表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/26

21.大きな声の出し方 《1/4》



これまでのあらすじ。

などと私は自分で整理する。


親友の昇華と宅飲みした私!


初めて飲むビールの味!


格上女子の部屋!


そしてバレバレの処女!


昇華のエロトーク!


そして明かされた!

昇華の秘密!



ー〝私は劇団ジャンクションで、マクは劇団ファンクションね〟ー




謎が解ける。

あの日、私にビラを配ってくれた

綺麗な人は、劇団ジャンクション所属だったのだ。



どおりで、こっちのサークルには

現れないわけだ。


あのビラの通りサークル棟に来て

1つしか演劇サークルがないと勘違いしていた私は・・・

迷わず、ファンクションへ行ってしまってた。




場面は切り替わる。

ここは鏡張りのトレーニングルーム。



「櫻子?知ってた?華大には演劇サークルがふたつあるんだよ!?」

興奮冷めやらぬ私は、櫻子に尋ねる。


「うん」



知ってるけど、何か?みたいな顔をしている。



「俺は迷ったんだよねー、ジャンクかファンクかさぁ」

茂木くんがそう言う。



「いや、茂木はジャンクションじゃないでしょ」と櫻子。

「そうかー?」


「えっ、なんか違うの?そのふたつって」



「まー。簡単に言えば、楽しくやれるのがこっち。こっちがコントなら、あっちはドラマをやりたい、そんな感じかな」



櫻子の例えはよく分からなかったけど

たぶん、昇華が所属するから、おしゃれな感じなのだろうなと私は思った。



「そんな事より、練習しよ〜ぜ」

茂木くんはやる気だ。



今日も台本を片手に読み合わせていく。

基本的には会話劇だから、大きな動きはない。


台本に集中すればいいから、

少しだけ恥ずかしさはないけど、先輩達が品定めするように私達を見ている気がして、緊張する。



何回も読んだセリフに対して

少しだけ感情を込めたり、読むスピードを変えたり

間を意識して喋ったりする。


凄い。


なんだろう。



楽しい。



ここはゆっくりしたほうがいいよな、とか。

こういう喋り方のほうがウケるな、とか。

きたきた、この台詞。

櫻子や茂木のこの台詞が好きだ、とか。



楽しい。



ト書きに従って演技するって言っても

例えば〝嬉しそうに〟って言っても

その表現方法は私次第だ。




これが、演じるって事なのだろうか。




「はい、一旦やめ」



鷹飛車監督が手を叩く。

達成感があったけど・・・

彼は嫌味な眼鏡を輝かせて、フィードバックを行なった。


「茂木。あまりにもおふざけすぎる。お前は給食袋担当なんだから、シリアスさも必要。櫻子。さすが経験者だが、ふたりに合わせた演技を」



「・・・そして幕間。ぜんぜんダメ」



上手くやれたつもりだったのに・・・



「棒読み。何より、声が小さい。別に今全力じゃなくてもいいけど、ここで声張れなくてどうする?マイクなんてつけないんだぞ。公演は客と演者の距離がある。聞こえないってのが1番ダメ。やる気ある?」




やる気ある?





やる気出してたとこだよ!





悔しくて、何も言えない。




私の中での出来ている、は。



受け手にとっては、出来ていない。



だった。



声が小さい。



どうすればいいんだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ