ep.26 クリムゾン・グロリオサ④
相変わらず人並み外れた戦果をあげてくるグロリオサ一行。しかしながら受けている依頼はD~Fと低ランクなものばかり。
ヒイラギには何かしらの思惑があるのだろうか。
「リリィ、準備は出来たかぁ?」
「まってー!もう少しですです!」
「女ってのぁ、どーしてこーも準備に時間がかかる生き物なのかねぇー。」
ヴァルカスよ。全女子を敵に回したぞ、今。
王都 リシオ
シブルクの街より西へ行った所にある王都。
国の名前、リシオ王国がそのまま都市の名前となっている。
ここシブルクの街から王都へは馬車で半日ほど移動にかかる。
メシュの森林のやや北側にある街道を馬車でひた進む。
ダウラが問いかける。
「ヴァルカスさん。最近あの方々を見かけないのですが、シルバーウイング?でしたっけ?」
「ああ、あいつらか。」
「まぁ、ゆーてもAランクパーティーだからな。」
「指名依頼を中心に活動してもらってるんだわぁ。だから、ギルドではあんまり見かけねぇーんじゃねーか?」
「おい、ヴァルカス、指名依頼とはなんだ。」
「あれ?説明してなかった?」
すかさず元職員が説明してくれる。
「ヒイラギさん、指名依頼と言うのはですね。」
さすが元職員。淡々と説明をしていく。
少し難易度の高い依頼が来た時にパーティーを指名する依頼だとか。
この指名依頼はギルド支部でも受注して依頼を発行する事もある。それはB、Cランクに限りだ。Aランク以上の高難易度ともなると、1度、本部で精査して、適正パーティーをおよそ5つほど、ギルド本部及び各支部のS・Aランクパーティーからピックアップする。順に打診をして行く仕組みのようだ。
支部の場所が関係ないと言えば一概にそうではないが、依頼場所の位置により近くの支部からの派遣ということも無くはない。
しかし、基本的には支部の場所は関係なく、依頼に適したパーティーを派遣する。
その為、AランクやSランクパーティーは自然と遠征になることが増えるのだそうだ。
「ですです!」
「なるほど。なのでシルバーウイングの方々を見かけないのですね。」
「まぁそーゆーこった。」
「おい、ヴァルカス。我らにもその指名依頼とやらをやらせろ。」
ヒイラギはすぐ欲しがる。
「ヒイラギぃ。おめぇ人の話ちゃんと聞いてたかぁ??」
「お前らグロリオサは出来たてホヤホヤのCランクパーティーだって事を忘れたかんかぁ?」
「ああ、そうであったな。」
「ならば早くAランクにあげろ。」
ヒイラギには何をどう説明すれば伝わるのか。
皆がそう思ったであろう。
____陽も登りきった頃、ようやく一行は王都へと辿り着いた。
さすが王都。
シブルクの街とは規模が違う。人の数は多く、建物も大きく、階数もある。
なんといっても、商店の数に驚かされる。
武器屋、防具屋も何店舗もあり、他にも服屋、カフェ、パン屋、スイーツ屋、露店なんてのもある。
どこか、待ちゆく人々も気品を感じられるような気がする。
「ついたぞ。ここがギルド本部だ。」
「ほう、大きいな。」
「そうですね。想像していたよりも遥かに大きいです。」
見上げる程には立派な建物がそびえている。
「それじゃあ俺は会議があるから行くが、お前らはどーする?ちょっとぐらい寄ってくか?」
「いや、我らはよい。いずれまた、ここには来るだろうからな。」
「そうかぁ、それじゃー帰りは明日の夕方だ。それまで好きにやってくれや。」
「ああ、わかった。」
そういってギルド本部へは立ち寄らずに街へと繰り出すグロリオサ。
「ヒイラギさん、ヒイラギさん。」
「なんで本部に行かなかったのですです?」
「依頼の量なんかも桁違いですです。」
「リリィ、今回はヴァルカスからお前へのプレゼントで王都へ来たのだ。それだけだ。」
ニッコニコのリリィ。リリィに取っては今が楽しくて、新鮮で、なにより仲間の存在というのは大きいのであろう。
「そうですよ、リリィさん。ヒイラギ様の言う通りです。」
「それで?何の為に王都へ?」
モジモジしだすリリィ。
「あのー、実は、お揃いの物が欲しくてですです。」
「お揃いの物ですか。」
「はい。グロリオサのメンバーなんだ。ヒイラギさんとダウラさんと仲間なんだっていう証が欲しくて。」
「ダメですです???」
「うむ。よい。」
うむ。よい。
じゃねーーーーーんだよっ!!!
リリィちゃんがこーやって言ってくれてんだ!
褒めるとかしろよ!クソアニマが!!!
リリィちゃんとお揃いだぞ?お揃い!!!
喜ばない男がとこにいるってんだ!!!
まだブツブツ、ブツブツ言っている宮下。
今回ばかりは宮下、お前の味方になれそうだ。
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では、また次回。




