ep.23 クリムゾン・グロリオサ①
今日のギルドはやたらと人が多い。
2ヶ月に1度の昇格査定結果の日だからか。
査定を申し込んだ者がそれぞれカウンターへ行き結果を知らされるというもの。
混乱を防ぐためか、業務の一括管理の為か
受付嬢は2人体制で対応している。
さながら受験の合格発表に近い雰囲気を醸し出している。
ランクが上がり喜ぶ物。
ランク維持で肩を落とす者。
様々だ。
ちなみにだが、皆さんは覚えているだろうか?
リリィに絡んでいた輩冒険者。
世紀末ヒャッハー冒険者。
両名は降格処分としてギルド内掲示板に貼りだされていたようだ。ざまぁ。
一通り、今回査定登録を出した者達への対応が終わったのかシュナが一息つく。
「ふぅ、とりあえずって感じね。」
「ですね。けど、シュナさん。これ。」
「あぁ、あは、あは、ははは。」
「この3人がまだ来てないのよねー。」
「ですよねー。多方、ここに残ってる人達って?」
「まぁ3人目当てでしょうね。」
「ですよねー。」
その時、扉が開く。
全員の視線が注がれる。
「なんだぁ?俺の顔になんかついてるかぁ?」
「なんだ、ギルド長かよ。」
誰かがそう漏らした。
それ程までに3人に対する注目度は高いということだろう。
ヴァルカスの後ろからひょこっとリリィが顔を出す。
可愛さが爆発しているよ。あなた。
どうやらヴァルカスと同時に3人も到着したようだった。
「シュナ。頼む。」
先程までの騒がしさはどこへやら。
ギルド内は静寂に包まれる。
「お待ちしておりました。ヒイラギさん。」
「ギルドカードを。」
3人からギルドカードを受け取った受付嬢が更新の手続きを始める。
「ヒイラギさんは、DランクからBランクへ二階級昇格。」
「ダウラさん、アルブムさんはFランクからCランクへの三階級昇格となります。」
ギルド内がどよめく。
二階級昇格ですら珍しいのに、三階級昇格が2人もいるのだ。異例だ。
ざわめきが収まらないギルド内。
応援する声や尊敬の眼差し。
もちろんそれだけでは無い。
嫉妬、妬みといった声も聞こえてくる。
「まぁ、ここじゃーなんだ。パーティーについて話したいこともあるし、登録。するんだろ?」
「ああ。そうだな。」
いつもの様にヴァルカスの部屋へ向かおうとした時、1人の男が声を掛けてきた。
「おい。ヒイラギとか言ったな?」
「たかがBランクごときで調子に乗るなよ?」
「あ???」
ヒイラギの目が相手を鋭く睨みつける。
そこに居たのは、ここシブルク支部所属のAランク冒険者『ウィル・ベラズーラ』だった。
周りにも数人の冒険者がいる。
パーティーメンバーであろう。
シブルク支部所属Aランクパーティー
シルバーウイング
剣士 ウィル 槍使い ラミラス 魔導使い アミラ
重戦士 ゴードン 支援術士 ユリアス
この5人からなるパーティーだ。
「この街のAランクパーティーは僕らだ。」
「くれぐれもクエスト中にヘマをして、僕らが後処理をしなきゃいけないなんて事は勘弁してくれよ?」
「僕らの足を引っ張らないように、せいぜい精進したまえ。」
自分が1番かのように振舞い、ヒイラギ達を見下している。
周りの奴らもこちらを見てクスクスと笑っているようだった。
まぁ実際のところ、ランクだけで言えばこの、シルバーウイングがこのシブルクの街では一番のパーティーとなるのは事実だ。
めんどくさそうに口を割る。
「おい、ウィル、その辺にしておけやぁ。」
「いつも言ってるだろーが、冒険者同士、仲良くしろやって。」
「はいはい、分かりましたよ。ギルド長さん。」
「もう、行きましょ。こんなんに時間を使うのが無駄だわっ。」
アミラが言う。
「それもそうだな。」
シルバーウイングの面々は去っていく。
「ヒイラギ君。ウチのウィルがすまない。」
ラミラスがそうヒイラギに小声で伝えていった。どうやら1人はまともなのがいるようだ。
「ヒイラギぃ。よく我慢してくれた。」
「別に。」
「まぁ、とりあえず上にいこーやぁ。」
まだザワつくギルド内。
シュナも怪訝そうな面持ちだ。
部屋に入るやいなや
「何なんですか!あの人達は!!」
「ヒイラギさんの方が上に決まっているのですです!」
「お前が足を引っ張るな!って話ですです!」
ぷんぷんのリリィ。
「まぁまぁ、リリィさん。落ち着いて下さい。」
「ダウラ。」「ダウラぁ。」
「お前が落ち着け。」「お前が落ち着けやぁ。」
「ダウラさん、ダウラさん。」
「微力ですけど禍魂が漏れ出てますよ?ですです。」
「あぁ。これは失礼をしました。」
「まっ、とりあえずはお前らのパーティーの話しをしようや?なっ???」
「ヒイラギぃ、もちろんパーティー登録はするんだろぉ?」
「当然だ。」
「何から説明しよーかなぁー、、、うーん。」
「まずはあれだ。お前ら」
コンコン。
扉がノックされる。
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