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そして『器』を奪われた俺  作者: 深爪 みなみ


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ep.29 ドロップ・リベレイション②

王都からの帰り道。


馬車を飛ばしてもらって走っているせいか、少しばかり揺れが強い。



「お前らデーモンズ・ドロップに関しちゃーしってるかぁ?」


「はいはーい!この前勉強したですです!」

元気な様子のリリィ。

ピンと手を伸ばして姿勢が良い。


「これから話すことは、冒険者でも上位ランクの一部とギルド本部と本部上層部、各ギルド長、そして支部の一部の物しかぁ知らねぇ事だ。」

「お前らだから俺は話す。」



ヴァルカスの口からドロップ・リベレイションについて語られた。


今回の件に関して本部に報告を入れたのはシュナとのこと。

ゴイモ谷から魔物が居なくなった為、それを疑う。

以前「魔族の雫」は魔物出現装置の様な物と説明したのを覚えているだろうか。

魔族がその雫を回収し融合。

雫ひとつひとつの力は弱いものの、融合すれば大きな力となる。

点滴穿石といったところだ。

故に、高レベルの魔族が大きな力を持った雫から、こちら側に来れるというわけだ。




「そのドロップ・リベレイションとやらがシブルクの街の近くで出現したと?そういうことか?」


「ああ、そーゆーこった。」

「まぁ今回に関しては小規模との報告を受けてるから、まぁ大丈夫だとは思うがなぁ。」




「ヴァルカスさん、それならば何故馬車の速度をあげているのですか?」


大丈夫だろうというヴァルカスの不安を煽るようにダウラは尋ねた。


「まぁ、万が一な、万が一だよ。」


何事も起きないでくれ。雫の小規模出現の討伐だけで終わってくれ。

そう言いたげなヴァルカスの顔は見た事ないほどに強ばっていた。





____時は同じ頃。シブルク西の街道付近。


「思った以上に数が多いな。」


「雑魚のクセにこうも数が多いとなかなか苦戦する。」


背中を合わせたラミラスとウィル。


「おい!お前ら喋ってねーでもうひと踏ん張りしてくれ!」

そう叫ぶゴードン。


直後、ドーン!と大きな音がなり土煙が上がる。


「きゃ、今度は何よ!」

驚いて声をあげたラミア。


「ウィル!オークキングよ!」

ユリエルが指を差し、顔をしかめる。




「おいおい、オークキングまでお出ましかよ!」

「指名帰りだってのについてねぇーなぁ。」

「お前ら!!ガーゴイルとオークキングは俺らがやる!あとは任せたぞ!」

「絶対に街に魔物共を近づけるなよ!」


ウィルの叫びに呼応する冒険者達。


「ぅおおおぉぉぉーー!!!」


一段士気が上がったようだった。




シルバーウイングとオークキングとの戦闘が始まった。


状況はシルバーウイング有利。

流石はAランクパーティーだ。


「ウィル!ラミラス!ヘイトは受け持つ!」


「ああ!頼んだ!」


ラミラスが指示を出す。

「ユリエル!バフを頼む!その後にデバフだ!」

「ラミアは俺らを援護してくれ!」

「ウィル、右から行けるか?」


「当然。左は任せたぞラミラス。」


「ああ。」


「行くぞお前ら!」

『オーケイ!!』






オークキング討伐。




夕方過ぎに発生したドロップ・リベレイション。

間もなく終わりを迎えようとしていた。


疲弊した様子のシルバーウイングの面々。他のB・Cパーティーも残りわずかの魔物を残すのみ。


「あと少しだ。みんな行けるか?」

全員に聞いたラミラス。全員が力強く頷く。



「ガーゴイル!あとはお前だけだ。」

ウィルが剣を突き出し最後の敵に言い放つ。


「ニンゲン、ナカナカヤルナ。」

「コレデハ、オレガ、オコラレテシマウ。」

「ダカラ、オマエラハ、カナラズ、コロス。」


「この状況でまだ悪あがきか?」

「俺達、シルバーウイングをあんまり舐めない方がいいぜ?」





瞬間。






轟音と共に大地を貫く様な剛雷。


ガーゴイルに向けて降り注ぐ。


閃光が辺りをつつむ。


何が起きたのか分からない。


その場にいた誰もが理解していない。


一瞬にして塵と化すガーゴイル。




ようやく目が慣れかけた時。


耳をつん裂く程の




咆哮。

読んでいただきありがとうございます。


感想やレビューもらえると


めちゃくちゃ喜びます。


拝読いただきありがとうございました。


では、また次回。

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