12.日曜喪女改造計画 《後編》
モール内にある和食屋で少し並んで
私と昇華は昼を取る。
可愛く言えば、ランチ。
改めて向かい合うと、昇華の綺麗な顔立ちに
同性でも私は目を奪われた。
何ひとつ、化粧なんて崩れていない。
「昇華は汗かいたりとか、化粧崩れたりしないの?」
「何言ってるのマク。トイレ行くたびに直してるよ」
そういえば昇華は何度も化粧を直していた。
「すごいなぁ、昇華は・・・」
「マクちゃんは化粧品、何使ってるの?」
どきり。
その質問は出来れば避けたかった。
あまり得意じゃないし。ブスが化粧品語ってるって思われたくないし・・・
ただ昇華の前だから、ありのままを伝える。
安物のブランドだ。
「いいじゃん」
恥ずかしそうに言う私を昇華は肯定する。
そこから色んなアドバイスを貰った。
私の肌の色に似合うベースメイクはどうだとか
もうちょっと濃い色を抑えた方が良いかも、とか
あのブランドがおすすめ、とか
要は私の化粧がダメだって
やんわり言われている気がして
傷付いた。
ここでテンションを落としてしまうのが
私の悪いところ。卑屈な女。
「ごめん。マク。なんか上から目線になっちゃったかも・・・」
「ううん。。。大丈夫」
「ごめん!」
「昇華は、凄いよね。何でも知ってる。私、この大学に入るまで勉強しかしてこなくて・・・」
「マク。私は、マクに秘密にしてることが何個かあるんだ」
「え?」
話が切り替わるように昇華はにこやかにそう語った。
「私ね、浪人生なの。しかも、笑ってよ。2浪してココ。だからね、バイトしてて金あるし、化粧とかファッションだって、その間に頑張っただけだよ」
知らなかった。
2コ上って事!?
突然のカミングアウトに私はどうすればいいか
分からない。
「私からすれば、一発合格したマクは凄いと思う」
「昇華・・・教えてくれて、ありがとう。秘密。2コ上だったなんて・・・見えなかった」
「ちょっと!それどういう意味!」
なんて突っ込んでくれるから、私達は笑った。
「昇華はどうして、私に仲良くしてくれるの?」
「なにそれ?」
なんでそんなこと聞くの?
みたいな顔をする昇華。
教えて欲しかった。
答えを待つ。
「マクはさ、自分に自信が無いって言ってるけど、私にはマクは自分を持ってる人に見える」
自分を持ってる人。
「自信とは違うかもだけど、なんてゆーか、ポリシーみたいな」
運ばれてきた刺身定食。
「私が歳上ってのもあるかもしれないけど。学科の女子達が必死に友達の輪を広げようとしてるのが、滑稽に見えちゃったんだ。たぶん、それが正解なんだと思うけどさ」
「昇華。それ、違うよ。私はコミュニケーションが苦手ってだけで・・・馴染めなかったんだ」
「ふふっ。そうなの?」
「うん・・・本当はあの輪に混ざりたかった」
「友達は多い方がいい?」
「でもね、昇華がいるから、量より質かなって分かった」
「え、なんか。恥ずかしくない?この会話」
「そうだよね」
「マクちゃん」
「ん?」
「ありがとう」
なんだか、恥ずいね。
そう言って昇華は化粧を直しにトイレへ行った。




