ep.28 ドロップリベレイション①
シブルクの街へと出発する夕刻より少し前。
白い団服を着て歩く3人の姿があった。
街の人々は皆、グロリオサに視線を送る。
視線の先はリリィが大半だ。
より洗礼された服のせいか、皆がリリィを見て振り返る。
この頃、もう間もなく会議が終わろうとしていたギルド本部。
そこでは8人の幹部が机を囲んでいた。
シブルク支部 ギルド長 ザッハ・ヴァルカス
トカカ支部 ギルド長 ノース・アルグラン
ビューヤオ支部 ギルド長 マリ・ルルナシア
ミミ支部 ギルド長 レーベン・バリオス
クマコ支部 ギルド長 シーシャ・ポルガノーズ
ギルド本部 フロア長 エミリオン・サガ
ギルド本部 本部長 カリス・ローゼン・タール
ギルド本部 総司令 ゼノ・バランタイン
突然、会議室の扉が開きギルド本部職員が入ってくる。
8人の視線はそちらへ注がれる。
「何事だぁ?会議中だぞぉ?」
ヴァルカスが怪訝な表情で問う。
「至急です!シブルク支部の西。街道で魔族を確認とのことです!」
「なんだとぉ?それは事実かぁ?」
ヴァルカスの顔が歪む。
「ええ、シブルク支部からの報告です。」
「おい!じじぃ!会議はやめだぁ!」
バンと机を叩き立ち上がるヴァルカス。
「ヴァルカスさん、1度落ち着いてください。」
眼鏡を上げながら、カリス・ローゼンが言った。
「あんたが今から出た所で間に合やしないんだからさ。」
長い髪をかんざしで束ねたシーシャが続く。
「そーですよ、ヴァルカスさん。ここは落ち着いて一旦、状況を整理しないと。」
ヴァルカスをなだめようとする、小柄なマリ。
「ヴァルカスさん!ジジイにじじぃ!だなんて失礼ですよ!あのジジイは一応総司令なんですから。」
ムスッとした顔のエミリオンが言う。
「ガッーハッハッ!違いない。エミリオンの言う通りだ!エミリオン、お前も大概だがな。ハッハッハ!」
笑い飛ばすノース。
「みんな、うるさいなぁ。」
ボソボソとレーベンが呟いた。
各々が好き勝手に喋る。
ゼノが神威を放つ。
敵意はないが少しの威嚇。
空気が凛とする。
「お前ら少し静かにせんか。」
「して、現状はどうなっておるのじゃ。」
場を制圧したゼノが若い職員に尋ねる。
「はい。シブルク支部から報告された情報を元に本部で推察した所によりますと、、おそらく、、雫の解放。」
「【ドロップ・リベレイション】かと思われます。」
一同の表情とともに会議室の空気が一変する。
「それで詳しい状況はどうなっている?」
またしても眼鏡をあげカリス・ローゼン。
ギルド職員がシブルク支部からの情報、そして本部でまとめた物を述べた。
朝からゴイモ谷に討伐クエストに出ていたDランク冒険者が数名。彼らが昼過ぎにはギルドに戻ってきた。
話を聞くと。討伐対象どころか、魔物が見当たらないとのこと。
おかしいと思い、シブルク支部ではドロップ・リベレイションを疑おうとしていた。
直後、西の街道で突然の雷雲発生。
それぞれ数十のウルフ、ゴブリン、オークが出現。
大群を率いているのはガーゴイルだという。
「それで、魔祖四厄災はどうじゃ。」
「確認は出来ておりません。おそらく今回のドロップ・リベレイションは小規模です。」
「そうかぁ。」
天井を見上げるように背もたれにもたれかかってヴァルカスは言った。
「現在、Cランクパーティー4、Bランクパーティー2、それと、Aランク シルバーウイングが討伐に当たっているとのことです。」
エミリオンが口を挟む。
「ヴァルカスさん、シルバーウイングって。
あの生意気なクソガキ共で対処出来るのですか?」
「まぁ、そーゆーなエミリオン。あいつら態度はあんまりだが、言ってもAランクだよ。」
「まぁーあいつらがいるなら、とりあえずは大丈夫そーだな。ガーゴイル程度なら倒せるだろう。」
「ならば会議はここまでにしとくとしようかの。ヴァルカス、今回の件。支部帰還後に報告頼むぞ。」
「ああ、じじぃ、わーったよ。」
雷雲立ち込める街道。
王都での夕日に照らされるグロリオサの3人。
「いい街だな。」
「ええ、そうですね。」
次はゆっくりとしたいと言いたげな2人。
「また来たいですです。」
それを言葉にしてくれたリリィ。
3人が今回のドロップ・リベレイションを知ることになるのは帰りの馬車のことだった。
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