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そして『器』を奪われた俺  作者: 深爪 みなみ


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ep.17 コア・インダクト①

コンコン。


「は、、はぁーい。」


キィー。


ドアの向こうには少し緊張した面持ちのリリィ。

白い修道服のような装束。

綺麗に青色のラインが施されている服を身に纏っている。可憐という言葉がしっくりくる。


その瞳からはこれから起こる事への希望。

少しの不安。新たなる未来。

そんなものを感じさせるようにしっかりと前を向いていた。



2人の冒険者がリリィの部屋を訪れていた。


これまでは序章にすぎなかったのかもしれない。

ここから物語は加速していく。




ギルドへ向かう3人。


街ゆく人々の視線が降り注がれる。


「ヒ、、ヒイラギ、さん。」

「わ、わ、わたし、、凄く、、見られてる、、、、気が、、。」


「ああ、見られているな。」

「まぁ、安心せい。敵意を持った者はおらぬ。」





おいおい、そーゆーことじゃねーだろ、お前!

誰もが足を止めて見惚れてしまうほどの美女と歩いてるんだぞ??

自覚をもってくれ!

あぁ、何故俺がそこにいないのだぁ。

リリィちゃぁぁぁん。


泣き崩れる宮下。少し可哀想にすら思えてきた。



ギルドに入っても状況は変わらない。

朝の人が少ない時間を選んだとはいえ、皆の視線は3人に釘付けだ。

もちろんリリィを中心に視線が注がれているのだが。

ぶっ飛びお二人さん。あなた方もだよ。



「ヒイラギさん?そちらの方は?」


シュナよ。流石のシゴデキかよ。

リリィのことなどまるで知らないかのように振る舞う。



おや??


少しプルプルしている??




あぁ。わしゃわしゃするのを我慢しているのか。

それに気付いたダウラがクスりと微笑む。




「新規冒険者登録を願いたい。」


「かしこまりました。では、こちらに記入を。」


リリィは少し照れた様子でシュナを見つめる。


それに気付いたシュナ。

パチりと目配せをする。

大丈夫だよ。と言わんばかりに。


そこへ、偶然と言わんばかりにヴァルカスも現れる。

まぁ娘のように可愛がってきたリリィの門出だ。親心としては、放っておけないであろう。


「シュナぁ。この書類なんだがぁ、、、」

「おっと、冒険者登録かぁ?」

「わりぃ、わりぃ。」


クスりと笑うリリィ。


「ご記入ありがとうございます。」

「アルブムさん。ですねっ。」

「次に職業適正を見させてもらいますねっ。」


おおかた、支援系統のどこか。無難に支援術師。良ければ上級職の支援魔導師といったところ。

理想は赤文字。賢者ではあるだろうが。

と、ここに居合わせた皆が思っていたであろう。

ただ、1人を除いては。




シュナの眼鏡に浮かぶ金色の文字。





【賢聖】




「アルブムさん。」

「1番の適正は上級職・支援魔導師ですよ。」


聞こえていた他の冒険者数名から拍手と歓声が沸き起こる。


「その職業でよろしかったですね?」

「大体書き終わっていますので職業の欄はこちらで記入しておきますね!」

矢継ぎ早にシュナが手続きを進める。


「????

あ、、ありがとう、、、ございます。」



「それではこれからギルドカードを発行して、、、、、」

「あれ?、、、、あれ?」

「おかしいな??」

「故障かな????」

「アルブムさん。申し訳ございません。」

「少し機械の調子が悪いようで、、、、」

「ギルドカードの発行に少しお時間頂いてもよろしいでしょうか?」


慌てふためくリリィ。

君は何にも悪いことしていないよ?


「ふむ。そういうことなら。」

「ヴァルカス。」


「あぁ?なんだぁ?」


「ちと部屋を借りるぞ。作戦会議だ。」


そう言ってスタスタと歩いていくヒイラギ。

ダウラとリリィも後に続こうとしている。


「ヒイラギぃ。悪いが今俺の部屋は使えねぇんだわぁ。隣の会議室を使ってくれねぇかぁ?」


「ふむ。わかった。」






3人が居なくなったことを確認したシュナが大きく息をはく。


途端、ヴァルカスに詰め寄り小声で話す。

「ヴァルカスさん!今すぐ部屋に!」

「金です!」


「なんてぇ?」


「だからー!き・ん・で・す!」


もはや出ているのか分からない声で喋る二人。


大きく目を見開くヴァルカス。




「あー、シュナ!そうだ!」

「本部から書類が来ていた!急ぎの書類でな!あれを精査したいのだが、今から少しだけ時間いいか?」


「分かりました!急ぎなら仕方ないですね!

受付の仕事もあるので直ぐに精査しましょー!」


空回りがすぎるぞ、お前ら。

幸いにも周りにはその様子は悟られてはいないようだ。


そそくさと逃げる様にギルド長室へと向かう二人。





向かう二人。キリっ。

じゃねーんだよ!

チート増えてんじゃねーか!

しかも可愛いときたもんだ!

あぁリリィちゃん。あぁリリィちゃん。

リリィちゅわぁーーーーーーん。

黙れ、キモ下。キリっ、を訂正しやがれ。


おっと失礼。





バァン!!と扉を閉めたシュナ。



「シュナぁ!金色って、職業は?」


「賢聖ですよ!賢聖!!!」


「賢聖?!?!?リリィがか??」


「そうですよ!リリィちゃんがですよ!」


シュナの手には2つの物が握られていた。

職業欄には既に賢聖と書かれた冒険者登録用紙。

もうひとつは発行済のリリィのギルドカードだ。


「ヴァルカスさん。あれ。出してください。」

「あれを使う時は今しかないです。」


「あぁ、そうだな。」


少しだけ落ち着きを取り戻してきた様子の二人。


机からペンを取り出す。

そのペンには神なのか天使なのか。

彫刻の装飾が施されている。

魔導具であろう。


ペンを受け取ったシュナが空中に文字を綴る。




支援魔導師



その文字を手に取り。

それぞれの賢聖の上に貼り付けた。


同時にペンが灰となって消えていく。




落ち着きを取り戻したヴァルカスとシュナ。



「リリィが賢聖とはなぁ。」

「驚いたぜぇ。」


「私が1番驚きましたよ!なにせ文字を見たのは私なんですから!」


「まぁそーだな。」

クスりと笑うヴァルカス。


「しっかし、今日から、やっと。」

「自分で覚悟決めた道を歩もうとしてるやつに、、、、」

「、、、、、、、、」

「ちぃーと荷が重すぎるなぁ。」

「これじゃあ、プレッシャーで押しつぶされちまう。」


「ですね。私の判断は間違ってはなかったかと。」


「あぁ。いい判断だ。」

「シュナが担当で助かったわ。」


ふぅーーーっと息をつく2人。

言葉では交わしていないが、最高機密。

お互いにそういう認識で間違いない。

今はまだ。というだけのこと。


「なぁ?シュナぁ?」

「ヒイラギには伝えとくべきだとは思うんだがぁ、お前はどぉー思う??」


「それで問題はないかと。」

「ただ、、、、」

「時が来るまでは、リリィちゃんに明かさない事を約束として。ですかね。」


「そうだなぁ。」



先日同様、埃の被った箱のタバコに火をつけ、外を見つめるヴァルカス。


「ヴァルカスさん。辞めたはずでしょ?」


「いーんだよ。今日だけは。」


「この前も吸ってたくせに。

読んでいただきありがとうございます。


感想やレビューもらえると


めちゃくちゃ喜びます。


拝読いただきありがとうございました。


では、また次回。

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