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14.チーム転がる石! 《中編》


サークル活動が週1回というよりは

トレーニング室を借りれるのが週1ということで

チーム転石は次の日も集まっていた。


狭いサークル室に集まる

9人のメンバー。




「では、脚本を決める。各々が持ち寄ったものを読み回そう」




私はてっきり、脚本というものは

一から作るものだと思っていた。

もちろん、書く事も可能だけど、インターネットサイトから脚本を取り寄せるというのだ。


私は櫻子に教えてもらったそのサイトから

少しだけ脚本を探して、良さそうなやつを持ってきた。


各々が持ち寄ったそれを

回し読みしていく。



私の隣の櫻子が持ってきた脚本は

喫茶店に強盗が入る物語。

この前、エチュードでやったコンビニの拡張版だ。



茂木くんが持ってきたのは有名な童話を

ギャグ風にアレンジしたものだった。



先輩方の持ってきた脚本は

ファンタジーから、似通った強盗撃退物語や

どこか既視感のあるアニメみたいな設定のもの。



鷹飛車先輩が持ってきた脚本は

オチのよく分からない会話劇。



ひととおり、全員が読み終える。



「みんな、良いものはあったかな?」

監督である、鷹飛車先輩が尋ねると

先輩の1人が鷹飛車先輩の脚本が良いと

1票を入れた。



それに迎合するように

先輩方が票を入れ始めた。



私はすぐにわかった。

力関係、年功序列というやつだ。



個人的には、櫻子の持ってきたそれが

一番わかりやすいし、読んでて笑ってしまった。

みんな、コレを選ぶと思っていた。


鷹飛車先輩の持ってきたそれは

はっきり言って面白くない。

意味がわからないのだ。



「俺は櫻子のが面白かったなー」

茂木くんが櫻子に一票を入れる。

「わ、わたしも・・・」

それに乗っかる私。

「私は演じやすいと思って、これです」

櫻子も自分の持ってきたものに1票入れる。



「どうする?多数決?」

鷹飛車先輩はそういうが、その場合、既に決着はついている。

6対3だ。


「いいんじゃねー?」

小道具の先輩が適当に促す。



「だね」




おかしい。




文字に起こして分からない事を・・・


言葉だけで伝わるわけがない。



でも、多数決は多数決だし・・・



櫻子が声を発した。

きっと、彼女も同じ気持ちだ。

自分の持ってきた脚本となれば、尚更・・・

気持ちは昂っている。



「私たちが、演じやすい方が、良いと思うんですが」


「これもやりやすいでしょ。会話劇だし」

鷹飛車先輩の態度は気に食わない。

何より、監督だぞ、オレ。みたいな、態度が・・・

パーマでメガネのブス男!



「俺はこのお茶目な強盗役、演じてみたいな」

茂木くんが援護射撃。



「いやねぇ。でもさ、こっちの方が、道具も楽そうだ。そっちの脚本は衣装もセットも道具も大変じゃね?」



私は、何も言えなかった。

悔しいけど、意見する勇気がなかった。



「そうだな!新人の練習だし。会話劇の方が分かりやすいと思うよ」

適当な同意をする先輩が無能に見える。



隣の櫻子の顔は赤くなってて

脚本を持つ手が震えていたのを私は見ていた。



見ていただけで、何もできなかった。




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