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どエルフさん  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
第二部第八章 鬼族の呪い
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第182話 どエルフさんと変換魔法

「くっ、ふはぁっ!! あぶ、危なかった!! もう少しであまりの衝撃に死んでしまうところだった!!」


「ティト!? よかった、なんとか堪え切れたのね!!」


「あぁ、熟女属性があるおかげで、なんとかなったらしい。ただ、あまり直視し続けるのは危険だ。飲み込まれてしまう」


 女エルフの陰に隠れるようにして女王陛下と相対する男戦士。

 老女の裸は、彼にとってあんまりにも刺激が強すぎるらしい。


 しかし、上着も着ずに下着一枚で玉座に座るとは。よっぽどそのスケベ下着に魅入られてしまっているらしい。


「この下着をつけたわらわは無敵じゃ。ふははっ、魔女ペペロペの力という奴かのう」


「やはり、その下着はペペロペの遺物!!」


「疲労腰痛肩こり、油っぽいものを食べたあとの胃もたれから、食べ過ぎた時の胃痛胸焼けに長く効いてくれるわ!!」


「――うぅん、なんと微妙な効果。やっぱ違うかもしれない」


 言ってる場合ですか、と、女修道士シスターが珍しく冷静にツッコミを入れる。

 教会の敵、ぺぺロペの登場に、彼女もまたテンパっているのだろう。


 下着姿の老婆がこちらに向かって胸を張る。


「まずは見るがよい、魔女の破壊の力を――秘奥!! セクスィービィーム!!」


 黒いセクシィパンティと、セクシィブラジャーに暗黒の力が集まる。

 それはそのまま、ブラとパンティの形を伴ったまま男戦士たちの方へと飛ぶと、大理石でできた城の床に大きな穴をあけた。


 こんがりと、それでいてしっとりと、かといってアダルティな感じを損なうことなく、床にぶち抜かれたパンティとブラジャーの穴。

 あんまりに非現実なその光景に、男戦士たち一行は顎を外して驚いた。


「ほほほ!! どうだ見たか、魔女ペペロペのこの非現実的な力を!!」


「非現実っていうかこれは――なんというか世界観が違うというか」


「モーラさん、これ、ちょっと本当にまずいのではありませんか?」


「分かってるわよそんなの――」


 果たして、こんな攻撃をしかけてくるオババに対抗する手段なぞあるのか。誰もがそう思って、不安な顔をした時だ。

 女エルフがひとり、パーティの前へと歩み出た。


 手にしたのは彼女の魔法杖。

 凶悪な暗黒の力を身にまとっている女王を前に、一歩も引かぬ毅然とした表情を彼女は見せた。


 秘策があると言って見せただけのことはある流石の貫禄であった。


「ほほうエルフの小娘、邪魔をするというのか」


「えぇ、悪いけれど、させてもらうわ」


「魔女ペペロペ。暗黒神の巫女たる最悪の魔女の名を、お前とて知らぬ訳ではないだろう。それでも立ち向かうというのか」


「――知ってるわ。よく知ってる。だからこそ、私はこの魔法を編み上げたのよ!!」


 白い光が女エルフの杖の先へと集中する。

 それは光にしてはあまりにはっきりと白く、そして、遠目に見ても粘質なものだと見て取れた。


 そうまさしく、杖の先に集まったのは白い液体。


「――これはまさか!!」


「魔女ペペロペの穢れを浄化するために、私が編み出した究極の浄化魔法――呪いの変換スペル・マイグレーション!!」


「呪いの変換スペル・マイグレーション!!」


「略してスペル○!!」


「略すなぁ!!」


 だって見た目的にも、名前的にもぴったりじゃないですか、と、女修道士。

 ちっちゃい子供もいるんだから、不用意な発言はよしなさいなとたしなめる女エルフに、しぶしぶ、女修道士は頭を下げるのであった。


「いや、しかし、不用意にそういうものを連想させる魔法と、名前を付けるモーラさんも悪い」


「自然にそういうのに落ち着いちゃうんですかね、どエルフだけに」


「流石だなどエルフさん、さすがだ」


「最終決戦って段階で、なにのんきこいてんのよアンタたちは!! というか、真面目にやんなさいよね、このバカァーッ!!」

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