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10.サタデーテレホン 《後編》



私の悪い癖。

人との会話を繰り返す。

そして自己反省会をする。


さっき会った茂木くんへの対応について

脳内のレコードが回転し続けている。

収録された音声が何度も何度も繰り返される。


どうすべきだったのか

何を話すべきだったのか

あと、言われた事も気になる。



どうして恥ずかしいのか。



恥ずかしいよ、そりゃ。


嫌な事を思い出す。

遡る事、中学時代。


その、授業で各々が1分間のスピーチをする

というものがあった。

座右の銘を自分で決め、喋る、というもの。



私はいろんな事を考えて

綺麗な文章を作った。

そして家で何度も練習した。



当日。



クラス40人程度の前で

立って発表すると決めた時。



緊張が襲いかかった。



目線はどこに向けて良いのか分からない。

皆の目が怖い。


私を品定めするような目。




最初から、声は震えて

小さくなった。



頬の筋肉が揺れていた。

涙目になった。

耳も赤くなっていたと思う。


でも、私は震えながら

涙を流しながら

全て言い切った。

頭に文章は入っていたから。




先生がフォローを入れてくれた。

立派でした。

最後まで諦めずに話せたのは凄い。

緊張してしまう人もいます。

それでも頑張った幕間さんに拍手!




私の発表は、私の発表の内容よりも

発表をした事に注目がいった。



何度も書き直したその文章の内容に

価値はなかった。



私はそれがショックだった。

その後、男子達は陰で私をアカミミと呼んで

揶揄っていた。



今思えば・・・大したこと・・・なんて思えない。

そのトラウマが私を内気な性格にさせた。



そんな嫌なことを思い出した。

それ以降、私は人前で話す事が

嫌いになった。


緊張してしまうのだ。

恥ずかしいのだ。



そんな自分を変えようと思っている。



分かってるけど

いつも弱虫な私が現れる。



昇華が背中を押してくれている気がするのに

私は前向きになれない。

どうしたらいいんだろう。



私は、昇華にラインを送ってみることにした。



[こんにちは。昇華は、緊張とかしますか?]



送って数秒。

既読がつく。

返信を待っていたら、電話が来た。

私は緊張しながら電話を取る。



「マクちゃん、悩み事?」

昇華の声はいつも通りだった。

「いや・・・その・・・」

「マクちゃんって自分からライン送るタイプじゃないよなーって。どしたの?」


「・・・」


「何かあった!?」



涙が出ていた。


陳腐なことだから

少し馬鹿にしていたこと。


それがいざ自分の身に降りかかると・・・

自分で体験して分かることがあった。




友達って。



友達って最高だ。





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