新時代を作るぞ」



またしても屈託のない笑顔で語るアニマ。




____俺だったヒイラギを眺めるだけの宮下。

全てを奪われ、傍観することしかできない宮下の観察日記とでも言うべきか。



どれだけの時がたったか分からない宮下の心の声がどこからともなく聞こえた気がした。

読んでいただきありがとうございます。


感想やレビューもらえると


めちゃくちゃ喜びます。


拝読いただきありがとうございました。


では、また次回。

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