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01.スタートダッシュ 《前編》



ガヤガヤ。



大教室に集まる男女。

華型大学工学部のオリエンテーションが

この大教室で開かれようとしている。



私の名前は幕間まくま張子はりこ

19歳の女の子です。



趣味はアニメ漫画ゲームお笑い。



これでお察ししてもらえると嬉しいです。

そう、一軍女子とは程遠い

隅っこ女子です。



4月からの大学生活では

暗黒のガリ勉高校時代を葬り去り

大学デビューをするつもり・・・でした。


しかし、あ、はい。

これは失敗確定です。



工学部の男女比率は9:1で

圧倒的に男子が多い。

そんな中、女子は珍しいから

女子同士で集まっているのだけれど



私、その輪に入っていません!!!



[解説しよう!張子は男女問わず、コミュニケーション下手である!オリエンテーションが始まる前の大教室、同性を求めて席を選べば良かったのに、彼女は人と話したくないオーラを発しながら教室の後方へと逃げ込んでしまったのである!故に女子グループからそもそも認知されずに終わってしまったのだ!]



大教室の広報に座る私。

隣の席には地味な男の子が座っているけれど

一向に私に話しかけてこようとはしない。

スマホで娘を育成しているようです。



オリエンテーションを聴きながら

私は心の中で溜息をつく。



・・・頑張って勉強して

大学に入ったのに。

ただ、彼氏が欲しくて

一人暮らししたくて

この大学の工学部に入ったのに・・・


私、遅れを取っている・・・

いやいやでも腐るにはまだ早いよ、私。


4年間のキャンパスライフの

たった1日。

大丈夫!たぶん!



そんな事を考えながら

オリエンテーションが終わる。



誰とも話さずに終える

大学初日。

同じ学科の男子はおろか・・・

女子とも話せなかった私。




「こんにちは!演劇サークル!劇団ジャンクションです!」



下を向いていた私にスッと

サークル勧誘のチラシが渡される。

私は顔を上げる。


綺麗な女の人が

チラシを配っている。



「どう?興味ない?」



私は一目惚れしていた。

恋愛的な意味ではない。

この人はたぶん大学4年生だ。

凄く大人の雰囲気がある。

女性としての魅力がある。



・・・この人みたいになりたい。



見ず知らずの人に

チラシを配るなんて私には出来ない。

どうしてそれが出来るのかって

きっとこの人が綺麗で・・・



自分に自信があるからだ。




「え、演劇とかあまり」

お笑いは好きだけど、私は漫才が好き。

コントはわざとらしくて好きじゃない。



「大丈夫!慣れていくから!別に舞台に立つだけが演劇じゃないし!」

「えっあっはい・・・」



「夕方4時!サークル棟!そこで興味ある人集まってもらいます!来てね!」




演劇サークル。

私に出来るのかな。






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