表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

私が幸せになってもいいのですか?

私が幸せになってもいいのですか? 後編

作者: 加藤 すみれ

「ナハト、君の家で彼女を預かっていてくれ。騎士団隊長の君の方が彼女を守れるだろう。」

「かしこまりました。」

「そういえばずっと彼女って呼んでたらなんですから、名前つけちゃいましょうよ!」

それから、陛下、ナハトさん、ラノアさんは必死に私の名前を考えてくれた。

「フェリシテなんてどうだ?どこかの国で至福という意味なんだそうだ。」

「フェリシテ...」

私は、泣き出してしまった。

ー私にも名前がもらえた。私はもう壊れないサタナージュ家のサンドバックなんかじゃない!ー

「ありがとう、ございます。私はフェリシテ、もうサンドバックになんてならなくていいんですね。」

フェリシテは涙を流しながらも、とてもいい笑顔で笑った。

「「ッ‼」」

その笑顔に三人の男性は心を打ちぬかれた。

「隊長、陛下、この子将来絶対に人気者になりますよ。」

「そうだな。」

ラノアと陛下はこそこそと何か話していた。

「フェリシテ、そういえば君は何歳なんだい?年齢によっては、君の婚約者を見つけておかないとだからね。今年で10歳くらいかい?」

陛下が尋ねてきて、フェリシテは慌てて否定した。

「ち、違います!私は16歳です‼」

「「は?」」

「え?こんなにもちっちゃいのにですか?え?まじで言ってます?」

ラノアが言った言葉にフェリシテは口をプクッと膨らませた。

「今までちゃんとした栄養を取ったことがないからです‼ちゃんと大きくなるはずですもん‼」

自分の体を見ながらいう言葉に男三人は笑顔になった。

「フェリシテ、君の体はまだ栄養を取らずにいられるかい?いられるのなら、サタナージュ家が国民の前で罪を明らかにするまでは、今の状態を保ってほしいんだ。」

「どういうことですか‼」

ナハトは大きな声を出した。

「落ち着けナハト、私も今すぐたくさんのものを食べさせてやりたいが、フェリシテはサタナージュ家の血縁者だ。国王を暗殺しようとした血縁者を側近や大臣たちが生きていることに何も言わないと思うか?」

「うっ、それは...」

「だから、フェリシテにはこのままの状態でサタナージュ家の罪を明らかにする時までいてもらい。この子も被害者なのだと知らせるんだ。そうすれば、少しは反発を抑えられるだろう?」

陛下は私を助けるために先のことまで考えてくれていた。

「ですが...」

「大丈夫です。」

「フェリシテ⁉」

「私は、サタナージュ家の一員だったなんて思われたくないです。だから、このままの状態で大丈夫です。」

そうして私は、サタナージュ家が裁かれるまではご飯はあまり食べることができなくなった。だが、前みたいに汚い隠し部屋が部屋ではなくなり、家事もしなくてよくなった。


そして、私はナハトさんの家に来た。そこは、大きなお屋敷だった。

「わぁ、大きい!」

「確かにそうだな。陛下が隊長になったんだからこのくらいの家に住めってここの土地をあたえられてな。」

ガチャッ

「「おかえりなさいませ、ナハト様。」」

たくさんのメイドや執事たちが私たちを出迎えた。

「そちらが、フェリシテ様ですね。私は執事長のアレンと申します。どうぞよろしくお願いします。そして私の隣にいるのは...」

「メイドのシリアと申します。フェリシテ様のお世話をさせていただきます。」

ここで働いている人たちには、先に私の状態やこれからどうするのかを伝えていたので、あまり驚く人はいなかった。

シリアさんに案内されるまま、私は屋敷の中に入った。

「確かにガリガリだとは来ていましたが、あんなにとは...しかもあれで16歳なんですよね?これは誠心誠意仕えていかないとですね。サタナージュ家とはこの世のクズですね。クズが裁かれるまできちんとした食事がとれないなんて、なんとおいたわしや。」

「あぁ、フェリシテには今までの分も幸せになってもらわないと。」

そんな話をアレンさんとナハトがしていたそうだ。


二週間後、サタナージュ家の罪が公表される日。

国民には、中央広場で王族から大事な発表があると張り紙を張って伝えてあり、住民全員が中央広場にいるか、スキルによる放送を聞くかに分かれた。

「これより、国王陛下によるお話です!」

国民全員が片膝をついた。

「皆の者!頭をあげてくれ!私はディルへイヤ王国国王、カーチェス・ディルへイヤだ。今回集まってもらったのは、私の命を狙い、多大な罪を犯したサタナージュ家を裁くためである。」

その言葉に、国民はざわついた。

「私は奇跡的に一命を取りとどめた。だが、サタナージュ家をそのままにはしておけない!なのでこうして皆の前で全ての罪を明らかにし、処刑する ‼」

その言葉に誰もが賛成した。カーチェス国王は、国のあらゆる問題を解決し、国民からの人気がすごいのだ。なので、その命を狙ったという、サタナージュ家の処刑を誰一人反対しなかったのだ。

「それでは、サタナージュ家の者たちをここへ!」

城の騎士たちがサタナージュ家の者たちを全員陛下がいるところへ連れてきた。

「陛下!急に何をなされるのですか⁉私たちはあなた様を毒殺しようとしておりません。何かの間違いです!」

「証拠は出ている、お前たちもナハトのスキルが魔力感知だということを知っているだろう?毒にはオルレアンの魔力が宿っていることが分かりました。これは、名の誓いによって確認済みだ。カーチェス・ディルヘイヤの名に誓って真実だと宣言する!」

陛下がそういうと、サタナージュ家の者はみな悔しそうな顔をした。サタナージュ家は、王を失脚させたいと思っている者の集まりだったのだ。

「チッ、名の誓いをされたか。だがな、俺達には人質もいるんだ。俺たちの屋敷には隠し部屋がある!!俺たちを解放しなければ、その少女は死ぬぞ!!ハハハハハ。」

「それは、フェリシテのことか?」

「は?」

「フェリシテ!こちらへ。」

呼ばれたので、私は陛下たちがいるところに行った。

「な!なぜお前が外に出ている!?隠し部屋に隠していただろう!?」

「フェリシテは俺の魔力感知で、見つけたんだ。」

ナハトさんは、私を守るように前へ出た。

「クソッ、ノコノコとついて行きやがって。お前なんて生ませなければ良かった。」

「サンドバックの癖に!!」

「あなたが不貞なんてするからでしょう。なんなのよ、名前まで貰っちゃって!!あんたなんか一生不幸でいればいいのに!!」

「クソッ、昨日もっと殴っていればよかった。クソみたいに殴って、動けないようにしてやれば俺たちの邪魔できなかったのに!!」

サタナージュ家の人達はずっと私に向かって暴言を言っている。

「すまない、こんな言葉をきかせることになって。だが、それも今日までだ。これからは、不幸な目には合わせない。」

「っ!ありがとうございます。」

陛下がサタナージュ家の前にでて見下ろした。

「そこまでだ。お前たちの最大の罪はここにいるものも察しがついているだろう。ここにいる者たちは、横領罪、人身売買、私刑、詐欺罪、謀反などの罪を犯している。そして、ここにいる妾の子だが、血の繋がった家族を長年虐待していた。この少女は名前を与えられず、毎日のように暴力を受け、ご飯を満足に食べることができなかった。フェリシテという名前は、騎士団団長のナハトがつけたものだ。ナハトがつけなければ、彼女に名前はなかった。このように、この少女は、この国のゴミ達に幸せを奪われていた!見ればわかるだろう!彼女こそが、サタナージュ家の一番の被害者だと!」

シュンッ ガンッ

「がッ!」

国民のひとりがオルレアンに石を投げた。その石が、当たったことにより、次々にサタナージュ家に意思が投げられた。

そうして、傷だらけになった。サタナージュ家は処刑された。フェリシテは、サタナージュ家の1番の被害者ということで、なんの罪にも問われず、ナハトの家に正式に引き取られた。

「これからは、ここに住んでくれ。もう君が、不幸になることはない。俺が君を守ろう。俺の名にかけて。」

ドキッ

「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」


2年後、貴族社会には超絶美人の女性がいるという噂が国で流れた。その人物の名はフェリシテ・ノーナン。騎士団長ナハト・ノーナンの妻だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ