第1話 どエルフさんと装備
本作品はカクヨムからの転載作品になります。
一発ネタから始まった作品のため初期はSSです。あらすじの内容になるまでには第二部までかかります。申し訳ございませんが、その辺りをご理解いただいた上でお読みいただけると幸いです。m(__)m
「チェインメイルなんて冗談じゃないわ。そんな見るからに重たい装備、動きづらくてしかたないわ。エルフは機動性が大事なのよ」
「そう言われましても。これが、この店で最も軽い装備でして」
「ふん。品揃えの悪い店ね。ティト、違う店に行きましょう」
ご機嫌斜めなエルフ娘が、相棒の戦士の肩を叩く。
するとどうだろう。
振り返った男戦士は、指先にピンク色の布切れを摘んで彼女の方を振り返った。
と、店主の顔が、はっと明るくなる。
「おぉ!! ありました!! もう一つ、激軽の装備がありました!! そちらのビキニアーマーです!!」
「なっ!?」
「モーラさん。アンタ、こんな鎧がいいのかい」
顔を赤らめううんと唸りながら、エルフを見つめる店主と戦士。
先程までの高飛車ぶりなど何処へやら、彼らに負けじと顔を真赤にするエルフ。
「ちが!! ちょっ、違うわよ、ティト、そういう意味じゃないの!!」
「お客様!! この世にこれより薄くて軽いエルフに最適な装備はございません!!」
「いやけど、それ、明らかに私の胸だと、隠れな――」
「それがこの装備の最大の武器にございます!!」
「防具なのに!?」
店主はよい商売人の顔で言った。
ちょっぴり、スケベな男の顔も混ざっていたかもしれない。
「二刀流に飽き足らず防具でも攻撃するとは。流石だなどエルフさん、さすがだ」
「なに妙な納得してるのよ、もう!!」
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