卍 顧みられない日本のユニークカルチャー 卍
かくも大量の巨大ロボットアニメを作り出した国はほかに無い。
べつに調べてないから「ソースは?」とか訊かれても知らないけど。
でもまあ、アメリカで、あるいはイタリアとかインドとかブラジルとかどこでもいいが、他国で合体ロボやガンダム的作品が作られた、という話は聞いたことがない(お隣のあの国は除く)。
YouTubeとかあるんだし存在してたらちっとは聞こえてくるはずだが。
アメリカはトランスフォーマーもロボテックもパワーレンジャーもボルトロンも、もとは日本製。フランス人はグレンダイザーを愛しフィリピン人はボルテスVを国民的アニメとしている。
逆輸入のケースはほぼ、ない。
それに「宇宙戦艦」なんて登場する物語を作った国は?せいぜい日本とアメリカくらいです。
考えてみてください。
世界が【スターウォーズ】で熱狂する1977年、その3年前に我が国は【宇宙戦艦ヤマト】を作っていたのです。そしてその5年後には【機動戦士ガンダム】を作りました。これがどれほどユニークなことか、
そのアメリカでは、パイロットが操縦する類いの巨大ロボは「マシン」とひとくくりに認識され、キャラクター扱いされない。ガンダムはせいぜいミレニアムファルコンと同列に扱われる程度。だからアメリカでガンダムは受けなかったのだ。
あちらでは主人公はあくまで人間で、ロボはR2-D2かアイアンジャイアントのような自律型AIタイプでなければキャラクターになり得ない。日本のように主人公とマシンが一対でキャラクターとして認知されるケースは希だ。「アイアンマン」と「ナイトライダー」くらい?
だけど2021年現在の日本では、SFの衰退とともにロボアニメ、宇宙が舞台のアニメはオワコン化の一途を辿っている。
みんな、生身の人間が街の片隅か山だかでちんまりバトルするだけのジャンプ的作品か、バトルさえ廃した日常生活か、歌うたってるだけのアニメとか、そんなのしか興味なくなっちゃった。
まあ仕方ねえんだ。
おたくカルチャーの一般化ってのはようするにあんま質難しいモノは歓迎されないってこと。アメリカでさえマーベル>スターウォーズなくらいだから、文系大国ニッポンなど言わずものがな。
大量動員を狙うほど毛が三本生えたくらいのライトオタ向け作品ばかりになってしまう。真っ先に切り捨てられたのが「巨大ロボ」と「宇宙」なのだ。
「考察」も野暮と目され、セリフでなにもかも説明してくれる親切な作品でないと観向きされなくなった。
ガンダムさえも「ビルドファイターズ」に及んで「リアルロボット」というアイデンティティーを失い、キティちゃんと同質のコレクターズブランドに堕ちた。
このまま、世界で唯一無二といえる物語文化を失ってしまうのだろうか?
なんか惜しいです。