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捨てる神に拾う神  作者: たま


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3/10

3

「防衛省の杉下です。よろしくお願いします。」とエリート官僚が実彩子に丁寧に挨拶に来た。

「こちらからご挨拶に伺う前にわざわざありがとうございます。私などに務まるかどうか分かりませんが、精一杯やらせていただきます。」と頭を下げる。

前任から、杉下さんは腰の低さと裏腹に無理をねじ込むタイプなのでダメなものはダメと言えとアドバイスを受けている。

「あくまで個人なのですが、女性担当は実彩子さんが初めてなんです。良かったら今夜歓迎会をさせて貰えませんか?」本当に大胆だ。シュッとした顔立ちと品の良い物腰とは裏腹に軍人らしさも感じる。

「申し訳ありません。今夜は衆議院事務の方で歓迎会がありまして。そちらの幹事をやっているのです。

また日を改めて?よろしいですか?」と背の高い杉下を上目使いで見る。

実彩子は上司や年配に甘えるのも得意だ。

圧倒的男社会で男を敵に回すタイプではなく、ホステスか?ってくらい気配り気回しするタイプだ。

父が早くに亡くなってるのも利用して相手の父性本能を刺激する。飲みにも強く、いつも倒れた人を介抱したり送ったりする立場だ。

「断られると思いましたが、良いんですか?日にちは実彩子さんに任せますよ。うちの希少な独身組で飲みましょう。」と手を掴んでブンブン握られた。

そうなのだ。各省庁で大臣に付き従い国会まで出向くのは、選ばれし官僚だ。やはり年長者が多い。

なので独身で国会入りに随行してる官僚は希少なのだ。

実彩子は携帯ですぐに料亭チェックをする。

この時期は各々の日程より、個室を料亭に取る方が大変なのだ。特にカジュアルで随行メンバーが気軽に寄れる個室は少ない。

「若い人が多いならバルの個室でも良いか?」と予約で埋まるカレンダーを眺めながら練る。

経歴を下調べしたら杉下は学生時代フランスに留学してる。なので日本人だが、こういう誘いに慣れているのだろう。

フレンチだと狙いすぎなのでスペインバルとかが良いかもしれない。

ヨーロッパはバカンスが長いので、結構国を越えて長期滞在するのが普通だ。スペインやギリシャが人気だと聞いている。

こういう所も彼氏に嫌われた所だ。

まあ、もう関係ないが。

「今日の歓迎会の店、後で電話入れておかないとね。」どうせ元彼は来ない。こういうのに来ないのだ。

行かないと返事もしないでドタキャンの電話すらしないで欠席する。

すでにそれを注意する職員もいない。

本当にカスのゴミなのだ。

それでと付き合い続けた実彩子がバカあほなのだ。

どうやって実彩子の後輩と仲良くなったのか?

全く気付かなかった。

今は後輩も産休に入ってるし。

伸び伸びとやらせて貰おう。


新卒と一緒に2人目の参議院からの事務官が異動して来た。

ガタイが良くて爽やかな好青年だ。

「問題ありそうに見えないが…なんで追い出されたんだ?」と疑問に感じながらお酒をつぐ。

「僕が継がなきゃいけないのに!申し訳ありません。実彩子先輩。」と照れたように頭を掻いた。

「先に来た子が産休入ってるから心細いでしょ?大丈夫?木嶋君で良いかな?呼び方。」小首をかしげて聞く。

「いや、もう海斗(かいと)って呼び捨てして下さい!

研修で迷惑掛けると思いますがよろしくお願いします!」とハキハキと答える。気持ちの良い青年だ。

上司に彼が直属の部下になると聞いた。研修兼ねて一緒に働けそうで安心だ。

産休に入った後輩は、とにかく打たれ弱くて大臣のイヤミにすぐ反応してた。前の担当は女性大臣なので細かい部分に良く気がつく。それで叱責されたのをいつまでも引きづる子だったのでシンドかった。

事務官なんて大臣から見たら小間使いなのだ。

小言言われるのが、平常運転なのだ。馬耳東風を決め込むのが一番なのだ。

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