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そして『器』を奪われた俺  作者: 深爪 みなみ


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ep.18 コア・インダクト②

時を同じくして会議室。



「リリィさん!ようやく!」

「今日から始まりますねっ!」


踊るような口調でダウラが言う。

おい、ダウラよ。なんか可愛いな最近。

そこのポジション目指してるのか?



「ダウラよ、少々気味が悪いぞ。」


しょんぼりしてしまうダウラ。


「冗談だ。」


クスっと笑うリリィ。



「リリィ。まずは、ヴァルカスの部屋に貼られている結界。あれと同じものを貼ってくれ。」


「音の、、、結界、、です、、か?」


「ああ、頼む。」


難なく無詠唱でやってのけるリリィ。




「さて、本題だ。」



ヒイラギの顔つきが変わる。

自然と背筋が伸びるリリィとダウラ。




「我は今から4つの大事な事をお前に伝える。」

「難しいかも知れないがしっかり聞くのだ。」

「いいな?」


「は、はい!!!」


「いい返事だ。」


「まず1つ。」


突然、リリィのアイドロン・シースを解くヒイラギ。


ヒイラギは淡々と語り出した。


どうやらリリィに掛けているアイドロン・シース。それほど魔力は使わないものの、その術を発動している間は微量ながら意識がそこに向かってしまうとのこと。


そこで、ヒイラギは術式を再構築し、アイドロン・シースそのものの在り方を変えたのだと言う。



そして再構築したアイドロン・シースをリリィのブレスレットへとかけた。




「これで、お前は何時でもお前のタイミングで見た目を変えることが出来るようになったはずだ。」

「何でもいい、お前の中で置き換えてみるのだ。」

「今の姿をオフ。」

「冒険者としての姿をオン。としてな。」


リリィは即座に理解をしたようだ。

やはり賢い。

それをいとも簡単に使いこなして見せた。

これにはダウラも驚いている様子だった。



どうやらリリィが父から貰ったブレスレットは父の思いが込められた結果、魔導具並の力を持ったようだった。

故に、それを可能にしたとのこと。

僅かながらにブレスレットから流れ出る魔力、いや、想いの断片をヒイラギは感じ取っていたのだろう。



リリィは知らないがダウラにも同様の事が成されている。


この1週間で得たクエスト報酬。

それで購入した魔導具。

ダウラの足に着いているアンクレットがそれだ。




「次に2つ目だ。」


「は、はい!!!」


冒険者として最初にやるべき事。をヒイラギは淡々とはなしていく。


支援魔導師としての自分がどれほどの術を使用出来るかの把握。

討伐クエストを行う際のリリィのポジション。

ヒイラギとダウラとの連携確認。撤退の見極め。

支援魔導師は後衛だ。故に、指揮官としての実力を付けていくこと。

当面の指揮はヒイラギが取ること。



リリィは真剣な面持ちでメモを取っていた。

この子の頭にメモなど要らないはずなのに。

そしてダウラよ。また首を痛めるぞ。




「そして、3つ目。」

「ここが1番重要だ。」


ゴクり、と唾を飲むリリィ。



「先に言っておこう。」

「ヴァルカスには許可を取ってある。」


大量のハテナのマークが浮かんでいるであろうリリィ。

あの時の様にリリィの頭に手を乗せるヒイラギ。


「ダウラ。お前も我の肩に手を置け。」


「はい。ヒイラギ様。」

これでダウラにも聞こえるということだろう。




「『こうしないとお前ら2人と喋ることができぬからな。』」

「『2人ともダヴルについてはある程度理解はしておるな?』」

「『ダウルの発現。ダヴルの覚醒。』」

「『そしてダヴルへの昇華。』」


「はい。」『ええ。』


「『それを踏まえた上でお前らに問う。』」

「『まずは本格のリリィ。』」

「『お前はどうしたい?』」


「わ、、わ、私は、、、」

「ま、、、まずは、、、覚醒。」

「そ、その域に自分を、、た、、たか、、

高めて、、、リリィちゃんの、、ち、、ち、

力を借りたい。、、です。」

「そして、、、ゆ、、、ゆくゆくは、、、」

「ダウル、、、、。」

「リリィちゃん、、と、、、冒険が、、、」

「したいです!!!」




言えた。


ちゃんと言えたんだ、私。





少しだけ、少しだけリリィの瞳は潤んでいた。


パチパチと拍手をするダウラ。

ダウラなりの敬意であろう。




「『うむ。わかった。』」


目を閉じているヒイラギ。

だが口元だけはどこか微笑みが見える。




「『では、他人格のリリィに問う。』」

「『お前はどうしたい?』」


『前も言ったように、私は内側からリリィを見てきました。』

『だから、リリィが望むなら。』

『私の力を引き出して欲しいです。』

『私の力を使って欲しいです。』


「『ほう?それは本当に本心か?』」


すすり泣く声が聞こえる。


「リリィちゃん?」


『、、、、、、』


『、、、、、、』


「『それが本心かと聞いておる。』」


『私は、、、』

『私は、、、』




『願いが叶うのなら!』

『今すぐにでも!!!』

『一緒に冒険がしたい!!!!』


泣き叫ぶリリィ。共に泣くリリィ。


「リリィ、、、ちゃん。私もだよ。」



「『その願いかなうとしたら??』」



「!!!!」『!!!!』


驚く2人。


「『我は新たなる術を構築した。』」



「『【コア・インダクト】』」


「『器への誘引』」


「『つまりだ。

本格であるリリィの元にある器。ここに他人格であるリリィを誘引し、融合する。』」

「『まぁ少しばかりやり方は強引ではあるが問題はない。』」

「『ダヴルの暴走を食い止める術式も組み込んである。まぁお前らには必要はないと思うが。』」


「ヒ、、ヒイラギさん!」


「『なんだ??』」


「コ、、、コア・インダクトを使用したら、リリィちゃんは?リリィちゃんは、、い、、居なくなって、、、しまう、、のですか??」


「『居なくならない。共存だ。

お前らは今まで通り会話も出来る。』」

「『そして、ダヴルへの昇華。リリィの能力は格段にあがるであろう。どの程度かは我にもわからん。』」


「リリィちゃん!」

『リリィちゃん!!』


「『我は先に申したぞ?』」

「『ヴァルカスの許可は取ってある。』」

「『とな。』」



先程までの泣きっ面はどこへやら。

瞳は輝き希望に満ち溢れている。


「『お願いします!!!!』」




「『いい返事だ。』」






「『コア・インパクト』」







辺りが光に包まれる。


リリィ。ダヴルへの昇華。





「リリィ。4つ目だ。我と共に来い!」





「はいっ!!!!」




シブルクの街の大時計の鐘が鳴り響く。



Dランクの「魔導師(仮)」

Fランクの「絶鎌」

そして

新米冒険者「支援魔導師(賢聖)」




3人の門出を祝うかのように。


読んでいただきありがとうございます。


感想やレビューもらえると


めちゃくちゃ喜びます。


拝読いただきありがとうございました。


では、また次回。

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