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第3話 魔法の原理

 



 翌日となり俺は魔法学の授業を聞いていた。

「さて、今日の魔法学の授業は固有魔法についてだ。総司、固有魔法とはなんだ?」


 開始そうそう先生は俺を指名してくる。

 眠たいのがバレたのかもしれない。


「固有魔法とは一般魔法とは違い個人がもつ固有の魔法の事です」

 俺は教科書に書いてありそうな感じで答える。

「そうだ。固有魔法は同じ使い手がいないことがその特徴だ」

 先生はより詳しく説明してくれる。


「本来、魔法とは9桁の数字でできている」

 例えば、教室の電気を消したいなら199.667.386という数字が使われている。


「しかし、固有魔法は違う。桁数は無限にあり、数えることは不可能に近い。これは生まれ持った時に人間がもつ感覚的な数字があるからだと言われている」

つまり、発動に時間がかからない固有魔法は戦闘に非常に向いているということ。



「さて、今日はここまでにしよう。眠い人もいることだしな」

 担任の啓之助先生は俺の方を見ながら授業を終わらせる。

 別に俺だって寝たいわけではない。



「総司授業はちゃんと受けないとだよ」

 後ろの席に座る海斗が心配そうに声をかけてくれる。

「最近、疲れててな」

 最近は特に不眠症がひどくなっている。

 原因は言うまでもないだろう。


「どうせ、総司は仕事で忙しいのよ。仕事バカ」

 昨日の事をかなり根に持っているらしく、色葉は俺のすねを蹴ってくる。

「悪かったな、仕事バカで」

「事実でしょ」

 そんな様子を見て海斗が止めに入ってくれる。

「まあまあ。総司はKSSの研究者なんだから仕方ないよ」

「分かってるよ、それくらい」

 俺はKSSという魔法研究を仕事とする会社でも働いている。


 そして、これから早退して会議に出なければならない。

 日中は高校生と研究者として働き、夜はアンダーAとして計画を進める。

 だが、いずれはどちらかを選ばなければならない。

「じゃあ、行ってくるよ」

 俺は二人にそう言って教室をでた。




 ◆◆◆◆◆◆◆◆




「部長! 早くしてください」

 玄関には黒塗りの車が止めてあり、運転席には灰色のスーツを着た女性が座っている。

「南さん、悪いねいつも迎えにきてもらって」

 俺の所属するKSS魔法総合研究所の南優名みなみゆうな


「部長、昨日は仕事さぼったんですか?」

「いや、昨日は少し用事があってね。ささ、車出して。会議に遅れるから」

 俺は彼女を急かして車を発進させる。



 会議室に着くと、多くの研究者が席に座っている。

 この光景を見ると、昨日のアンダーAの集まりを思い出してしまう。


「さて、総司君が来たことだし、さっそく会議を始めようか」

 社長の言葉で会議が始められる。


 今日の会議の内容は我が社が開発する脳内チップのことだ。

 そもそも、人間が近代魔法を使えるようになったのはこのチップのおかげなのだ。

 脳内で記憶した9桁の数字を考えるだけで魔法が使えるのだ。


 そして今俺たちのチームが開発しているのが、魔法の自動入力。

 これは9桁の数字を暗記する必要をなくし、より魔法が簡易的に発動できる優れものである。


「この、自動入力型チップはいつ頃実用可能だね?」

 社長の問いに俺は現実的な日数を答える。

「だいたい、3ヶ月くらいは掛かります」

「そうか。ではその方向で頼むよ」

 社長のその言葉を最後に会議は終了する。


「やりましたね部長。さすがです」

「そんなに褒めないでくれよ」

 南優名は一言で言えば小動物のような人だ。

 年齢は俺の6個上の22歳。

 魔法科学大学を卒業後、俺のチームに入り部長補佐にまで昇進。

 仕事ができて、他の研究者たちからの信頼も厚い。


「部長、今日の打ち上げどうですか?」

「いや、今日はやめとくよ。まだ、未成年だし……」

 俺はせっかくの誘いを断り、帰路につく。

 それに、今日は重大なアンダーAの仕事がある。




「お待たせ、コロン」

 俺は自分より3分の1の身長しかない幼い少女に話しかけた。







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